2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【第48回】一切の労苦が功徳と輝く 2015-2-20

功徳とは即身成仏なり又六根清浄なり、法華経の説文(せつもん)の如く修行するを六根清浄と得意可(こころうべ)きなり (御義口伝、762㌻) 〈通解〉 功徳とは即身成仏であり、また六根清浄である。法華経の経文に説かれるように修行することが六根清浄で…

小説「新・人間革命」大道 10 2015年2月21日

午後三時、山本伸一は小豆島会館の開館十周年を祝う記念勤行会の会場に姿を 現した。場内は人で埋まっていた。参加者のうち百人ほどが、未入会の家族や友人たちであった。 伸一は、会場に入ると、最前列に座っていた、メガネをかけた老婦人に声をかけた。 「…

小説「新・人間革命」大道 9 2015年2月20日

小豆島本部の女子部本部長である大津真美子が、山本伸一に伝えた。 「実は、二年前の豪雨で、両親を亡くした女子部員がおります」 語り始めると、すぐに伸一は言った。 「できるなら、その女子部員とお会いしましょう。そうした方こそ、直接会って励ました…

小説「新・人間革命」大道 8 2015年2月19日

小豆島は、南国情緒を感じさせた。夏空のもと、緑の山々が峰を連ね、ソテツの木々が風にそよいでいた。 「先生! ようこそ!」 山本伸一が船を下りると、島の代表が、こぼれるような笑みで、出迎えてくれた。 「ありがとう! ありがとう! お会いできて嬉し…

小説「新・人間革命」大道 7 2015年2月18日

七月二十六日午後、山本伸一の乗った「キングロマンス」号は、白い飛沫を上げて、四国研修道場から、瀬戸の島々を縫うようにして小豆島をめざしていた。 彼は、前日、四国の幹部から、小豆島のメンバーの奮闘について報告を受けた。 小豆島では、二度にわた…

大道 6

四国記念幹部会や婦人部懇談会など、四国研修道場での諸行事を終えた山本伸一は、夜更けて、「東京の歌」の作詞に取り組んだ。 彼は、歌詞を考えながら、東京が、全国、全世界の広宣流布の本陣として、さらに大きな飛躍(ひやく)を遂げていくためには、何が必…

小説「新・人間革命」大道 5 2015年2月16日

四国記念幹部会や婦人部懇談会など、四国研修道場での諸行事を終えた山本伸一は、夜更けて、「東京の歌」の作詞に取り組んだ。 彼は、歌詞を考えながら、東京が、全国、全世界の広宣流布の本陣として、さらに大きな飛躍を遂げていくためには、何が必要かを考…

大白蓮華 2015年(平成27年)2月号(No.783)

巻頭言 「我此土安穏」の地域づくりを! 創価学会名誉会長 池田大作 わが家には、朝な夕な清々(すがすが)しい勤行の響(ひび)きがある。それが、どれほど躍動する幸福のリズムであるか。 御書には、「家に讃教(さんきょう)の勤(つと)めあれば七難必ず…

【第47回】同志の絆こそ勝利の源泉 (2014-2-12)

心ざしあらん諸人は一処にあつまりて御聴聞あるべし(寺泊御書、951㌻) 通解 志のある人々は、同じ場所に集まって、この文(=本抄)を聴聞しなさい。 同志への指針 文永8年(1271年)、大難の渦中、越後の寺泊(現・新潟県長岡市)で認《したた》められた…

【第46回】社会で勝利の実証を  (2015.2.4)

強盛の大信力をいだして法華宗の四条金吾・四条金吾と鎌倉中の上下万人乃至日本国の一切衆生の口にうたはれ給へ(四条金吾殿御返事、1118㌻) 通解 強盛な大信力を出して、法華宗の四条金吾、四条金吾と、鎌倉中の上下万人をはじめとして日本国の全ての…

【第45回】  まず強き祈りから始めよ  (2015.1.23)

祈祷(きとう)に於いては顕祈顕応(けんきけんのう)・顕祈冥応(けんきみょうおう)・冥祈冥応(みょうきみょうおう)・冥祈顕応(みょうきけんのう)の祈?有りと雖(いえど)も、只(ただ)肝要(かんよう)は此の経の信心を致(いた)し給い候はば、現当の所願満足(…

小説「新・人間革命」大道 4 2015年2月14日

翌七月二十五日午後、四国に草創の支部が結成されて二十二周年を迎えることから、その記念幹部会が四国研修道場で開催された。 この集いでも、四国の歌「我等の天地」を大合唱し、喜びの波動は広がっていった。 席上、山本伸一は、「阿仏房御書」(御書一三…

小説「新・人間革命」大道3 2015年 2月13日

庵治の浜辺は黄昏を迎えていた。 歓喜と誓いの合唱が終わると、山本伸一は笑みをたたえながら、マイクに向かった。 「愛郷心みなぎる、意気盛んな皆さんの熱唱に、四国広布の新たな夜明けの歌を聴きました! 希望の光を見ました!」 この研修で彼は、広宣流…

小説「新・人間革命」大道 2 2015年2月12日

山本伸一たちの乗った高速船「キングロマンス」号は、午後二時過ぎに、四国研修道場前の桟橋に接岸された。 夏の太陽が、ギラギラと照りつけ、気温は三四度を超えていた。 「先生! ようこそ!」 酷暑のなか、香川の同志が、汗にまみれながらも、満面の笑み…

小説「新・人間革命」大道 1 2015年2月11日

われらは詠い、われらは歌う! 広宣流布の天空には、壮大なロマンの、詩と歌の虹が輝く。 私は、なぜ詠うのか──。 悲哀に沈む友の心に、希望の火をともし、 勇気の炎を燃え上がらせるために! あの胸に、この胸に、 人間讃歌の音律を響かせ、 共に正義の大道…

