​​大白蓮華 巻頭言 2019年 9月号

​​大白蓮華 巻頭言   2019年 9月号
2019年(令和元年)9月号(No.839)
巻頭言      池田大作
世界市民の言論城ここにあり

 日蓮大聖人は、つましい暮らしの中で広宣流布へ真心を尽くす王日女という女性を讃(たた)え、仰せになられた。
法華経の一字は大地の如し万物を出生す、一字は大海の如し衆流を納む・一字は日月の如し、四天下を照す、此の一字変じて仏となる」(1263ページ)
 衆生の一人一人を救わずにおかないと、語り抜かれた釈尊そして大聖人の肉声の響きを、そのまま留(とど)められた聖典こそ、法華経であり御書である。この一文字一文字の妙(たえ)なる力を漲(みなぎ)らせて、闘諍言訟(とうじょうごんしょう)の末法に大言論闘争を展開していくのが、我らの聖教新聞なのだ。
 私は忘れない。折伏の大師匠たる戸田城聖先生の陣頭指揮のもと、編集に配達に拡大にと奔走(ほんそう)した創刊当時の日々を。あの市ヶ谷のビルの狭い編集室も懐(なつ)かしい。
「日本中、世界中の人に読ませたい」との師弟の悲願のまま、わが同志は聖教を抱きしめて走り続けてくれた。
 今や、民衆からこよなく愛され、世界のセイキヨウの姉妹紙誌も、お隣・韓国の和光新聞など80を数える。
 新たな言論の城・世界聖教会館を仰ぎつつ、無冠の友、通信員、新聞長はじめ、今日の大発展を支えていただいた全ての宝友に、私と妻は南無し深謝している。

 聖教は「幸福の大地」である。どんな宿命も打開し、自他共に必ず幸せになれるという人間革命の希望を、道理・証文と現証すなわち体験を通して生みいだすのだ。
 聖教は「平和の大海」である。あらゆる差異を超えて地球民族を包み、文化・教育の交流を力強く推進して、立正安国の金波銀波を創(つく)り起こすのだ。

 聖教は「正義の日月」である。いかなる混迷(こんめい)の闇(やみ)も生命尊厳の哲理の光で晴らすとともに、人類の進むべき正しき道を破邪顕正(はじゃけんせい)の師子吼(ししく)で開き示すのだ。
 まさしく、世界市民を育くみ、結び、照らす言論城(げんろんじよう)が、 今ここに聳(そび)え立つ。我らは聖教を誇らかに掲げ、かの不軽菩薩の如く「人間尊敬」の対話に打って出て、幸の仏縁を広げゆこうではないか!

 黄金の
  日記文書を
   聖教と
  生命につづれや
    今日も梅いなく