2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

 新社会人に贈る ㊦ (2012.5.22/23/24)

──仕事で失敗して、すっかり自信を失ってしまうこともあります。 名誉会長 失敗は、敗北ではありません。いな、青年には、失敗や悩みは、前進の証拠です。前に進んでいるからこそ、向かい風がある。転ぶこともある。でも、それで下を向いてしまわない。また…

 新社会人に贈る ㊤ (2012.5.22/23/24)

新しい人材の活躍こそ社会の希望 仕事と信心は別々ではない。仕事を最大に充実させる原動力が、信心なのです。 名誉会長 はじめに、先日(5月6日)の竜巻で被災された茨城、栃木の皆様方に、あらためて心からお見舞いを申し上げます。 本当に甚大な被害で…

小説「新・人間革命」厚田 14  20 12年6月30日

戸田講堂の開館を記念する勤行会は、山本伸一の詩を歌にした「厚田村」の大合唱で幕を閉じた。 引き続き伸一は、講堂の前で、北海道の広宣流布に尽力してきた功労者らと記念のカメラに納まり、墓地公園内の管理センター前広場で行われた祝賀の集いに出席した…

小説「新・人間革命」厚田 13 2012年6月29日

山本伸一は、凛とした声で話を続けた。 「本日は、『破信堕悪御書』の一節を拝したいと思います。 『釈迦仏は三十二相そな(具)わって身は金色・面は満月のごとし、しかれども或は悪人はすみ(炭)とみ(見)る・或は悪人ははい(灰)とみる・或は悪人はか…

小説「新・人間革命」厚田 12  2012年6月28日

歓喜をはらんだ山本伸一の力強い声が、広々とした畳敷きの講堂に響いた。 「わが同志と一緒に、どこかで静かに眠りに就きたい──この恩師の遺言を、生死不二の原理に照らしていうならば、再び新たなる生命を蘇らせ、共々に広宣流布に戦っていこうとの意味であ…

小説「新・人間革命」厚田 11 2012年6月27日

翌十月一日は、厚田・戸田講堂の開館式の意義をとどめる記念勤行会、祝賀の集いなどの諸行事が行われることになっていた。 朝、山本伸一は、講堂の窓から外の景色を眺めた。雲ひとつない秋空が広がり、色づき始めた木々が、鮮やかに陽光に映えていた。 正午…

小説「新・人間革命」厚田 10 2012年6月26日

山本伸一は、戸田旅館の主に、商売を繁盛させるための源泉こそ、信心であることを語り、さらに言葉をついだ。 「今回、厚田村に戸田先生を記念する墓地公園がオープンしますから、これからは、訪れる人も増えていくでしょう。 私が、初めて戸田先生と、こち…

小説「新・人間革命」厚田 9 2012年6月25日

戸田旅館は、厚田港のすぐ近くにある、こぢんまりとした旅館である。 「ごめんください」 山本伸一は、ガラガラと旅館の玄関のガラス戸を引いた。 顔を出したのは、戸田旅館の跡取り息子である戸田悟の嫁・和美であった。 「まあ、山本先生! ようこそおいで…

小説「新・人間革命」厚田 8 2012年6月23日

山本伸一は、戸田記念墓地公園の職員の代表に、重ねて言った。 「新しい事業が開始されるということは、そこで働く君たちの一念が、奮闘が、仕事ぶりが、未来の規範となり、伝統となっていく。 今のみんなの苦労、努力こそ一切の根本であり、基盤となります…

小説「新・人間革命」厚田 7 2012年6月22日

山本伸一を乗せた車は、墓地公園内にある戸田講堂の玄関前に止まった。墓園を運営する職員の代表ら数人が、笑顔で迎えてくれた。 車を降りると伸一は言った。 「厚田に、創価の師弟の故郷ができたね。これから、一緒に新しい歴史を創っていこうよ。君たちこ…

小説「新・人間革命」厚田 6 2012年6月21日

墓地問題では、山本伸一ら青年部の幹部が、埋葬を拒否する寺院と話し合い、多くは解決をみた。しかし、寺側が誤りを認めず、やむなく法的手段をとったケースもあった。 裁判でも、結果的に、学会員の主張が認められ、埋葬は可能となったが、できることなら、…

小説「新・人間革命」厚田 5 2012年6月20日

寺院に埋葬を拒否された学会員の悩みは、深刻であった。夫を亡くしたある夫人は、遺骨を抱えて寺に行くと、住職に、吐き捨てるように言われた。 「あんたは学会に入り、先祖代々の宗派を捨てた。 ご先祖様と寺を裏切ったんだ。当寺とは無縁だ。埋葬などでき…

小説「新・人間革命」厚田 4 2012年6月19日

山本伸一が、墓園の建設を念願してきた、もう一つの理由として、いわゆる『墓地問題』があった。 それは、創価学会の折伏・弘教の波が大きく広がっていった昭和三十年(一九五五年)代初めから、起こり始めた出来事であった。 学会員が、先祖代々、使用して…

小説「新・人間革命」厚田3 2012年6月18日

厚田の戸田記念墓地公園は、北東に暑寒別の山々が連なり、西には荒波躍る日本海が広がる景勝の地にある。総面積約百五十万平方メートルで、阪神甲子園球場のおよそ三十九個分の広さになる。 墓地公園内には、桜、ポプラ、イチョウ、プラタナスなど、十数種…

小説「新・人間革命」厚田2 2012年6月16日

山本伸一たちの乗った車は、ほどなく戸田記念墓地公園の正門に着いた。側面が三角形の、モダンなデザインの白い門である。 伸一は、そのまま、車を走らせてもらい、まず、園内を一巡することにした。 正門から真っすぐにメーン道路が続き、その正面には、円…

小説「新・人間革命」厚田1 2012年6月15日

広布旅 師弟不二なり 三世まで 秋草の大地が続き、ところどころに茂る、色づき始めた木々が、風に揺れていた。 一九七七年(昭和五十二年)九月三十日正午過ぎ、山本伸一と妻の峯子は、札幌市豊平区の札幌創価幼稚園を車で発ち、恩師・戸田城聖の故郷である…