2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【第65回】 大確信の名指揮を頼む (2017.5.23)

一つ船に乗りぬれば船頭のはかり事わるければ一同に船中の諸人損じ・又身つよき人も心かひなければ多くの能も無用なり(乙御前御消息、1220ページ) (通解) 一つの船に乗り合わせた時、船頭の舵取りが悪ければ、船に乗った人々は一斉に命を落としてしま…

【第10回】 誓春凱歌の花を爛漫と (2017.5.28)

わが女子部の友が「凱歌の花」の拡大月間と掲げて、はつらつと前進している。 創価の太陽・婦人部と共に、幸福と友情の対話を明るく賢く織り成す姿を、御本仏がいかばかりお喜びくださることか。 「乙御前は、さぞかし成長されたことでしょう。どんなに聡明…

小説「新・人間革命」 雌伏 五十四 2017年5月27日

山本伸一は、「熱原の三烈士」「さくら」と、ピアノを弾いていった。 “凜々しき勇気の信仰者に育て!”“幸の桜花咲く人生の春を!”との祈りを込めた演奏であった。 彼は思った。 “今、この時に、求道の炎を燃やし、波浪を越えて、横浜の地までやって来た四国…

小説「新・人間革命」 雌伏 五十三 2017年5月26日

山本伸一は参加者に近況などを尋ね、ちょっとした話題を契機に、信心やリーダーの在り方に触れ、指導、激励していった。皆、その自在な語らいを望んでいたといってよい。 話は、同志に接する幹部の姿勢に及んだ。 「幹部の皆さんは、会員の方々の意思をどこ…

小説「新・人間革命」 雌伏 五十二 2017年5月25日

山本伸一は、皆と一緒に勤行し、四国から来たメンバーの帰途の無事と、全参加者の健康と一家の繁栄を祈念しようと交流幹部会の会場に姿を現した。 幾つもの懐かしい顔が、彼の目に飛び込んできた。 伸一は、何人かの同志に、次々と声をかけていった。 そして…

小説「新・人間革命」 雌伏 五十一 2017年5月24日

午後一時半、神奈川文化会館三階の大広間は花のような笑顔で埋まった。 四国・神奈川の交流幹部会が開催されたのである。 神奈川を代表してあいさつに立った幹部は、深い感慨を込めて語った。 「四国の同志の皆さん! ようこそ神奈川へおいでくださいました…

小説「新・人間革命」 雌伏 五十 2017年5月23日

四国のメンバーは、何グループかに分かれ、神奈川文化会館の館内や、会館の敷地内にある戸田平和記念館を見学した。 同記念館は、前年の一九七九年(昭和五十四年)八月にオープンしており、通称「イギリス七番館」といわれていた、歴史ある赤レンガ造りの建…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十九 2017年5月22日

山本伸一は、下船してきた壮年たちを笑顔で包み込み、肩を抱き、握手を交わし、励ましの言葉をかけていった。 「待っていたよ! お会いできて嬉しい。さあ、出発だ!」 彼は、四国の同志の熱き求道の心が嬉しかった。 その一念がある限り、広宣流布に生きる…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十八 2017年5月20日

一月十四日の朝を迎えた。波は穏やかで、刻一刻と昇る太陽が海原を照らしていった。 やがて、「さんふらわあ7」号から、白雪を頂いた富士が見え始めた。 その堂々たる雄姿が、宗門僧らの誹謗・中傷に耐え、風雪の日々を勝ち越えてきた同志の胸に迫った。 船…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十七 2017年5月19日

船上幹部会で、四国長の久米川誠太郎は力説した。 「今、学会を取り巻く環境は厳しいものがあります。 山本先生は自由に全国を回って指導することも、難しい状況です。 しかし、どんな力をもってしても、先生と私たちの絆を断ち切ることなど絶対にできない!…

小説「新・人間革命」雌伏 四十六 2017年5月18日

一九七九年(昭和五十四年)の十二月十六日、神奈川文化会館で行われた本部中央会議に出席した四国長の久米川誠太郎は、同会館に来ていた山本伸一と、他の方面の幹部らと共に懇談する機会があった。 「先生、お願いがあります。先生がこの神奈川文化会館にい…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十五 2017年5月17日

四国の同志は、山本伸一の会長辞任後、月日を経るにつれて、彼の訪問を強く希望するようになっていった。 もとより、それは四国だけではなかった。 全国各地から伸一に寄せられる便りの多くが、来訪を求めていた。 四国では県幹部らで語り合った。 「山本先…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十四 2017年5月16日

新しき十年の開幕となる、この一九八〇年(昭和五十五年)、世界は激動していた。 前年、中東・イランでは、パーレビ朝が倒され、四月にはホメイニ師を最高指導者とするイラン・イスラム共和国が成立した。 また、前年十二月、ソ連は内戦が続くアフガニスタ…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十三 2017年5月15日

創価学会創立五十周年を迎える一九八〇年(昭和五十五年)が明けた。 元日付の「聖教新聞」三面には、山本伸一の近影と、新春を祝賀して彼が詠んだ二首の和歌が掲載された。 ひろびろと 三世の旅路の 元朝なれば 心も新たに 南無し歩まん 幾山河 ふたたび越…

全ての母に感謝の花束を   2017年5月7日

母は温かい。母は賢い。 そして母は強い。 母ありてこそ、私たちがいる。 「母への感謝」は人類永遠の美心である。 いわんや、友のため、地域・社会のため、広宣流布のため、だれよりも真剣に、大誠実で戦ってくださっているのが、わが婦人部の皆さんであら…

