2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 厳護 37 1月22日

一九七七年(昭和五十二年)の大教学運動の原動力となったのは、聖教新聞の元日付から四回にわたって掲載された、山本伸一の「諸法実相抄」講義であった。 伸一は、この講義の冒頭、鳩摩羅什の話を通し、創価学会がめざす教学運動について、語っていった。 …

小説「新・人間革命」 厳護 36 1月21日

この一九七七年(昭和五十二年)「教学の年」は、例年にも増して、仏法研鑽の息吹に満ちあふれた年であった。 「教学の年」の開幕を前に、早くも前年十二月には、任用試験が行われていた。 そして、年が明けた一月九日には、全国各地で教学部の中級登用筆記…

小説「新・人間革命」 厳護 35 1月20日

古代ローマの詩人ホラティウスは、「訓練で隠された力が発揮されるのだ」(注)と述べている。 頭で理解し、わかっていることと、実際にできることとは違う。災害の時なども、知識はあっても、いざとなると、体がすくんで動けなくなるケースが少なくない。 …

小説「新・人間革命」 厳護34  1月19日

「輸送班」の人材育成のなかで、最も驚嘆すべきは、何よりも、一人ひとりの、強い責任感を育んできたことである。 輸送班員は、任務に就く何日も前から、真剣に登山会の無事故と大成功を祈念し、唱題した。登山会の日が、好天に恵まれず、激しい雨などになる…

小説「新・人間革命」 厳護 33 1月18日

「輸送班」の任務を遂行するには、事前の万全な体調管理も不可欠である。 また、着任に際しては、頭髪もきちんと整え、シャツなども清潔感があふれる白にするように定められていた。輸送班もまた、学会の“顔”となるだけに、身だしなみも、きちんとすることが…

小説「新・人間革命」 厳護 32 1月17日

「創価班」は、決然と立ち上がった。青年たちの若々しい力によって、学会の前進の歯車は、唸りをあげて回り始めたのである。 第一回総会での、会長・山本伸一の指導をもとに、「創価班」の首脳幹部たちは、真剣に語り合った。 ――「創価班」を、山本先生の心…

小説「新・人間革命」 厳護 31 1月15日

山本伸一は、現代社会の状況に言及し、世相はすさみ、「末法極まれり」との様相を呈していることを指摘した。 この前年の二月には、アメリカのロッキード社による、航空機売り込みをめぐる疑獄事件が発覚している。 いわゆる、ロッキード事件である。日本の…

小説「新・人間革命」 厳護 30 1月14日

山本伸一は、「創価班」のスタートにあたって、信仰の原点を明確に再確認しようと考えていた。それによって、めざすべき道も、おのずと明らかになっていくからだ。 「御本仏・日蓮大聖人の御遺命は、広宣流布です。それを忘れたならば、もはや、日蓮仏法の意…

小説「新・人間革命」 厳護 29 1月13日

一九七七年(昭和五十二年)「教学の年」の本格的な回転は、一月六日、木曜日夜の、第一回創価班総会から始まった。 寒風のなか、東京・信濃町の学会本部に集って来た青年たちの顔は紅潮し、その瞳は、凛々しく輝いていた。 午後六時半、会場の創価文化会館…

小説「新・人間革命」 厳護 28 1月12日

自ら労せず、楽をして、利益や地位、立場、栄誉などを手に入れることができれば、どんなに幸せかと考える人は少なくない。そのために、富や権力をもつ人に媚びへつらって生きる人もいる。 要領主義で、うまく人生を泳ぎ渡ろうという人もいる。 また、立身出…

小説「新・人間革命」 厳護 27 1月11日

山本伸一は、言葉をついだ。 「『白蓮グループ』は、学会の“顔”であり、創価の“花”です。 若い女性たちが、広宣流布という目的のため、会員のために、献身してくださる姿は、まことに尊いし、崇高です。 その努力、苦労は、すべて自分を荘厳していく、偉大な…

小説「新・人間革命」 厳護 26 1月10日

かみくずを ひろいし姿に 仏あり 喜々として清掃に励む、「白蓮グループ」の姿を見て、山本伸一がメンバーに贈った句である。広宣流布に生きる仏子のために尽くすことは、仏の振る舞いである。 「白蓮グループ」は、歴史を刻むなかで、組織の充実が図られ、…

新年メッセージ(2011年1月号 グラフSGI)

「人間革命」の勝利の物語を! 「広宣流布」の躍進の歴史を! 「人材・躍進の年」の晴れやかな開幕、誠におめでとうございます。 われら創価学会インタナショナル(SGI)は、学会創立100周年の2030年に向かって、21世紀の第2の10年を勢いよく出発しまし…

小説「新・人間革命」 厳護 25 1月8日

山本伸一は、女子部の「白蓮グループ」とも、何回も、カメラに納まった。 「白蓮グループ」の淵源は、一九五七年(昭和三十二年)五月、女子部幹部会などの諸行事の運営・整理を任務として発足した、 女子部の整理班にある。これは、青年部の室長であった伸…

小説「新・人間革命」 厳護 24 1月7日

山本伸一は、記念撮影のあとも、「創価班」のメンバーに語った。 「青年が成長していくには、甘えを捨てなくてはだめだ。 “責任は、壮年がもてばよいのだ”とか、“仕事が忙しいから、学会活動がおろそかになっても仕方がない”などという考えが微塵でもあれば…

