2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【第54回】一遍の唱題に無量の福徳 (2017.2.24)

釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与え給う (観心本尊抄、246ページ) (通解) 釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足している。私たちは、この妙法蓮華経の五字を受持すれば自…

小説「新・人間革命」 大山 四十六 2017年2月25日

十条潔は、緊張した面持ちで新会長としての抱負を語った。 「山本第三代会長の後を受けまして、新しい制度による出発となりました。 これまでに山本会長は、学会の運営は皆で行っていけるように、十分に指導してくださいました。 これからも、学会の進み方に…

小説「新・人間革命」 大山 四十五 2017年2月24日

県長会等のあとも、山本伸一は新宿文化会館にとどまり、彼の辞任にいちばん衝撃を受けている婦人部の代表と懇談して励ました。 また、来客の予定があり、その応対にも時間を費やした。 夜には、創価学会として記者会見を行うことになっていたが、既に新聞各…

小説「新・人間革命」 大山 四十四 2017年2月23日

二十四日の総務会で制定された「創価学会会則」は、学会が宗教団体として、どのように宗教活動をしていくのか、また、どのように会員を教化育成していくのか、 さらに、そのために組織をどのように運営していくのかなど、原則的な事項を定めたものである。 …

大山 43

会場の中央にいた男性が立ち上がった。まだ30代の東北方面の県長である。彼 は、県長会の参加者に怒(いか)りをぶつけるかのように、声を張(は)り上げて訴(うった)えた。 「皆さんは、先生が辞任されるということを前提に話をしている。私は、おかしい…

大山 42

山本伸一は、力強い口調で語り始めた。 「これからは、新会長を中心に、みんなの力で、新しい学会を創(つく)っていくんだ。私は、じっと見守っています。悲しむことなんか、何もないよ。壮大(そうだい)な船出(ふなで)なんだから」 会場から声があがっ…

大山 41

県長会のメンバーは、十条潔の説明で、山本伸一が会長辞任を決意した理由はわかったが、心の整理がつかなかった。 十条は話を続けた。 「先生は、この際、創価学会の会長だけでなく、法華講総講頭の辞任も宗門に申し出られました。こちらの方は、宗門との間…

【第10回】 仲良く桜梅桃李の人華を (2017.2.15)

同じ目的へ、同じ心で 広宣流布は、皆が主役である。 創価の青年は、一人ももれなく、 尊(とうと)き地涌(じゆ)の菩薩(ぼさつ)である。 日蓮大聖人は、「法華経を持(たも)つ者は必ず皆仏なり仏を毀(そし)りては罪(つみ)を得(う)るなり」(御書13…

【第53回】生命の宝塔を林立させよ (2017.2.16)

末法に入って法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり、若し然れば貴賤上下をえらばず南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり (阿仏房御書、1304ページ) (通解) 末法に入って、法華経を持つ男女の姿よりほか…

【第52回】家族を照らす「太陽」に (2017.2.9)

浄蔵・浄眼は父の妙荘厳王・外道の法に著して仏法に背き給いしかども二人の太子は父の命に背いて雲雷音王仏の御弟子となり終に父を導いて沙羅樹王仏と申す仏になし申されける (聖愚問答抄、492ページ) (通解) 浄蔵・浄眼は、父の妙荘厳王が外道の法に執…

小説「新・人間革命」 大山 四十 2017年2月18日

山本伸一の会長辞任は、あまりにも突然の発表であり、県長会参加者は戸惑いを隠せかった。 皆、“山本先生は宗門の学会攻撃を収めるために、一切の責任を背負って辞任された”と思った。 だから、十条潔から“勇退”と聞かされても、納得しかねるのだ。 宗門との…

小説「新・人間革命」 大山 三十九 2017年2月17日

未来を展望する時、社会も、学会も、ますます多様化していくにちがいない。 したがって、山本伸一は、これまで以上に、さまざまな意見を汲み上げ、合議による集団指導体制によって学会を牽引していくべきであると考えていた。 もちろん会長はその要となるが…

小説「新・人間革命」 大山 三十八 2017年2月16日

四月二十四日午前十時、東京・新宿文化会館で県長会が開催された。 同会館は、信濃町の学会本部、聖教新聞社からも、徒歩十分ほどのところにある。 統一地方選挙の支援活動を大勝利で終え、全国から集ってきた参加者の表情は晴れやかであった。 まだ、会場に…

小説「新・人間革命」 大山 三十七 2017年2月15日

偉業は、継続のなかにある。真の大業は、何代もの後継の人があってこそ、成就するものだ。 山本伸一は、さらに所感で述べていった。 「ここで大事なことは、広宣流布は、不断の永続革命であるがゆえに、後に続く 人びとに、どのように、この松明を継承させて…

小説「新・人間革命」  大山 三十六 2017年2月14日

山本伸一は、人類の危機が現実化しつつあるなかで、地涌の菩薩の連帯は世界九十数カ国に広がり、日蓮仏法が唯一の希望となっていることに言及し、未来への展望に触れた。 「いまだ世界にわたる平和と文化の実現は、緒についたばかりの段階でありますが、この…

小説「新・人間革命」 大山 三十五 2017年2月11日

山本伸一は、四月二十四日付の「聖教新聞」一面に所感「『七つの鐘』終了に当たって」と題する一文を発表した。 これは、学会の首脳幹部と検討して、決まったことであった。 彼は、学会が目標としてきた「七つの鐘」の終了にあたり、苦楽を分かち合って戦っ…

