2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 7月16日 敢闘37

富島トシの家は、喜界島広布の拠点となってきた。ここでの座談会などで、多くの人が入会し、発心した。また、明るく、面倒みのよい人柄の彼女は、“喜界島のお母さん”と、皆から慕われるようになっていった。 同志が、功徳を受けた、弘教が実ったと、報告に来…

小説「新・人間革命」 7月15日 敢闘36

富島トシの地道な奮闘もあって、喜界島の広宣流布は、着実に進んでいった。 山本伸一が第三代会長に就任した翌年(一九六一年)八月、喜界島に初めて地区が結成され、富島は地区担当員(現在の地区婦人部長)になった。 その翌月のことである。瞬間最大風速…

小説「新・人間革命」 7月14日 敢闘35

題目を唱え、折伏に励む――そこに、地涌の菩薩の生命が脈動し、歓喜があふれる。 富島トシは、学会活動をするなかで、“この信心で、必ず自分は、幸せになれるんだ!”という手応えを感じた。 子どもたちは、信心を始めた母親が、日ごとに明るく、元気になって…

小説「新・人間革命」 7月13日 敢闘34

富島トシが、創価学会の信心の話を聞いたのは、東京から里帰りした、蒲田支部に所属する友人からであった。 「トシさんも大変だったね。でも、正しい仏法を持てば、必ず幸福になれる。いつまでも、不幸に泣いていることはないのよ」 その確信にあふれた言葉…

小説「新・人間革命」 7月12日 敢闘33

使命に生き抜く人は、人生の勝利者である。広宣流布の高き峰をめざして、常に前へ、常に未来へと進みゆくなかに、歓喜あふれる、真の幸福の大道がある。 山本伸一は、八月の二十三日には、九州総合研修所で行われた、壮年・男子部からなる人材育成グループで…

小説「新・人間革命」 7月10日 敢闘32

山本伸一は、気迫のこもった声で、大阪の青年に語った。 「いよいよ、弟子が立ち上がる時代だよ。 私が、大阪の戦いを開始したのは、昭和三十一年(一九五六年)一月です。 ただただ、戸田先生がお元気なうちに、広宣流布は、必ず弟子の手で成し遂げられると…

小説「新・人間革命」 7月9日 敢闘31

山本伸一は、東京創価学会の大発展を祈りながら、さらに東京の青年に訴えた。 「広宣流布の戦いは、皆が主役です。皆が一人立ってこそ、本当の力が出る。それぞれは力があっても、力を出し切らなければ、ないのと同じ結果になってしまう。 ’76東京文化祭は…

小説「新・人間革命」 7月8日 敢闘30

山本伸一は、力を込めて訴えた。 「私は、埼玉の天地に、幾つもの闘争の歴史と学会の精神をとどめてきました。それらの精神を受け継ぐ、民衆凱歌の文化祭にしてほしい。 本当は、練習も見に行って、一人ひとりと握手し、『頼むよ』と言って、励ましたいんだ…

小説「新・人間革命」 7月7日 敢闘29

埼玉を、しばしば訪れた一九五〇年(昭和二十五年)――山本伸一は、十二月の日記に、こう記している。 「苦闘よ、苦闘よ。 汝は、その中より、真の人間が出来るのだ。 汝は、その中より、鉄の意思が育つのだ。 汝は、その中より、真実の涙を知ることが できる…

小説「新・人間革命」 7月6日 敢闘28

山本伸一は、埼玉のメンバーに言った。 「文化祭の練習も、総仕上げの段階に入ったね。成功させるには、最後が大事だよ」 「はい。みんな、“これからが勝負だ! 最高の文化祭にしよう”と、燃えています」 「そうか、すごいね。期待しているよ。 “一日一日、…

小説「新・人間革命」 7月5日 敢闘27

九州総合研修所では、連日、人材育成グループなどのさまざまな行事が行われ、山本伸一の敢闘が続いていた。 八月の二十二日、彼は、同研修所で開催された本部幹部会、鳳雛グループ結成十周年の記念大会などに相次ぎ出席した。 この八月度本部幹部会では、七…

小説「新・人間革命」 7月3日 敢闘26

“鳳雛会は、私の弟子ではないか! つまり、皆が山本伸一の分身ではないか!” “山本伸一”とは、師と共に広宣流布に生き、勝利の旗を打ち立てる闘士の異名だ。 伸一は、そう信じるがゆえに、今後、創価学会の前進が、後退するようなことがあれば、「その全責任…

小説「新・人間革命」 7月2日 敢闘25

山本伸一は、二十一歳で戸田城聖の会社に勤めた。そして、ほどなく、戸田の事業の挫折という、最大の苦境に陥る。しかし、彼は、敢然と師を厳護し抜いたのである。 その伸一の激闘によって、難局を乗り切った戸田は、晴れて、第二代会長として、広宣流布の指…

小説「新・人間革命」 7月1日 敢闘24

山本伸一の言葉は、参加者の魂に、深く突き刺さっていった。 「学会は、世界でただ一つの、純粋なる真実の仏意仏勅の教団です。それゆえに、御聖訓に照らして、邪悪の徒らによって、攪乱されるような事態を迎えるかもしれない。 しかし、鳳雛会の諸君が、地…

小説「新・人間革命」 6月30日 敢闘23

霧雨けむる仙石に 未来を築く若武者の 師匠に誓いし この意気は 天にこだまし 地に響く…… 午後四時半、凛然たる歌声が響き、鳳雛会の大会が始まった。 運営委員長の抱負、色紙贈呈などのあと、マイクに向かった山本伸一は、静かな口調で語り始めた。厳粛な声…

