大白蓮華 2011年10月号 巻頭言
わが地区こそ勝利の本陣なり
断固して
一人も漏れなく
幸福の
人生飾れや
今世を歩めや
若き弟子・南条時光のお母さんへ、日蓮大聖人は仰せになられた。
「この経を持つ(たもつ)人は百人は百人ながら・千人は千人ながら・一人もかけず仏に成る」(1580ページ)
一人の人間の生命は、どれほど尊く、どれほど偉大であるか。その一人が、最大に幸福に光輝いていく為に、仏法はある。信心はある。
ゆえに、徹して一人のために!
そして、断じて一人も残らず!
この仏法の真髄の魂が最も熱く、最も生き生きと脈打つ世界こそ、我らの築き上げてきた地区である。
わが地区で、一人ひとりが正しき信行学を会得し、成長していくのだ。
わが地区で、一人ひとりが難を乗り越え、一生成仏していくのだ。わが地区から、一人ひとりが広宣流布の闘士として打って出るのだ。
御義口伝(おんぎくでん)には「法華経を持(たも)ち奉(たてまつ)る処を当詣道場(とうけいどうじょう)と云うなり此(ここ)を去って彼(かしこ)に行くには非ざる(あらざる)なり」と明かされている。
一番身近で根本の道場を離れて、仏道修行の成就はない。
仏の「毎自作是念(まいじさぜねん)」とは、一人でも多くの衆生を、いかにして成仏させていくかにある。
地区を大切にし、顔の見える一人のために祈り、奔走(ほんそう)し続けるからこそ、仏の一念に合致して、仏の智慧(ちえ)と力が迸(ほとばし)り出るのだ。
わが師・戸田城聖先生は、地区に足を運ばれながら、よく言われた。「地道と努力の積み重ねなくして、『師弟不二』の磐石な民衆の組織は築けない。
学会の強さは、最前線の地区から盛り上がる民衆の力だ!」この方程式は永遠に変わらない。
あの昭和31年、関西本部での朝の勤行会に勇んで駆けつけてくれたリーダーの中に、看護師として活躍する女性の地区部長がおられた。病苦や経済苦と戦う友も多かった。
皆を懸命に励まし、指揮を執る健気な彼女をねぎらい、私は言った。
「一人一人の同志を、わが一念の中に入れて祈り抜くのです」私自身、何度も応援に飛び込んだ。
「『男女はきらふべからず』(1360ページ)です。皆さんの地区部長を、戸田先生とも思って、守り支えてください」と申し上げたこともある。
地区の皆で心をあわせて唱題するなか、団結の力は深く漲(みなぎ)っていった。
その5月、彼女の地区は380世帯の本尊流布を実らせた。そうした一つ一つの地区の奮闘が、1ヶ月で1万1111世帯という、大折伏の金字塔を打ち立てたのだ。
地区こそ師弟の勝利の本陣であり、偉大な歴史を創る電源地である。
「一人一人がその人にしか出来ない変化をもたらすことのできる存在であり、皆で力を合わせれば、不可能と思われるようなことも成し遂げることができる」
これは、アフリカの環境の母・マータイ博士の揺るがぬ確信である。
不慮(ふりょ)の災害などへの備えからも、地域に根ざした市民のネットワークが切望されている。創価の地区は、かけがえのない安穏と希望の柱だ。
御聖訓には「法華経の行者は日輪と師子との如し」(1219ページ)と仰せである。
わが地区は、幸福の太陽のスクラムであり、勝利の師子の陣列である。さあ、地区から新しい人材を励まし育て、青年学会の拡大だ!
あな嬉し
あの人 この人
勇敢に
人生勝ちゆく
誇りは無限と