2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 力走43 2016年年5月14日

高知研修道場では、地元の幹部らが山本伸一たちの到着を待っていた。 “こんな遠くまで、本当に山本先生が来てくださるのだろうか……” 彼らは、伸一が中村駅から車に乗り、研修道場へ向かったという連絡を受けても、まだ、信じられない思いがするのだ。 研修道…

小説「新・人間革命」 力走42 2016年年5月13日

山本伸一は、午後三時過ぎ、高知駅から急行列車に乗り、土佐清水市の高知研修道場へと向かった。 車窓には、小高い山々が連なっていた。暦のうえでは、既に冬だというのに、美しい深緑の山並みが輝き、南国土佐を感じさせた。 列車が須崎を過ぎると、目の前…

小説「新・人間革命」 力走41 2016年年5月12日

勤行会で、功徳を受けていくことの大切さを語った山本伸一は、最後に呼びかけた。 「“水の信心”と“団結の高知”、さらに“功徳の高知”として、見事な楽土を築き上げていかれますよう心よりお祈り申し上げ、本日の指導とさせていただきます」 “水の信心”と“団結…

小説「新・人間革命」 力走40 2016年年5月11日

山本伸一は、引き続き午後四時から、高知市内の学会員が営む喫茶店で、女子部の本部長ら二十数人と懇談し、午後六時過ぎからは、高知文化会館の開館一周年記念勤行会に出席した。 翌六日は、土佐清水市にある高知研修道場に向かう予定であったが、彼は、勤行…

小説「新・人間革命」 力走39 2016年年5月10日

樫木幸子は、自宅を会場として提供した。彼女の家がある高知県西部の窪川町(後の四万十町の一部)は、高知と、土佐清水、宿毛のほぼ中間に位置し、比較的、皆が集いやすい場所であった。 といっても、土佐清水からでも、列車を乗り継いで四時間ほどかかる。…

小説「新・人間革命」 力走38 2016年5月9日

山本伸一は、さらに、法華経の「普賢菩薩勧発品」の、「普賢よ。若し後の世に於いて是の経典を受持・読誦せば、是の人は復衣服・臥具・飲食・資生の物に貪著せじ。 願う所は虚しからじ。亦現世に於いて、其の福報を得ん」(法華経六七六ページ)の文を引いて…

大白蓮華 2016年(平成28年)5月号(No.799)

創価学会名誉会長 池田大作 地涌の若人と常勝歓喜の舞を! いかなる試練(しれん)の時代、いかなる苦難(くなん)の社会にも、生命尊厳の希望の哲理(てつり)を掲(かかげ)げ、正義のため、民衆のため、平和のため、喜(よろこ)び勇(いさ)んで戦おうで…

【第13回】立宗の大精神を胸に (2016.4.28)

南無妙法蓮華経と高声によばはりて二十余年をふる間(あいだ)・或(あるい)は罵(の)られ打たれ或は疵(きず)をかうほり或は流罪に二度死罪に一度定(さだ)められぬ、其(そ)の外の大難数をしらず (妙密上人御消息(みょうみつしょうにんごしょうそ…

【第12回】全世界の同志が祈っている! (2016.4.18)

何(いか)なる世の乱れにも各各(おのおの)をば法華経・十羅刹・助け給へと湿れる木より火を出(いだ)し乾ける土より水を儲(もう)けんが如く強盛に申すなり (呵責謗法滅罪抄(かしゃくほうぼうめつざいしょう)、1132ページ) (通解) どのように世…

【第11回】題目こそ幸福の源泉 (2016.4.13)

只南無妙法蓮華経とだにも唱へ奉らば滅せぬ罪やあるべき来らぬ福や有るべき、真実なり甚深なり是を信受すべし(聖愚問答抄、497ページ) (通解) ただ南無妙法蓮華経とだけでも唱えるならば、滅しない罪があろうか。訪れてこない幸福があろうか。このこと…

【第10回】幸福広げる太陽たれ! (2016.4.5)

法華経の師子王を持つ女人は一切の地獄・餓鬼・畜生等の百獣に恐るる事なし (千日尼御前御返事、1316ページ) (通解) 法華経の師子王を持つ女性は、一切の地獄、餓鬼、畜生などの百獣に恐れることはない。 同志への指針 4・11「ヤング・ミセスの日」…

小説「新・人間革命」 力走37 2016年年5月7日

高知支部結成二十二周年記念幹部会は、午後一時半過ぎから始まった。 山本伸一は、高知県創価学会の興隆と同志の幸福を祈念して厳粛に勤行したあと、皆で万歳を三唱しようと提案した。 宗門の僧らによる卑劣な仕打ちに耐え抜いた大切な同志の敢闘を、心から…

小説「新・人間革命」 力走36 2016年年5月5日

懇談会で山本伸一は、参加者の近況に耳を傾け、ピアノを弾いて励まし、記念のカメラに納まった。 その夜、彼は、高知の県幹部らに語った。 「私は全力で働きます。一人でも多くの高知の同志にお会いするつもりです」 翌十二月五日は、前日とは打って変わり、…

小説「新・人間革命」 力走35 2016年年5月4日

一九七七年(昭和五十二年)七月、高知の同志の念願であった高知文化会館(後の高知平和会館)が高知市内に完成した。 さらに、同年十二月には、高知研修 道場(後の土佐清水会館)が土佐清水市にオープンした。 このころには、高知県創価学会は大きな前進の…

小説「新・人間革命」 力走34 2016年年5月3日

島寺義憲の高知県長就任と同時に、県婦人部長にも、三十代の斉木藤子が就いた。 若い中心者二人が、高知広布の車軸となって前進していくことになったのである。 島寺は、地道に県内を回った。 村八分のなかで、敢然と信心を貫き、地域の大多数の人びとを学会…

小説「新・人間革命」 力走33 2016年5月2日

高知は近代日本へ歴史回天の大波を起こした人材の天地である。 また、広宣流布の歴史にあっても、高知には、根深い旧習のなか、来る日も来る日も、折伏・弘教に歩き、茨の道を切り開いてきた、“魁光る”民衆革命の軌跡がある。 島寺義憲は、学生時代に高知を…

小説「新・人間革命」 力走32 2016年4月30日

本部職員の島寺義憲が、高知県長として派遣されたのは、二年前の十二月であった。 彼は、東京の日本橋で生まれ育ち、三十五歳にして初めて暮らす異郷の地が高知であった。 県長の任命を受けた時、彼は、なんの逡巡も迷いもなかった。 “広宣流布のためなら、…