小説「新・人間革命」 6月29日 敢闘22

八月の二十日のことであった。九州総合研修所では、鳳雛会の結成十周年を記念する大会が、晴れやかに開催された。 男子・鳳雛会、女子・鳳雛グループは、一九六六年(昭和四十一年)一月から、山本伸一が高等部の代表に行ってきた会長講義の受講生によって、…

小説「新・人間革命」 6月28日 敢闘21

人類の未来を仰ぎ見るように、山本伸一は目を細めて語っていった。 「資本主義、自由主義の国々にあっても、やはり、人間革命が最大のテーマになってきます。人間のエゴが、野放図に肥大化していけば、社会の混乱は避けられません。 さらに、戦争などの元凶…

小説「新・人間革命」 6月26日 敢闘20

山本伸一は、「今日は、夏季講習会であり、諸君は、二十一世紀を担う人たちなので、少し、難しい話もしておきたい」と言って、核心に迫っていった。 「現在は、東西冷戦というかたちで、資本主義と共産主義の対立が続いていますが、よく、創価学会は、どちら…

小説「新・人間革命」 6月25日 敢闘19

山本伸一は、学生部員たちの顔を見渡しながら、こう提案した。 「今日、一緒に『厚田村』の歌を聴いたこのメンバーを、『学生部厚田会』としてはどうだろうか。 生涯、どんな立場になっても、折々に、この研修所に集まって、この『厚田村』を歌い、私たちの…

小説「新・人間革命」 6月24日 敢闘18

山本伸一の話を聞きながら、中部学生部長の長田耕作は、父母の苦闘を思い起こして、唇をかみしめた。 彼は、兵庫県の神戸の生まれで、父親は寿司職人であった。父は繁華街に店を開いていたが、トラブルに巻き込まれ、やむなく店を閉じ、養鶏業を始める。それ…

小説「新・人間革命」 6月23日 敢闘17

「厚田村」のテープを二回聴くと、山本伸一は、皆に語りかけた。 「『厚田村』の詩は、私が二十六歳の時に作りました。戸田先生と一緒に厚田村を訪ねた折、“この偉大な先生を讃えたい。その存在を世界に知らしめたい”との思いから、一気に書き上げた詩なんで…

小説「新・人間革命」 6月22日 敢闘16

中部第一総合研修所の夏季講習会に参加している学生部員は約百二十人で、一年生と、入会間もないメンバーがほとんどであった。 それを聞くと、山本伸一は言った。 「ぜひ、みんなと会って、励ましたいな」 そして、この二十六日の夕刻、懇談会をもったのであ…

小説「新・人間革命」 6月21日 敢闘15

山本伸一は、七月二十四日にも、中部第一総合研修所での勤行会に出席した。二十五日には、ドクター部、教育部の代表や、三重の功労者らと共に記念撮影し、激励を重ねた。 そして、二十六日には、研修所で夏季講習会を開催していた、中部学生部の代表を励まし…

小説「新・人間革命」 6月19日 敢闘14

山本伸一は、中部第一総合研修所に滞在して、中部の新章節を開くために、人材の育成に全精魂を注いだ。 七月二十四日には、研修所内をくまなく回った。安全管理や研修会の運営状況を、自らの目で確認しておきたかったのである。 館内の各部屋や廊下なども入…

小説「新・人間革命」 6月18日 敢闘13

山本伸一は、中部第一総合研修所に到着した七月二十三日の夜、同研修所内に完成した三重記念館の開館記念勤行会に出席した。 この勤行会でも、「人間革命の歌」の熱唱が響いた。 歌が出来上がり、聖教新聞紙上に歌詞と楽譜が発表されたのが、十九日である。…

小説「新・人間革命」 6月17日 敢闘12

学会の主要行事を映画に収めようというのは、実は、山本伸一が、今後の構想として、青年たちに語ってきたことであった。 伸一は、戸田城聖に、重ねて進言した。 「先生、今や映画の時代です。ぜひ、未来のために、重要な行事だけでも、撮影させていただきた…

小説「新・人間革命」 6月16日 敢闘11

戸田城聖を囲み、『永遠の都』を学びながら、山本伸一は、ひとり思った。 “先生の叫びを、永遠に残したい。いつかレコードのようなかたちで!” 一九五九年(昭和三十四年)の元旦――。 戸田が世を去って、初めて迎えた新春である。信濃町の学会本部に集った弟…

小説「新・人間革命」 6月15日 敢闘10

『創価教育学体系』第一巻の「緒言」(序文)に、牧口常三郎は、この発刊にあたって、青年たちが、原稿の整理や印刷の校正に尽力してくれたことに触れ、なかでも、戸田城聖の多大な功績について記している。 そこには、戸田が、牧口の教育学説を時習学館で実…

きょうの聖教新聞  2010・6・21

★名字の言 ▼夏目漱石の小説『行人』の一場面。私の生死は、自分を超越した神に任せている。と男が語る。それを聞いた相手は突然、平手で彼の頬を打つ。「何するんだ」と気色ばむ男に、彼は答えた。それ見ろ。やっぱり怒るじゃないか ▼神に身を委ねると胸を…

きょうの聖教新聞  2010・6・19

★名字の言 ▼流れ星からの不思議な力で、ハトに変身した少年たち。「宇宙の一番の秘密」を求め、「森の主」と呼ばれる大樹と出会う。「森の主」は、なぜ自分が森で一番大きな木になれたのか、分かるかと問う。「たくさん栄養をとったから!」「雨や風に負け…