2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【第2回】 悩みと向き合う   (2012.2.15/16/17) ㊦

☆ ──悪い出来事が重なると、「ついてない。運が悪い」などと、嘆いてしまうものですが……。 名誉会長 そういう時こそ、強気でいくんです。魔という働きは、こちらの命が「困ったな。まいったな」と弱気になると、どんどん付け込んでくる。 題目を朗々と唱え、…

【第2回】 悩みと向き合う   (2012.2.15/16/17) ㊥

学べ! 学べ! 苦闘の中からも 心を変えるのは心です。自分が変われば、相手も必ず変わります ──東日本大震災より、まもなく1年になります。被災地では、青年たちがさまざまな困難や悩みを抱えながら一歩一歩、復興の先頭に立って奮闘しています。 名誉会長…

【第2回】 悩みと向き合う   (2012.2.15/16/17) ㊤

苦悩は歓喜に変えられる 恩師の大闘争を思えばそんな苦難にも耐えられる。断じて勝ち越えてみせる ──先月、掲載された第1回の「若き君へ」には、全国の多くの読者から反響が寄せられました。青年の世代はもちろん、壮年・婦人の方々にも、大きな喜びと感動…

第1回 「大人になる」とは(2012.1.9/10/11) ㊦

──広宣流布という「大願」と、自身の希望との関係は、どう捉えられるでしょうか。 名誉会長 青年が、今、どんな希望を抱いて戦っていくのかで、未来は決まります。 「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(同231㌻)です。 戸田先生は「青年は望み…

第1回 「大人になる」とは(2012.1.9/10/11) ㊤

未来はすべて青年のものです 大きな願いを立てればそれだけ大きな人生が開けていく ──今、全国で続々と青年が入会しています。 池田先生のお誕生日である1月2日も、各地で入会記念勤行会が行われ、多くの若き地涌の友が、創価家族の温かな祝福に包まれまし…

小説「新・人間革命」 薫風44 2012年 3月20日

一九五六年(昭和三十一年)十月から、山本伸一は、山口開拓指導を開始した。 当時、酒田英吉は、山口県の玖珂町(現在の岩国市内)に泊まり込んで、看板製作の仕事をしていた。 十一月のある日、知り合いになった近所の学会員から、「山本室長が、今晩、徳…

小説「新・人間革命」 薫風43 2012年 3月19日

酒田英吉は、山本伸一の指導を胸に刻み、佐賀県の広宣流布に勇み、走った。 一九五五年(昭和三十年)の秋、彼は男子部の班長の任命を受けるため、東京・豊島公会堂での男子部幹部会に出席した。 あとの生活のことなど、何も考えず、苦労して旅費を工面して…

小説「新・人間革命」 薫風42 2012年 3月17日

懇談会で山本伸一は、壮年たちに視線を向けながら語った。 「みんなのあとには、若い力が育っているから安心だね。青年だよ。青年を励ますことに、全力を注ごうよ」 すると、脊振本部の壮年の本部長をしている酒田英吉が、伸一に言った。 「本当に青年の激励…

小説「新・人間革命」 薫風 41 2012年 3月16日

寺津克彦は、創価大学卒業後は、故郷の佐賀県に帰って、地域の繁栄のために生きたいと決意し、市役所の採用試験を受け、合格を勝ち取った。 一方、杉瀬茂は、東京の企業への就職が内定した。 しかし、寺津と話すなかで、自分も郷里の佐賀県のために力になり…

小説「新・人間革命」 薫風 40 2012年 3月15日

杉瀬茂の家は、父親が病弱で、母親が野菜の行商をして四人の子どもを育てた。 杉瀬も高等部時代から『山本先生が創立される創価大学へ絶対に行こう』と決意していた。 母の仕事は、少しずつ軌道に乗り、やがて小さな店をもち、野菜や果物を大きな病院にも納…

小説「新・人間革命」 薫風 39 2012年 3月14日

佐賀県に限らず、大手企業などの少ない県も多い。 そのような地域では、就職先も限られるため、役所や学校など、地方公務員の採用試験も、極めて難関となる。 そうしたなかにあって、故郷に帰って来た創価大学の学生部出身者たちは、懸命に努力し、県内で就…

小説「新・人間革命」 薫風 38 2012年 3月13日

山本伸一に声をかけられた創大生は、緊張をほぐすように深呼吸し、伸一に報告した。 「先生。佐賀県出身の創価大学に学ぶ学生部員で、県人会をつくっています。その団結は、日本一だと思います」 「そうか。同郷の学生部員が、互いに励まし合っているんだね…

小説「新・人間革命」 薫風 37 2012年 3月12日

佐賀文化会館での懇談会で中森富夫は、山本伸一に、佐賀県の広宣流布の伸展状況について、種々、報告した。 その時、寺津克彦と出井静也が呼びに行った、創価大学の現役学生と卒業生がやって来た。合わせて七人が、顔をそろえた。 「よく来たね。待っていた…