【第19回】 我らの凱歌の五月三日 2017年5月3日

王者堂々と広布の峰へ前進! 「師弟共戦」「異体同心」の信心は無敵なり 希望に燃えて進もう! 師弟の凱歌を、全国・全世界の友と朗らかに!(4月15日、東京戸田記念講堂で) 日蓮大聖人の仏法は、全人類を永遠に照らす「太陽の仏法」である。 御聖訓には…

【第63回】広布の勝利劇を綴りゆけ (2017.5.13)

世間の浅き事には身命を失へども大事の仏法なんどには捨る事難し故に仏になる人もなかるべし (佐渡御書、956ページ) (通解) 世間の浅いことには、命を失うことはあっても、大事な仏法のために命を捨てることは難しい。それ故に仏になる人もいないので…

【第9回】今日も「慈折広布」の大道を (2017.5.9)

れやかな「創価学会の日」を、世界中の内外の宝友から慶祝していただき、心より御礼申し上げたい。 5月は、恩師・戸田先生が会長に就任され、「大法弘通慈折広宣流布」の御本尊を発願なされた月である。 「慈折」の二文字、すなわち「慈悲の折伏」に、人類…

【第8回】 人材の光を! 新風を起こせ (20107.4.7)

あふれる春の光の中、武蔵野(むさしの)の天地を一路(いちろ)、わが創価学園へ走った(4月5日)。 思えば、1960年のこの日も通った思い出深き道のりだ。会長就任の直前、学園の建設用地の視察(しさつ)に妻と訪れたのである。 57星霜(せいそう…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十二 2017年5月13日

参加者が久しぶりに聞く、元気な山本伸一の声であった。皆、一心に耳を傾けていた。 「皆さんの美しい演技の裏には、どれほど厳しい修業があり、根性と忍耐をもって技術を磨き、挫けずに前進してきたことか。 人生もまた、美しい開花の裏には苦闘がある。 今…

小説「新・人間革命」〉 雌伏 四十一 2017年5月12日

今回の第三回鼓笛隊総会では、壮年・婦人・男子・女子部の合唱団が一体となって交響詩「民衆」を歌い上げた。 まさに多様な民衆が力を合わせ、凱歌を轟かせていったのだ。 山本伸一は、詩「民衆」に綴っている。 科学も 哲学も 芸術も 宗教も あらゆるものは…

小説「新・人間革命」 雌伏 四十 2017年5月11日

山本伸一は、女子部には虚栄に生きるのではなく、“民衆の子”であることを誇りとして、民衆の大地に根を張り、民衆と共に、民衆のために生き抜いてほしかった。 そこにこそ現実があり、そこで築いた幸せこそが、幸福の実像であるからだ。 彼は、その願いを込…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十九 2017年5月10日

それは、太陽のような輝きに満ちていた。 さわやかな希望の笑顔があった。清らかな生命の光彩があった。誇らかな青春の躍動があった。 鼓笛隊総会は、メンバーの練習の成果をいかんなく発揮する華麗なる祭典となった。 プロローグでは、山本伸一が作詞した鼓…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十八 2017年5月9日

午後六時半、山本伸一は、荒川文化会館を出発し、鼓笛隊総会の会場である荒川区民会館へ向かった。 車に乗る時、同行の幹部が言った。 「ここから二百メートルほど行きますと隅田川です。川の向こうは足立区になります」 「そうか、足立か。できることなら、…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十七 2017年5月6日

荒川文化会館に到着した山本伸一は、集っていた鼓笛隊のメンバーらと共に勤行し、鼓笛隊総会の成功、そして、鼓笛の乙女らの成長と幸せを願い、深い祈りを捧げた。 また、荒川のメンバーの代表とも懇談し、活動の模様などに耳を傾けた。 話題が一九五七年(…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十六 2017年5月5日

同志の中へ、心の中へ――山本伸一は、日々、激励行を重ねていった。 それは、創価の新しき大地を開くために、語らいの鍬を振るい続ける、魂の開墾作業でもあった。 激動の一九七九年(昭和五十四年)は師走に入り、慌ただしい年の瀬を迎えた。 十二月二十六日…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十五 2017年5月4日

山本伸一は、青年たちと、忌憚なく話し合えることが何よりも嬉しかった。 伸一は、彼らに大きな期待を込めて語った。 「青年には、学会の後継として、一切を担っていく重大な使命がある。 ゆえに、戸田先生は、青年を本気で育てようと訓練された。とりわけ、…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十四 2017年5月3日

青年たちは、山本伸一の言葉に大きく頷いた。質問した学生部の幹部が語り始めた。 「確かに、“優秀で、すごいな”と思っていたのに、退転していった人を見てみると、自分中心でした。 自己顕示欲が強く、皆と協調できず、先輩たちとも心を合わせていくことが…

小説「新・人間革命」 雌伏 三十三 2017年5月2日

山本伸一の声に一段と熱がこもった。 「次いで大聖人は、『異体同心にして』(御書一三三七ページ)と仰せです。 『異体』とは、一人ひとりの個性や特質を尊重することであり、『同心』とは、広宣流布という同じ目的に向かい、心を一つにしていくことです。 …

小説「新・人間革命」 雌伏 三十二 2017年5月1日

青年たちは、真剣な眼差しで山本伸一を見つめ、言葉を待った。 「今日は、将来のために、広宣流布をめざすうえでの、最第一の鉄則とは何かを、あえて言い残しておきます。 それは、金剛不壊の異体同心の団結です。 大聖人は、こう仰せになっている。 『総じ…