2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」  12月29日 未来35

札幌創価幼稚園では、一九七七年(昭和五十二年)の三月に第一回の卒園式が、四月には第二回の入園式が行われた。しかし、山本伸一は、どうしても出席することができず、万感の思いを込めて、メッセージを送った。 この年には、クラスを増設し、年少二クラス…

小説「新・人間革命」  12月28日 未来34

山本伸一は、この日の夕方、園長の館野光三と各保育室を見て回った。動物園へ行った時のことを描いた絵など、“小さな芸術家”の力作が展示されていた。 さらに、保育室で、子どものイスに腰掛け、教職員との懇談が始まった。伸一は、教員が用意した、第一回「…

小説「新・人間革命」  12月26日 未来33

誕生会の最後に、全員で札幌創価幼稚園の園歌を合唱した。五月に誕生した歌である。 ピアノの調べに合わせて、園児たちのかわいらしい歌声が響いた。 一、ひつじがおかの あおいやね ことりもげんきに うたってる やさしくみている やえざくら おうじ おうじ…

小説「新・人間革命」  12月25日 未来32

山本伸一は、東京に帰ると、札幌創価幼稚園に、雌雄一対の銀鶏を贈った。 銀鶏はキジ目キジ科の鳥で、雄は、頭頂が緑で後頭部が赤く、白地に藍色の縞模様がある。雌は、雄の半分ほどの大きさであり、茶色である。 さらに、六月上旬には、同じキジ科の雄の錦…

小説「新・人間革命」  12月24日 未来31

園児をバスで送った山本伸一は、夕刻、札幌支部結成二十周年の集いに出席し、さらに札幌創価幼稚園に戻り、教職員と懇談した。 伸一は、皆に要望を尋ねた。すると、通園バスに名前を付けてほしいとの意見が出た。 「それは、みんなで決めましょう。すぐ、紙…

小説「新・人間革命」  12月23日 未来30

札幌創価幼稚園の園児たちは、入園二日目の帰りの時間を迎えた。山本伸一は、この日は、二コース、三コースを回るバスに乗って、園児たちを送ることにしていた。 教員が、二コースのバスに乗る園児の、名前と顔を確認すると、女の子が一人いない。 伸一が玄…

きょうの聖教新聞  2009・12・26

★名字の言 ▼雪深い地での座談会。87歳の壮年部員が教学部初級試験に合格した喜びを、はつらつと語った。壮年を知る司会者は「教材の『大白蓮華』が真っ黒になるぐらい熱心に研鑽されていました」と ▼この壮年は10年前、最愛の妻を亡くた折、「妻が一番大…

きょうの聖教新聞  2009・12・25

★名字の言 ▼本年も残りわずか。この一年、猛暑や寒風のなか、会合運営、会館警備に尽力してくださった創価班・牙城会等の友に、心から感謝したい ▼先月、ある創価班のリーダーが語っていた。20代で会館での任務に就き始めたころ。仕事が忙しかったが、周り…

きょうの聖教新聞  2009・12・24

★名字の言 ▼野球は冬のスポーツですからー18歳の高校生が、テレビカメラを前に、さらっと語るのを聞き、驚いた ▼もちろん、野球はウインタースポーツではない。10年に一人の逸材と言われる西部ライオンズの菊池雄星投手。冬にどれだけ鍛えたかが、夏に結果と…

【第31回】 妙法の陰徳陽報  2009-12-18

我らは願って広布に尽くす! 師弟一体の労苦こそ必勝の力 御聖訓 「此れ程の不思議は候はず此れ偏に 陰徳あれば陽報ありとは此れなり」 (四条金吾殿御返事、1180㌻) 陰徳の 労苦に励みし 皆様は 必ず幸《さち》の 陽報あるかな 朝、手にする聖教新聞から伝…

小説「新・人間革命」  12月22日 未来29

入園式の翌日、登園して来た園児たちの、元気な声が園舎に響いていた。 保育室を回るために、ロビーに出て来た山本伸一は、園長の館野光三に言った。 「にぎやかだね。でも、子どもたちが、うるさいぐらい元気なのは、すばらしいことなんだよ。それによって…

小説「新・人間革命」  12月21日 未来28

運転手がバッテリーを調べると、端子につけていた線が外れていた。 それをつないで、キーを回すと、エンジンはスムーズに動き始めた。 バスは十日ほど前から試運転を始め、何度もコースを回り、園児の乗降場所を確認してきた。その間、一度も途中で止まるこ…

きょうの聖教新聞  2009・12・23

★名字の言 ▼小学生の男の子が、外国人同志の会話を聞いて、こう言った。「あの人たちは英語人だね」 ▼英語人という耳慣れない単語に、虚をつかれた。確かに、アメリカ人なのか、イギリス人なのか、、見た目で判断はできない。英語を話していることは間違いな…

きょうの聖教新聞  2009・12・22

★名字の言 ▼今から100年前の1909年(明治42年)、民族学者の柳田国男は、岩手県遠野町(現・遠野市)を訪れ、地元に伝承されている民話を聞き書きした。名著『遠野物語』だ ▼天狗や河童をはじめ、多くの神々が登場する説話集。社会学者の鶴見和子は…

きょうの聖教新聞  2009・12・21

★名字の言 ▼大阪・豊中総県・池田圏の、あるブロック座談会。この1年間の同志の皆さんへの感謝を、どう伝えようか。知恵をしぼった ▼当日、じつに16種類もの賞を考え、手作りの表彰状を手渡した。「無冠の友賞」「挑戦賞」「教学大勝利賞」「題目賞」「親孝…