小説「新・人間革命」 厳護 23 1月6日

新年勤行会が終わると、山本伸一は、学会本部の前庭に出て、前々日の十二月三十日に除幕式が行われた、「人間革命の歌」の碑の前に立った。 空は晴れていたが、風は冷たかった。 彼は、参加者や、役員として任務に就いていたメンバーに、「一緒に記念撮影を…

小説「新・人間革命」 厳護 22 1月5日

新年勤行会に集った同志たちは、創価学会の風雪と怒濤の大前進を思いながら、山本伸一に、じっと視線を注いだ。 「今や、日本国内にとどまらず、世界各地に、多くの地涌の菩薩が出現し、世界広布の盤石な基盤が整いました。 海外草創の同志は、言語も、文化…

小説「新・人間革命」 厳護 21 1月4日

山本伸一の指導には、烈々たる気迫があふれていた。 参加者は、荒波に厳としてそそり立つ巌のごとき大確信と、不撓不屈の決意を感じた。そして、“先生は、何か強く心に期されることがあるにちがいない。 自分も頑張らなければ!”と、武者震いしながら、固唾…

2011年1月号 巻頭言

皆が「人材」! 今日も「躍進」を 創価学会名誉会長 池田 大作 築きたり 創価の長城 盤石に 人材陣列 世界に揃いて 「宇宙は、これまでも、これからも、永遠に青年であり続ける!」 これは、ロシアの宇宙開発の父ツィオルコフスキーの洞察である。 宇宙には…

大白蓮華 2010年12月号 巻頭言

「心の財」第一なり 創価学会名誉会長 池田 大作 晴れ晴れと いかなる苦難も 乗り越えて 大信心の 力ためせや 六十年前の師走、二十二歳の私は、北風に向かって突進(とっしん)していた。 経済不況の中、恩師・戸田城聖先生の事業は最悪の窮地(きゅうち)にあ…

学会創立80周年記念 大白蓮華 2010年 11月号 巻頭言

いざや躍進!万年までも 創価学会名誉会長 池田 大作 晴れやかに 創立記念日 祝賀せむ 一千万の 同志に万歳 1930年(昭和5年)の11月18日の火曜日、59歳の牧口常三郎先生は、30歳の若き戸田城聖先生と二人で、『創価教育学体系』を発刊なされた。 わが創価学会…

【第7回2】 真剣勝負が最高峰の証し<下> 2010-12-20

師弟は不可能を可能に! 池田SGI会長 偉大な文化には、必ずといってよいほど師弟の系譜があります。日本の古典芸能である能や邦楽、落語なども、師匠のもとで厳しい訓練を受け切って、芸を磨き上げていく――そうした伝統が脈打っています。 あの大音楽家の…

【第7回1】 真剣勝負が最高峰の証し<上> 2010-12-18

ショーター氏 偉大な演奏は挑戦と忍耐から 池田SGI会長 「完全なるものへ、あるが上にも完全へ」――創価の父・牧口常三郎先生の励ましです。 牧口先生ご自身が、弾圧の獄中にあっても、カントの哲学を精読され、最後の最後まで探究を続けておられた。 「創…

【第6回2】 生命の歓喜の目覚め<下> 2010-11-28

池田 学会精神も同じです。どこまでも「一人のために」です。それが、仏法の人間主義の真髄です。 戸田先生は、「一対一の膝詰め談判によって、広宣流布は成し遂げられる」と宣言し、一対一の対話、そして少人数の座談会を最重視されました。人が集まらなく…

【第6回1】 生命の歓喜の目覚め<中> 2010年 11月27日

池田 含蓄深い言葉です。仏法には「境智の二法」という法門があります。敷衍して申し上げれば、「境」とは外にある一切の対象、「智」とは対象の本質を照らし出す人間自身の智慧です。この「境」と「智」が一体になると説くのです。それを、今のお話に即して…

【第6回1】 生命の歓喜の目覚め<上> 2010年 11月27日

ショーター氏 創造とは自己流から一流への挑戦 ハービー・ハンコック 池田先生、小説『人間革命』と『新・人間革命』の連載六千回、誠におめでとうございます! 毎日毎日、全世界の友の心に、惜しみなく希望と勇気のメッセージを発信してくださり、いくら感…

【第5回】 学ぶ心 育てる心 ㊦ 2010-11-13

池田 まさしく、「一流」に共通する「一念」の構えが、ここにあります。 「心こそ大切なれ」(御書1192ページ)。これは、仏法の一つの重大な結論です。 この一節は、日蓮大聖人が、試練と戦う弟子の四条金吾に贈られました。 金吾は、武術に優れ、医術…

【第5回】 学ぶ心 育てる心 ㊤ 2010-11-13

青年を励ませば青年の生命に SGI会長 一流になるには一流に触れよ 池田SGI会長 音楽は、若者の心に「磨きをかける」――。こう洞察していたのは、アメリカの民衆詩人ホイットマンです。彼は語っております。 「よい音楽とは、確かに、他のどんな影響力に…

小説「新・人間革命」 厳護 20 1月1日

創価の道は―― 広宣流布の道である。 師弟不二の道である。 人間革命の道である。 希望創出の道である。 宿命転換の道である。 平和建設の道である。 社会繁栄の道である。 そして、無量の功徳の花咲く 絶対的幸福境涯を築き上げる 地涌の誉れの大道である。 …

小説「新・人間革命」 厳護 19 12月29日

驚きが走った。歓喜が炸裂した。爆発的な拍手が、場内を揺るがした。 一九七六年(昭和五十一年)十一月四日の夜、東京・信濃町の創価文化会館で開催された輸送班幹部会でのことである。 男子部長から、「輸送班」を発展的に解消して、「創価班」とすること…