2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第33回】 仏法の人間主義を時代精神に (2016.9.23)

法華経は露・涓・井・江・小河・大河・天雨等の一切の水を一滴ももらさぬ大海なり (報恩抄、324ページ) (通解) 法華経は、露、小さな流れの水、井戸の水、川の水、小さい川、大河、空から降る雨などのあらゆる水を、一滴ももらさず収める大海である。 …

【第2回】 祈りのかなはぬ事はあるべからず (2016.9.21)

何があっても唱題から出発 歴史学者のトインビー博士は晩年(ばんねん)も毎朝、決まった時間に、その時の気分にかかわらず机に向かって研究を始められた。 学問も、芸術も、スポーツも、一流の次元には、たゆまぬ価値創造(かちそうぞう)のためのリズムが…

【第1回】 新たな決意で 新たな前進を (2016.9.7)

永遠の幸福の軌道を善友と 大空には鳥の飛ぶ道があり、大海には魚の泳(およ)ぐ道がある。人にも人の歩むべき道がある。 最も充実(じゅうじつ)した「青春勝利の大道」。それを明快(めいかい)に示しているのが、正しき信仰である。 世界第一の生命尊厳(…

小説「新・人間革命」源流 20 2016年9月24日

訪印二日目の二月七日──。 午前十時半、山本伸一たちは、モラルジ・デサイ首相の官邸を訪ねた。ニューデリーのサフダルジャン通りにある、緑に囲まれた白い建物であった。 首相は、間もなく八十三歳になるという。 インドの多くの指導者がそうであるように、…

小説「新・人間革命」源流 19 2016年9月23日

山本伸一が「インド文化研究会」のメンバーと共にローディー庭園を散策していると、少年たち数人が来て、少し離れたところから珍しそうに一行を見ていた。 伸一は、手招きし、「みんなで写真を撮ろう」と声をかけた。大槻明晴がヒンディー語で通訳した。 は…

【第25回】 常勝の誓いよ 永遠に輝け (2016.9.20)

秋の彼岸に当たり、全国の墓地公園・納骨堂、また会館で法要が営まれている。 殉教の先師・牧口常三郎先生の生誕の地である新潟・柏崎市でも、待望の墓園の建設が始まった。 私も、全同志の先祖代々、また功労の方々の追善回向を懇ろに行っている。 日蓮大聖…

【第24回】 世界の若人と広布の山を (2016.9.2)

台風が猛威(もうい)を振(ふ)るった東北、北海道はじめ各地の方々に心からお見舞い申し上げます。 被災された皆さま方は大変でしょうけれども、「わざはひも転(てん)じて幸(さいわい)となるべし」(御書1124ページ)と仰せの如く、必ずや変毒為薬(…

小説「新・人間革命」源流 18 2016年9月22日

大槻明晴は、山本伸一と関西の各大学会の代表との懇談が行われた一カ月後の一九七二年(昭和四十七年)七月、インドへ渡り、ベナレス(後のバラナシ)のサンプールナアナンド・サンスクリット大学に入学した。 二年後に帰国し、貿易会社で二年ほど働き、さら…

小説「新・人間革命」源流 17 2016年9月21日

山本伸一たち一行は、デリー大学への図書贈呈式に続いて、大学関係者と教育問題などについて意見交換し、再会を約し合ってキャンパスをあとにした。 時刻は午後四時を回っていた。一行は、デリー大学にほど近い、ニューデリーの中心部にあるローディー庭園へ…

小説「新・人間革命」源流 16 2016年9月20日

デリー大学での図書贈呈式では、山本伸一からメヘロトラ副総長に、寄贈する自然・社会科学、文学、芸術など一千冊の書の一部と図書目録が手渡された。 最後にA・P・スリバスタバ図書館長が立ち、贈書への深い感謝を述べ、「これは今後の相互理解への根本的…

小説「新・人間革命」源流 15 2016年9月19日

山本伸一は、メヘロトラ副総長のあいさつを聴きながら思った。 “現在のインドは、まだ発展途上にあるかもしれない。 しかし、人びとの目は輝き、言葉を交わせば笑みの花が咲く――それは、民衆の心の豊かさを示してはいないか。 今後、インドも急速に工業化、…

〈随筆 永遠なれ創価の大城 11〉 わが誓いを永久に 2016年9月15日

青年と共に前へ! 青年の心で語れ! 人類共生の希望の大哲理を広げよ 生涯、師と共に! 広宣流布は我らの手で! 世界55カ国・地域からSGI青年研修会に集った友が意気高く(2日、創価文化センターで) 母たちの 労苦を忘れず 広布かな 今日も発心 生涯…

【第32回】〉 わが婦人部に幸福あれ (2016.9.14)

法華経は女人の御ためには暗きに・ともしび・海に船・おそろしき所には・まほりと・なるべきよし・ちかはせ給へり (乙御前御消息、1220ページ) (通解) 法華経は、女性のためには、暗い夜にはともしびとなり、海を渡るときには船となり、恐ろしい所では…

小説「新・人間革命」源流 14 2016年9月17日

二月六日の午後三時、山本伸一たち訪印団一行はデリー大学を訪問した。図書一千冊を寄贈する贈呈式に出席するためである。 同大学は、一九二二年(大正十一年)に創立されたインド最高峰の総合大学の一つで、中国・日本研究学科もあり、日本を研究するための…

小説「新・人間革命」源流 13 2016年9月16日

大河内敬一が渡印したころ、インドは、干ばつによる食料不足や物価高騰、失業、汚職などから反政府運動が高まり、政情不安の渦中にあった。 物情騒然とし、多くの外国企業が、インドから引き揚げていった。 そのなかで、彼の留学生活は始まったのである。 当…