きょうの聖教新聞  2009・12・20

★名字の言 ▼「和」の字は、さまざまな意味を持つ。和服、和食といった使い方は、「日本独自のもの」であることを示す ▼しかし、例えば、着物。起源は古代中国の衣装。材料の絹や木綿も中国から渡来した。天ぷらの原型が大航海時代、ポルトガルから伝わったこ…

小説「新・人間革命」  12月19日 未来27

札幌創価幼稚園のバスには、四、五十分で戻ってこられる三つのコースがあった。それぞれに、何カ所か、園児が乗り降りする場所が定められていた。 この日は、そのうちの一コースだけを運行することになった。 園児たちは、山本伸一を囲むように席に座った。…

小説「新・人間革命」  12月18日 未来26

クラスごとの集いのあと、幼稚園の庭で、記念植樹が行われた。「王子桜」「王女桜」には、山本伸一と園児が一緒にシャベルを持って土をかけた。また、「父桜」「母桜」の植樹は、保護者の代表が行った。 庭に揚げられた「鯉のぼり」が、風に泳ぎながら、その…

きょうの聖教新聞  2009・12・19

★名字の言 ▼「年ぐれに としがゆくとは思ふなや としは毎日毎時ゆくなり」。若き日の西田幾多郎が120年前に詠んだ。苦難の連続の中、努力を重ね、日本を代表する哲学者として大成。和歌には、いかなる時でも、日々、精進を欠かさない不屈の決意がみなぎる…

小説「新・人間革命」12月17日 未来25

入園式に続いて、創立者の山本伸一も加わり、園児たちの記念撮影が行われた。 四列に並んでの撮影であったが、一回目の組は、比較的スムーズに終わった。 二回目は、並ぶのに手間取った。ようやくみんなが並んだ時、一人の女の子が泣き始めた。伸一は、「よ…

小説「新・人間革命」  12月16日 未来24

入園式では、最初に、園長の館野光三があいさつに立った。 「皆さん、こんにちはー」 園長の呼びかけに、「こんにちはー」という、はちきれんばかりに元気な園児の声が、はね返ってきた。 館野は、第一回の入園式を、創立者を迎えて開催できた喜びを述べ、教…

小説「新・人間革命」  12月15日 未来23

札幌創価幼稚園の入園式に集って来た園児たちは、保育室に入り、父母たちは、式場となる遊戯室で待機した。 園児たちを迎え終わった山本伸一は、式場に行き、父母たちに、わが子を創価幼稚園に入園させてくれたことへの深い感謝の心を込めて、丁重にあいさつ…

きょうの聖教新聞  2009・1218

★名字の言 ▼ふつう、こうした催しには、学生や研究者しか来ないのだが・・・。ゲーテ研究家のオステン博士は不思議に思った。2005年、東京で行った東洋哲学研究所主催の講演会。どこから見ても、ふつうの市民、という人たちが熱心に耳を傾けている ▼その…

きょうの聖教新聞  2009・12・17

★名字の言 ▼「感動は心の中に起こる地震ですよ。心の底からぐーっとひっくり返していく」。童話作家の椋鳩十の言葉だ(『感動は心の扉をひらく』あすなら書房) ▼仕事もそう。感動がなくなると、惰性が始まり、マンネリ化する。コーヒー会社を興し、現在、名…

きょうの聖教新聞  2009・12・16

★名字の言 ▼「モチベーション」という言葉をよく耳にする。直訳すると「動機づけ」。わかりやすく言えば、「やる気」といってもいい ▼日本サッカー協会の名誉会長で、Jリーグの発展に尽力した川淵三郎氏が、「選手のやる気に水を差した一言」として監督時代…

きょうの聖教新聞  2009・12・15

★名字の言 ▼地球温暖化対策の枠組みを協議する、気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)が、デンマークのコペンハーゲンで開催中だ。先進国や新興国、そして、発展途上国を含めた地球規模での温暖化対策の実現に、注目が集まっている ▼創価学会…

台湾・育達商業科技大学「名誉教授」称号称号授与式  ㊦    2009-12-8

創価教育の父・牧口初代会長の信念 いかなる社会の波瀾にも打ち勝っていける人間を創る 「育達教育」 一、王先生が青年を見つめる眼差しは、陽光の如く温かく、大海の如く大らかであります。 ──かりに成績が悪かったり、試験が苦手であったりしても、どの若…

台湾・育達商業科技大学「名誉教授」称号称号授与式  ㊤    2009-12-8

台湾・苗栗県造橋郷の育達商業科技大学から、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に同大学初の「名誉教授」称号が贈られた。生涯をかけて人類の平和に取り組 み、生命尊厳の哲学を実践した功績を讃えたもの。 授与式は8日、東京・…

きょうの聖教新聞  2009・12・13

★名字の言 ▼池田名誉会長と批評家の小林秀雄氏が、一緒に寄せ書きした一枚のはがきがある。昭和46年(1971年)4月8日の消印。桜好きの小林氏の要望で、名誉会長が観桜の席を設けた時のことだ ▼懇談のなか、同席した里見弴氏の親戚が学会員であり、今…

小説「新・人間革命」 12月12日 未来22

山本伸一は、懇談のあとも、札幌創価幼稚園の園内を回り、園長の館野光三らの要請に応えて、廊下などに名前を付けた。 遊戯室に通じる廊下は「虹のトンネル」、園庭にある小山は「王子王女の小山」、そして、青い屋根の鳥小屋は「ぼくたちの小屋」と命名した…