広宣譜 67

山本伸一が岡山で作詞した新高等部歌に曲がつけられ、「正義の走者」として「聖教新聞」紙上に発表されたのは、8月1日のことであった。そして、8月の3日午後、第11回高等部総会が行われた東京・立川文化会館に、21世紀へと旅立つ鳳雛(ほうすう)たちの誓い…

小説「新・人間革命」 広宣譜66 2015年 2月7日

山本伸一は、浴衣に着替え、新高等部歌の歌詞を書いた紙を持って、岡山文化会館の屋上へ向かった。 岡山未来会の第一期生と、会うことになっていたのである。 屋上に出た伸一は、高等部長の奥田義雄と、女子高等部長の大崎美代子に言った。 「できたよ! 新…

小説「新・人間革命」広宣譜65 2015年 2月6日

二、君も負けるな いつの日か 共々誓いし この道を 嵐も吹雪も いざや征け これぞメロスの 誉れなり ああ万感の 時待たんと 友との広宣流布の誓い──それは、自分自身に誓うことでもあり、わが使命に一人立つことから始まる。 仮に、友が道半ばに倒れたり、誓…

小説「新・人間革命」 広宣譜64 2015年 2月5日

メロスは負けなかった。肉体の疲労の回復とともに、信頼に報いようとの心が蘇る。 彼は走る。友のため、信実と愛のために。口から血を吐きながらも走る。 残光が消え、親友・セリヌンティウスが命を奪われようとした刹那、メロスは刑場に走り込む。 縄を解か…

小説「新・人間革命」 広宣譜63 2015年 2月4日

山本伸一は、岡山文化会館で高等部歌の作詞に取りかかった。 「高等部員は、全員が創価の大切な後継者である! 私の最高の宝ともいうべき愛弟子である! 二十一世紀の広宣流布のバトンを託す正義の走者である!」 伸一の高等部員への万感の思いは、瞬く間に…

小説「新・人間革命」 広宣譜62 2015年 2月3日

四国長の久米川誠太郎が、四国の歌「我等の天地」を録音したカセットテープを差し出すと、山本伸一は笑顔で言った。 「今、ここで聴かせてもらいます」 久米川は、用意していたカセットデッキにテープを入れた。 明るく、力強く、伸びやかなメロディーにのっ…

小説「新・人間革命」広宣譜61 2015年 2月2日

山本伸一は、本部幹部会が行われた七月二十二日も、訪問指導に出かけていった。彼の調は優れなかった が、自分を待っている人たちがいると思うと、ゆっくりと休むことなどできなかった。 この日は、県北西部の境港市まで足を運び、個人会館を訪問。夕刻には…

小説「新・人間革命」広宣譜60 2015年1月31日

未来会の集いのあと、山本伸一は米子文化会館の館内を回り、本部幹部会の役員や合唱団のメンバーらを激励した。 彼が二階ロビーにいると、未来会のメンバーが集まって来た。 「さっき、会ったばかりだもの、特別な話はありません」 伸一は、こう言ったが、皆…

小説「新・人間革命」広宣譜59 2015年1月30日

鳥取県での本部幹部会では、「地涌の讃歌」の発表に先立ち、会長の山本伸一から、中国各県に県の旗が授与された。 また、九州の人事のほか、地元・鳥取の人事も発表され、県の婦人部長に、出井幸子が就任するなど、新しい広宣流布の布陣が整えられたのである…

小説「新・人間革命」広宣譜58 2015年1月29日

伯耆富士・大山の秀峰が陽光に映えていた。 一九七八年(昭和五十三年)七月二十二日午後零時半、鳥取県の米子文化会館で、七月度本部幹部会が晴れやかに開催された。 会場前方を華やかに彩った太陽の花・ひまわりが、希望と情熱の光彩を放っていた。 本州…

小説「新・人間革命」広宣譜57 2015年1月28日

松木会館では、この日の夜、住吉支部の座談会が行われることになっていた。仏間は、その準備のために来ていた人や、山本伸一の来訪を聞きつけて集って来た人たちで埋まっていった。 なかには、琴を持っている人もいた。座談会で演奏するのであろう。 伸一は…

小説「新・人間革命」広宣譜56 2015年1月27日

山本伸一は、米子文化会館での勤行会を終えると、鳥取県の幹部に言った。 「勤行会の次は、私の方から出向いて激励します。みんなが総立ちしてこそ、鳥取の大前進がある。そのためなら、なんでもします」 そして、直ちに米子会館へ向かい、居合わせた人たち…

小説「新・人間革命」広宣譜55 2015年1月26日

山本伸一は、勤行会参加者が集っている各部屋を回り、全力で、皆を励ましていった。 「ご苦労様です。お会いできて嬉しい。 皆さんのなかには、お寺に行くたびに理不尽な文句を言われ、悔しく、辛い思いをされている方もいらっしゃるでしょう。 何を言われよ…

小説「新・人間革命」広宣譜54 2015年1月24日

鳥取の同志は、米子文化会館に次々と詰めかけ、勤行会の会場となる大広間は、瞬く間にいっぱいになっていった。 子ども連れの婦人や、お年寄りも多かった。大広間以外の部屋も、人で埋まっていく。 勤行会は、とても一度では終わりそうになかった。 山本伸一…

小説「新・人間革命」広宣譜53 2015年1月23日

山本伸一が蛍の舞を眺めていると、「中国の歌」の作曲を担当した壮年たちが、「曲が出来上がりました」と言って、カセットテープとデッキを持ってやって来た。 「待っていたんだよ」 伸一は、蛍が輝く庭で、そのテープを聴いた。そして、歌詞の書かれた原稿…