大白蓮華 巻頭言 2019年12月号

​​​​​​大白蓮華 巻頭言   2019年12月号
2019年(令和元年)12月号(No.842)

巻頭言 「信心の根」を深く強く潔く
                     池田大作


​ この一年も、学会家族は広宣流布のために走り勝った。御書を開けば、御本仏が一人一人を賛嘆(さんたん)してくださるお声が、そのまま聞こえてくるように拝されてならない。​
​​​​​​ あるお手紙では、「長雨・大雨・時時日日(じじひび)につづく間(あいだ)・山さけて谷をうづみ・石ながれて道をふせぐ・河(かわ)たけくして船わたらず」 (1551ページ)という災害の渦中に、信心の志(こころざし)を尽くした若き南条時光(なんじょうときみつ)を讃(たた)えておられる。​​​​​​

​​​「御志(おんこころざし)・大地よりもあつく虚空(こくう)よりもひろし」(同ページ)​​​
​ 台風や大雨等が相次ぐ中、奮闘(ふんとう)した負けじ魂(たましい)の創価の宝友たちの福運は、まさに宇宙大であるに違いない。​
​​​​​ 被災地はもとより、いずこでも、わが同志の真心があふれる献身(けんしん)は地域・社会の依怙依託(えこえたく)となり、信頼と安心の「根」を揺(ゆ)るぎなく張(は)り巡(めぐ)らしている。​​​​​

 眼に見えない「根っこ」から価値創造の力は生まれる。
​​​​​​ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが城の部屋一面に描いた大樹の装飾画を、私は思い起こす。天井を覆(おお)い尽くす枝葉(えだは)の茂(しげ)りと壁面に屹立(きつりつ)がする幹(みき)とともに、圧倒的な活力を漲(みなぎ)らせた根が鮮烈(せんれつ)に描かれているのだ。​​​​​​

​​ 日蓮大聖人は、門下が「信心の根」を深く張(は)れるよう、魂の滋養(じよう)を贈り、見守ってくださっている。​​
​​​「御信心のねのふかく・いさぎよき玉の心のうちに・わたらせ給うか、たうとしたうとし」(1479ページ)とは、宿命にも法難にも挑(いど)みゆく健気(けなげ)な母へ御賞賛である。​​​
​ 心身弘法(ししんぐほう)の牧口・戸田両先生に連(つら)なる創価の師弟は、如説の修行で盤石な信心の根を築き上げてきた。もはや、何があっても、びくともしない人材群が林立している。​

​​  50年前の元旦、私は未来部の友への詩「大いなる希望」で、「君たちよ 大木となれ」「僕は 根っこになる」 と呼び掛けた。若木は立派に生い立ち「力と福運の葉を茂(しげ)らせ」「勝利の花を爛漫(らんまん)と咲かせ」、そして私と同じ心で「見えない根っこ」となって後継を育ててくれている。​​
​ さぁ、希望に燃えて前進だ!信心の根を共に深く強く潔(いさぎよ)く、世界へ幸と平和の実を結びゆこうではないか!​

 

   人知れず

  今日も根を張れ

       たくましく

    師弟の大地に

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     勝利の宝樹と


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