小説「新・人間革命」 雄飛 三十一 2017年7月21日

五日の午後、山本伸一は、まず、大阪の男子部部長会に出席して指導した。
「地道な戦いのなかに人生の開花がある。青年時代は悩みと葛藤の日々かもしれない。
しかし、焦ることなく、着実に、粘り強く、信心、学会活動に励み、生活の場で、職場で実証を示してもらいたい。
さまざまな苦難もあるでしょう。しかし、地道に信心をしていくならば、時が解決してくれます。
真剣に題目を唱えていけば福運がつき、自身が成長していきます。
ゆえに、現実がどんなに厳しくとも、希望を捨ててはいけません。
御本尊への大確信をもってもらいたい。
皆さんには、何があっても妙法がある。この永遠不滅の法がある限り、人生の大勝利者になれないわけがない。
物事は長い目で見ていくことです。
皆さんの多くは、二十一世紀の初めには、五十代になっていくでしょう。
最も働き盛りの年代です。その時に、悔いなく、存分に力を発揮していけるように、微動だにしない人生の根を張るための修行を忘れないでいただきたい」
そのあと、集って来た創価女子学園出身のメンバーらを激励し、午後四時には、女子部部長会に出席した。彼は力説した。
「水の流れのごとく、日々、題目を唱え抜き、日本一、世界一、幸せだといえる人になっていただきたい。
いかなる状況にあっても、最後は、信心を貫いた人が絶対に勝ち、福運に満ちあふれた人生を歩むことができると、私は断言しておきます。
また、いかなる宿命の渦中にあっても、題目を唱えられること自体が、最高の幸福であることを確信してください。
信心とは、何があっても御本尊から離れないことです」
伸一は、夕刻には、近くのレストランで関西の代表と会食懇談を行い、帰途、中大阪文化会館に立ち寄った。
出る会合、出る会合で、会う人ごとに励ましの言葉をかけた。
未来といっても、この一瞬にある。明日、何かをなそうとするのではなく、今、何をするかである。