小説「新・人間革命」 大山 三十四 2017年2月10日

四月二十二日、山本伸一は総本山に足を運んだ。日達法主と面会するためである。 うららかな午後であった。澄んだ空に、富士が堂々とそびえていた。雪を被った頂の近くに雲が浮かんでいる。 山頂は、風雪なのかもしれない。 しかし、微動だにせぬ富士の雄姿に…

小説「新・人間革命」 大山 三十三 2017年2月9日

山本伸一は、今こそ、平和の礎となる、仏法から発する生命の尊厳と平等の哲理を世界に伝え、広め、二十一世紀の時代精神としなければならないと決意していた。 彼は、「聖教新聞」の創刊二十八周年にあたる四月二十日には、インドの新聞「インディアン・エク…

小説「新・人間革命」 大山 三十三 2017年2月9日

山本伸一は、今こそ、平和の礎となる、仏法から発する生命の尊厳と平等の哲理を世界に伝え、広め、二十一世紀の時代精神としなければならないと決意していた。 彼は、「聖教新聞」の創刊二十八周年にあたる四月二十日には、インドの新聞「インディアン・エク…

小説「新・人間革命」 大山 三十二 2017年2月8日

山本伸一とキッシンジャーは、庭を散策したあと、応接室で語り合った。 キッシンジャーは、自身の回想録が、間もなく発刊の予定であることを伝えた。 「ここに書かれた内容は外交政策についてであり、私の行ったことです。私の人生についてのものではありま…

小説「新・人間革命」 大山 三十一 2017年2月7日

創価学会は、日蓮大聖人の御遺命である広宣流布を成就するために出現した、地涌の菩薩の集いである。 ゆえに、初代会長の牧口常三郎も、第二代会長の戸田城聖も、万人の幸福の実現に思いを馳せ、死身弘法の決意で、広宣流布の道を切り開いてきた。 われらも…

小説「新・人間革命」 大山 三十 2017年2月6日

神奈川文化会館の開館記念勤行会は、十四日、昼夜二回にわたって、同志の喜びのなか盛大に行われた。 山本伸一は、いずれの勤行会にも出席し、これまでの皆の労苦に最大の感謝の意を込め、全力で励ましを送った。 席上、彼は、初めて神奈川県横浜市の座談会…

【第9回】 わが勇気で壁を破れ (2017.2.1)

報恩こそ人生の原動力 戸田先生は、「恩知(おんし)らずになるな! 忘恩(ぼうおん)から、人生も社会も乱(みだ)れが生ずる」と戒(しまし)められた。 そして青年に、父母の恩を忘れず親孝行を!と望(のぞ)まれた。 恩を知り、恩に報(むく)いる。この…

【第51回】仏縁の拡大は幸福の拡大 (2017.2.2)

されば此の経文をよみて見候(みそうら)へば此の経をきく人は一人もかけず仏になると申す文なり (千日尼御返事、1319ページ) (通解) (法華経の一字一句を読めば、一切経を読むことになる)それゆえ、この経文(方便品の「若有聞法者(にゃくうもんほ…

【第3回】 勇気・誠実・団結で勝て! (2017.2.4)

暦の上で「立春」とはいえ、まだまだ寒い日が続く中、創価の宝友が新たな二月闘争に挑んでくれている。 日蓮大聖人は、地涌の菩薩を「大地の底にかくしをきたる真の弟子」(御書905ページ)とも明かされた。 世界広布新時代の今この時、躍り出た地涌の若人が…

小説「新・人間革命」 大山 二十九 2017年2月4日

迎賓館で鄧穎超と会見した翌日の四月十三日午後、山本伸一は、東京・新宿区内で、松下電器産業(後のパナソニック)の創業者である松下幸之助と懇談した。 深い交友を重ねてきた松下翁にも、会長を辞任する意向であることを伝えておかなくてはと思った。 「…

小説「新・人間革命」 大山 二十八 2017年2月3日

山本伸一は当初、一九八九年(平成元年)九月に中国を訪問し、建国四十周年の関連行事に出席する予定であった。 しかし、諸情勢から延期を余儀なくされた。 彼は代理を立て、鄧穎超あてに、明春には必ず訪問する旨の伝言を託した。また、周夫妻の等身大の肖…

小説「新・人間革命」 大山 二十七 2017年2月2日

鄧穎超は、念を押すように言った。 「一歩も引いてはいけません!」 彼女の顔に笑みが戻った。 「前も敵、後ろも敵」という断崖絶壁のなかで、何10年もの間、戦い続けてきた人の言は重たかった。 進退は自分が決めることではあるが、山本伸一にとっては、真…

小説「新・人間革命」 大山 二十六 2017年2月1日

山本伸一は、一冊のアルバムを用意していた。 そこには、故・周恩来総理の日本への思いに応えたいと創価大学に植えた「周桜」、全青連の青年たちと記念植樹した周恩来桜と鄧穎超桜の「周夫婦桜」、創価大学に学ぶ中国人留学生の写真などが収められていた。 …

小説「新・人間革命」 大山 二十五 2017年1月31日

山本伸一が中国の留学生と友誼の糸を紡いだ前日の四月八日、故・周恩来総理の夫人で、中国の全国人民代表大会(略称・全人代)常務委員会副委員長である鄧穎超が来日した。 彼女は衆参両院議長の招待で、全人代代表団の団長として日本を訪問したのである。 …