2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 宝冠13  7月29日

山本伸一がスポーツ施設を視察した二十四日、ソ連は、有人宇宙船ソユーズ18号を打ち上げた。翌二十五日には、そのニュースが日本にも流れた。 乗船しているP・I・クリムク船長とV・I・セバスチヤノフ飛行士は、気分は良好で、順調に飛行していることが…

小説「新・人間革命」 宝冠12  7月28日

ソ連滞在の三日目となる五月二十四日、山本伸一の一行は、モスクワにあるソ連のスポーツ施設を視察した。 漕艇場や、陸上競技のメーン会場となるレーニン中央競技場など、五年後に開催されるモスクワ・オリンピックに向けて、着々と施設の整備が進んでいた。…

小説「新・人間革命」宝冠11  7月26日

休憩のあと、ショーロホフ生誕七十周年の祝賀の舞台が始まった。 バレエやコサックの踊り、合唱などが次々に披露された。どの演技も秀逸であり、文学の英雄ショーロホフの七十歳の誕生日を祝う喜びにあふれていた。 山本伸一も、峯子も、惜しみない拍手を送…

きょうの聖教新聞  2008・7・29

★名字の言 ▼“それは、まるで真っ暗な宇宙空間に放り出された感じ”。日本のヘレン・ケラーと呼ばれる福島智・東京大学准教授が全盲ろうになった時のことをこう述懐している ▼目が見えず耳も聞こえない氏が先月、博士号を取得。夢に向かって進む姿は多くの人の…

きょうの聖教新聞 2008・7・28

★名字の言 ▼日本最古の人類化石が、数多く発掘されている沖縄。なかでも、約1万8千年前の全身にわたる人骨が4体も見つかった「港川人」は有名だ ▼発見者は、実業家の故・大山盛保氏。購入した栗石の中に動物化石を見つけた彼は、“必ず人類化石もあるに違い…

きょうの聖教新聞  2008・7・27

★名字の言 ▼笑顔が魅力のプロ野球のリーダーといえば、千葉ロッテのホビー・バレンタイン監督。ある時、救援の投手が打たれ、逆転負けをしてしまった。その時の監督の一言が光る。「こんど同じ場面になったら、必ずキミを使う。そのときは二人で笑顔で握手し…

2008年大白蓮華 8月号 巻頭言

「信心」に勝る兵法なし 創価学会名誉会長 池田 大作 信心の 強きを仏と 言うなれば 偉大な同志よ いや増し 勇気を 「心とはどんな境遇からでも、運命を飛び越えて成長することが出来るのです」と、古代ローマの哲人セネカか言った。 人間の世界にあって、人…

小説「新・人間革命」 宝冠10 7月25日

「山本会長! ようこそソ連へ」 休憩時間、山本伸一と峯子がロビーに出ると、ロシア語で呼びかける声が響いた。 振り向くと、そこには、劇作家で『アガニョーク』誌の編集長を務めるA・V・サフローノフと、エベリーナ夫人がいた。 伸一と峯子は、日本を訪…

きょうの聖教新聞  2008・7・26

★名字の言 ▼子どもたちの笑顔が耀く夏だ。夏休みといえば、楽しい思い出とともに宿題に追われた記憶を蘇らせる大人もいる。切羽詰って、何日分もの観察記録を書いたりと、つらい日々で休みを締めくくったことも ▼楽しかったけど大変だった。こうした経験から…

きょうの聖教新聞  2008・7・25

★名字の言 ▼見知らぬ人がすれ違うとき、会釈を交わし合う街があるーそれは東京。といっても江戸時代の話だ ▼当時、江戸は人口100万人とも。他人と触れ合わずには過ごせない。「髪型や服装などから身分がひと目でわかる時代だったので、身分の差異を乗り越…

小説「新・人間革命」 宝冠9  7月24日

山本伸一は、最後に、「ショーロホフ先生が一日も早く健康を回復されますよう、心よりお祈り申し上げ、ごあいさつとさせていただきます」と述べ、話を結んだ。 伸一がユーモアを交えてあいさつしたことから、座の雰囲気は大きく変わった。皆がジョークを言う…

小説「新・人間革命」 宝冠8  7月23日

山本伸一は思った。 “ショーロホフ先生のご病状は、かなり悪いのであろう。ご自身の七十歳を祝う記念式典に出席できず、さぞかし残念であるにちがいない……” 彼は、信念の文豪の健康回復を祈り、心から題目を送った。 レセプションでは、参加者の代表があいさ…

2008年7月22日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-1 広布第2幕第10回全国青年部幹部会

2008年7月22日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-2 広布第2幕第10回全国青年部幹部会 師弟の誉れ 一、ここで、近代日本の夜明けを開いた、吉田松陰と高杉晋作の師弟に触れたい。 吉田松陰は、1830年(天保元年…

2008年7月22日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-1 広布第2幕第10回全国青年部幹部会

2008年7月22日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-1 広布第2幕第10回全国青年部幹部会 対話の大潮流を起こす夏! 楽しく戦い 楽しく勝つ人生を 維新を!──師と共に走った高杉晋作 若き君よ信頼の柱と光れ 戸田先生…

きょうの聖教新聞  2008・7・23

★名字の言 ▼「池田先生にワープロでお手紙を打つことが、できるようになったんです」と語る一人の男性。出世時の病による麻痺で、手足が不自由になった彼は、約1時間、舌を使い、汗だくになって、一字一字、打ち込んだという ▼名誉会長からの励ましの伝言は…