小説「新・人間革命」 薫風 36 2012年 3月10日

中森富夫は、農島重勝が教えてくれたように、山本伸一の指導を貪るように学んでは、学会活動に励んだ。地道に、こつこつと、同志の激励に回った。 時代は、?石炭?から?石油?へと、エネルギーの転換が図られ、炭鉱経営は、どこも 窮地に追い込まれ、閉山…

小説「新・人間革命」 薫風 35 2012年 3月9日

農島重勝は、話を続けた。 「二番目は、弘教はこっちの確信ばい。第三に粘りばい。一度や二度、話ばして、信心せんからって、あきらめたらいかんばい。長い目でみらんと。 また、一人や二人に下種ばして、信心せんからって、くさったらいかん。苦しかこつに…

小説「新・人間革命」 薫風 34 2012年 3月8日

班長の農島重勝は、組長になった中森富夫を連れて、唐津一帯を指導、弘教に歩いた。 中森は、農島から学会活動の基本を、徹底して教えられた。 「自分の組の同志には、必ず会うことが大事ばい。電話の連絡だけですまそうなんて考えたらいかん。もっとも、電…

小説「新・人間革命」 薫風 33 2012年 3月7日

中森富夫は、山本伸一に、自分は佐賀県に住んでおり、大学の同窓会に出席するために、東京に来たことを伝えた。伸一は言った。 「明日、横浜にある三ツ沢の競技場で、第九回男子部総会があります。せっかく東京に来たんですから、参加してはどうですか」 中…

小説「新・人間革命」 薫風 32 2012年 3月6日

炭鉱経営に携わる中森富夫と父親が、最も恐れていたのは、炭鉱の事故であった。 もし、大事故が起これば、取り返しのつかないことになる。しかし、安全管理にどれだけ力を注いでも、いつ大事故が起こるかわからないのが炭鉱である。 彼らが、入会に踏み切っ…

小説「新・人間革命」 薫風 31 2012年 3月5日

中森富夫は、佐賀県で所帯をもち、父の経営する炭鉱に勤めた。酒屋は、妻の恵美子が病弱な母と共に切り盛りした。 母親は、胃腸病で寝たり起きたりの生活を続けていた。 中森の家は、日蓮正宗の旧信徒であったが、嫁いだ姉の貞枝が夫と共に学会に入会した。 …

小説「新・人間革命」 薫風 30 2012年 3月3日

山本伸一は、婦人部や女子部学生局、男子部、壮年部の代表にも声をかけ、一人ひとりを包み込むように激励していった。 それから、後ろの方の席に座っていた、痩身の丸顔の青年に視線を注いだ。 創価大学を卒業し、二年前に佐賀県に帰り、市役所に勤めている…

小説「新・人間革命」 薫風 29 2012年 3月2日

佐賀文化会館の和室で行われた懇談会で、山本伸一が最初に声をかけたのは、県の学生部幹部であった。 伸一は、佐賀県学生部が、学生部の機関紙「大学新報」を糧に、生き生きと仏法対話に励んでいる様子を聞くと、笑顔で語った。 「すごいね。学生部が頑張っ…

小説「新・人間革命」 薫風 28 2012年 3月1日

ダッ、ダッ、ダッ、ダッ……。 アパートの階段を、勢いよく駆け上がる足音が響いた。一九七七年(昭和五十二年)五月二十五日の夕刻のことである。 青年が息を弾ませ、部屋のドアを開けた。中には、三人の学生が待機していた。 「おい、急げ! すごいことにな…

小説「新・人間革命」 薫風 27 2012年 2月29日

山本伸一は、田部会館に入ると、待機していた同志に語りかけた。 「こんなにたくさんの人が集まってくれていたんだね。勤行をしても声が漏れないようなら、一緒に勤行をしましょう。大丈夫?」 「大丈夫です!」と、田部忠司が答えた。 「では、小さな声で勤…

小説「新・人間革命」 薫風 26 2012年 2月28日

空には月が輝いていた。弓張月である。 田部会館の門から玄関までは、数メートルほどで、右手には庭があった。 その庭に沿って植えられた菖蒲の花が、建物から漏れる光と月明かりのなかに、ほのかに浮かんで見えた。 山本伸一は、しばし、足を止め、月下の菖…

小説「新・人間革命」 薫風 25 2012年 2月27日

山本伸一の言葉に、峯子は大きく頷いた。峯子の実家も草創の時代から、地域の会場であった。 一九五二年(昭和二十七年)の「二月闘争」の際も、蒲田支部の活動の中心拠点となったのである。 峯子は、笑みを浮かべて語った。 「個人会館の果たす役割は、本当…