小説「新・人間革命」源流 12 2016年9月15日

大河内敬一は、大学進学にあたって、インドで職業に就くには建築技術を身につけることが必要だと考え、工業大学の建築学科へ進んだ。 また、インドの公用語となっている英語の習得に力を注いだ。 さらに、同じ公用語であるヒンディー語を学ぼうと、語学学校…

小説「新・人間革命」源流 11 2016年9月14日

大河内敬一が、最初にインドに関心をもったのは、幼いころに、近所の学会員で、世界を舞台に活躍している創作舞踊家夫妻から、「インドはいいところだよ」と聞かされたことだった。 やがて、インドのニュースなどに、よく耳を傾けるようになった。 幼少期に…

小説「新・人間革命」源流 10 2016年9月13日

山本伸一たち訪印団一行は、ニューデリーのアショーカホテルに宿泊した。 六日朝、辺りは靄に包まれ、空気はひんやりとしていた。 緑の木々から流れる鳥のさえずりが、のどかな思いに浸らせた。 しかし、市街に出ると、人でごった返し、物売りの声が響き、喧…

【第31回】 善のスクラムを築きゆけ (2016.9.6)

甲斐無き者なれども・たすくる者強ければたうれず、すこし健の者も独なれば悪しきみちには・たうれぬ (三三蔵祈雨事、1468ページ) (通解) ふがいない者でも、助ける者が強ければ倒れない。少し強い者でも独りであれば、悪い道では倒れてしまう。 同志…

【第30回】どこまでも健康第一で 2016年8月22日

この仏・不死の薬をとかせ給へり・今の妙法蓮華経の五字是なり、しかも・この五字をば閻浮提人病之良薬とこそ・とかれて候へ(妙心尼御前御返事、1479ページ) (通解) この仏は不死の薬を説かれたのである。今の妙法蓮華経の五字がこれである。 しかも、…

【第29回】 師弟共戦の旅路は永遠 (2016.8.19)

さても・さても去る十二日の難のとき貴辺たつのくちまで・つれさせ給い、しかのみならず腹を切らんと仰せられし事こそ不思議とも申すばかりなけれ (四条金吾殿御消息、1113ページ) (通解) それにつけても、去る12日の難(文永8年9月12日の竜の口…

小説「新・人間革命」源流 9 2016年9月10日

インド・デリーは、空いっぱいに星々が瞬き、上弦をやや過ぎた銀の月が、微笑みかけるように、地上に光を投げかけていた。 香港の啓徳空港を二月五日の夕刻に発った山本伸一の一行が、パラム空港(後のインディラ・ガンジー国際空港)に到着したのは、現地時…

小説「新・人間革命」源流 8 2016年9月9日

故・周志剛理事長の家は、鉄筋コンクリートのアパートの五階(日本の数え方では六階)にあったが、エレベーターはなかった。 山本伸一は、創価大学の大学院生で、通訳として香港訪問に同行していた、周家の長男・志英に案内されて階段を上っていった。 志剛…

小説「新・人間革命」源流 7 2016年9月8日

九竜会館での記念勤行会が行われた四日の夜、山本伸一は香港本部長会に出席した。 彼は、参加者の近況や意見を聞きながら、一人ひとりに励ましの言葉を送った。 「広宣流布といっても、遠くにあるものではなく、身近にあるものなんです。 まず自分自身を信・…

小説「新・人間革命」源流 6 2016年9月7日

香港滞在二日目となる二月四日の午後一時半、山本伸一は、九竜のビクトリア港近くにある九竜会館を初訪問し、香港広布十八周年を祝う記念勤行会に出席した。 九竜会館は商店街の中にあり、十四階建てのビルの四階(日本の数え方では十五階建ての五階)にあっ…

小説「新・人間革命」源流 5 2016年9月6日

香港会館前の公園で林一家を励ました山本伸一は、午後六時半から行われた、香港の各部代表者会議に出席した。 会場は、十八年前、伸一が東洋広布の第一歩を印した時に宿舎とした、 尖沙咀にあるホテルであり、食事を共にしながらの集いとなった。 あの一九六…

小説「新・人間革命」源流 4 2016年9月5日

林一家は子どもが六人おり、父親は運転手をし、母親は裁縫の仕事をしていた。 住居は、三十平方メートルにも満たない公営のアパートである。 山本伸一は、林家の子どもたちとブランコで遊んだあと、両親に視線を向けた。 「よく頑張っていますね。子どもさん…

大白蓮華 2016年(平成28年)9月号(No.803)

多宝の命に永久の勝閲を 我らには、朝な夕な謳(うた)い上げる生命の讃歌(さんか)がある。 妙法という大宇宙の根本の法則(ほうそく)に合掌(がっしょぅ)する「勤行」の会座(えざ)である。三世十方(さんぜじゅっぽう)の仏菩薩と一体となって、諸天…

大白蓮華 2016年(平成28年)8月号(No.802)

ここに「地涌」の泉あり 生命錬磨(せいめいれんま)の夏― 戸田先生は私たち青年と研鑽(けんさん)の汗を流しながら、問いを発せられたことがある。 「末法という乱世(らんせい)の中の乱世に、なぜ、我々は生まれ合わせ、集(つど)い合っているのか?」 …

大白蓮華 2016年(平成28年)7月号(No.801)

「賢者はよろこび愚者は退く」 創価学会名誉会長 池田大作 幸福は、いずこにあるか。いかにして勝ち開くか。 大文豪トルストイは、一つの結論として語った。 「幸福とは、人生における自分の使命を、喜んで果たしゆく中にある」と。 財宝(ざいほう)でもなけ…