2008年7月21日付 聖教新聞  新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上-2  広布第2幕第10回全国青年部幹部会

2008年7月21日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上-2 広布第2幕第10回全国青年部幹部会 創大生の活躍 一、創価大学、そしてアメリカ創価大学の皆さん、素晴らしい合唱、重ねて、「ありがとう!」と申し上げたい(大…

2008年7月21日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上-1 広布第2幕第10回全国青年部幹部会

2008年7月21日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 上-1 広布第2幕第10回全国青年部幹部会 青年の歌声高く正義の大道を 人材の光で 未来を照らせ! わが同志は「世界の宝」 伝教大師 「人々に尽くす菩薩こそ国の宝」 戸…

小説「新・人間革命」宝冠7 7月22日

デミチェフ文化相と山本伸一の会談では、トレチャコフ、プーシキンの両美術館から富士美術館に出展し、展覧会を開催することや、民音による民族舞踊団の招聘などの方向性が決まった。 具体的で実りある会談となった。 伸一は、文化交流は、民衆と民衆の相互…

小説「新・人間革命」 宝冠6 7月21日

会談の最後にポポワ議長が笑顔で語った。 「もう一つ、プレゼントがあります」 絵画が運び込まれた。タテ一・八メートル、ヨコ二・二メートルの油彩画である。 灰色の死の街で、浴衣を着てひざまずき、深い悲しみに沈む人の姿が描かれていた。 「広島の原爆…

きょうの聖教新聞  2008・7・22

★名字の言 ▼“どげんとせんといかん”のフレーズでブームとなった宮崎県。先月、同県庁を訪れた観光客が、この一年余りで50万人を突破。新たな観光名所として注目を集めている ▼77年前、県内に初めて定期遊覧バスを走らせたのは、“宮崎観光の父”と呼ばれる…

小説「新・人間革命」 宝冠5  7月19日

ソ連対文連のポポワ議長の話を受けて、山本伸一は御礼を述べるとともに、今回の訪ソの決意を語った。 「前回の訪問で私たちは皆様方と共同コミュニケを発表し、善隣友好の関係を強化し、文化、科学、教育分野における交流を拡大することを確認し合いました。…

小説「新・人間革命」  7月18日 宝冠4

翌五月二十三日の午前十時、山本伸一たちは、ソ連対文連を訪問。N・V・ポポワ議長やレドフスキー副議長、ソ日協会のコワレンコ副会長らと会談した。 部屋に入ると、ポポワ議長の満面の笑みが目に飛び込んできた。 「山本会長! また、対文連を訪問していた…

きょうの聖教新聞  2008・7・21

★名字の言 ▼我らの足跡が、いつか平和の大道となる・・・。今月の本部幹部会で、アメリカ創価大学(SUA)の愛唱歌が響きわたった ▼21世紀を開く“希望の歌声”だった。英語での合唱だったが、歌声に込めた友の心が、びんびんと伝わってきた。制作の中心者…

きょうの聖教新聞 2008・7・20

★名字の言 ▼40年前にノーベル文学賞を受賞した作家の川端康成は、好んで、子どもたちの文章を読んだ。「文章の秘密は、技巧よりも情熱、姿よりも心」(『新文章読本』)を信念とした文豪は、子どもの純粋、かつ新鮮な心に映し出された作品に真摯に学び、自…

きょうの聖教新聞  2008・7・19

★名字の言 ▼女子部のエンカレッジ・フェスタが、各地でさわやかな感動を広げている ▼「若い人が、こんなにいるとは!若い人の力は、すごいですね」「真っすぐな心と清々しい歌声に魅了されました。心洗われた思いです」。東京・荒川のフェスタに参加した地域…

きょうの聖教新聞  2008・7・18

▼男性に「正義」と「勇気」を吹き込む力が、女性にあるのだろうか ▼「私へのおほめの言葉は、妻が受ける資格があるのです」。20世紀最高の科学者の一人であるポーリング博士が、池田名誉会長との対談でしみじみと語った。博士を平和運動へと導き、いわれな…

小説「新・人間革命」 宝冠3  7月17日

山本伸一は、真心の歓迎に深謝しながら、出迎えの人たちと、しばらく懇談した。 前回の訪問で一行の世話をしてくれた、モスクワ大学で日本語を学ぶ学生たちの、元気な笑顔もあった。彼らの多くは、伸一の第一次訪ソのあと、日本に留学し、滞在中、伸一と交流…

小説「新・人間革命」 宝冠2 7月16日

山本伸一の一行がモスクワのシェレメチェボ空港に到着したのは、現地時間の午後五時四十分であった。 空港には、ソ日協会会長であるT・B・グジェンコ海運相、モスクワ大学のR・V・ホフロフ総長、対文連のA・M・レドフスキー副議長、ソ日協会のI・I・…

小説「新・人間革命」 宝冠1 7月15日

飛行機が高度を上げると、上空には、果てしない青空が広がっていた。 平和旅を続ける山本伸一の胸に、詩聖タゴールの詩の一節がこだましていた。 「曇らない希望を君の魂にもって/新しい岸にまで到り着く力を死守せよ」(注) 荒れ狂う怒濤のごとき世界にあ…

小説「新・人間革命」  7月12日  共鳴音47

山本伸一は五月二十日には、パリ会館でアカデミー・フランセーズ会員で美術史家のルネ・ユイグと会談した。 彼とも、前年四月、聖教新聞社で初めて会い、会談していた。 戦時中、学芸員であった彼が、ナチスの手からルーブル美術館の至宝を守り抜いたことは…