2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 暁鐘 七十二 2017年11月25日

山本伸一は、ミキ・カーターに語った。 「これからも、水の流れるごとく、信心に励み抜いてください。 一生成仏の要諦は信心の持続にあります。 ゆえに、日蓮大聖人は、『受くるは・やすく持つはかたし・さる間・成仏は持つにあり』(御書一一三六ページ)と…

小説「新・人間革命」 暁鐘 七十一 2017年11月24日

中華料理店にあった『聖教グラフ』は、太田美樹が、学会のすばらしさを知ってほしくて、オーナーや従業員に見せるために渡したものであった。 従業員の一人が、山本伸一に言った。 「ヤマモト・センセイのことは、いつも太田さんから聞かされ、グラフの写真…

【第94回】 妙法は“世界第一の良薬” (2017.11.21)

入道殿は閻浮提の内日本国の人なり、しかも身に病をうけられて候病之良薬の経文顕然なり(妙心尼御前御返事、1479ページ) (通解) (妙法蓮華経の五字は「全世界の人の病の良薬」と説かれているが)入道殿は、この「全世界」の中の日本国の人である。 し…

小説「新・人間革命」 暁鐘 七十 2017年11月23日

二十三日、トロント郊外にあるカレドンに千人余のメンバーが集い、日本の親善交流団との文化交歓会が、晴れやかに開催された。 会場は、木々に囲まれた丘で、冬はスキー場になるという。 ゲレンデの緑が、太陽の光に映えてまばゆかった。 文化交歓会は、ガー…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十九 2017年11月22日

根が深く、しっかりしていてこそ、枝や葉も茂る。平和運動も同じである。 多くの人が平和を願い、平和を叫びはする。しかし、根となる哲理なき運動ははかない。 私たち創価学会の平和運動には、生命の尊厳を説き明かした、仏法という偉大なる哲理の根がある…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十八 2017年11月21日

カナダ広布二十周年記念総会に出席した山本伸一は、約二十一年ぶりにカナダを訪問できた喜びを語るとともに、初訪問の思い出に触れながら、一人立つことの大切さを訴えた。 「『0』に、いくら多くの数字を掛けても『0』である。 しかし、『1』であれば、…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十七 2017年11月20日

一九八〇年(昭和五十五年)の十月、山本伸一は、北米指導でカナダを訪問する予定であった。 しかし、シカゴの空港を発つ直前にエンジントラブルがあり、訪問 を中止せざるを得なかった。 皆が待っていてくれたことを思うと、心が痛んだ。 この時、伸一は、…

創価学園創立50周年記念式典への池田先生のメッセージ 2017年11月18日

わが創価学園の創立――それは、牧口常三郎先生の悲願であり、戸田城聖先生から託された、最重要にしてロマンあふれる使命でありました。 半世紀を経た今、世界を結ぶ壮大な連帯となった、創価の師弟の夢の実現を、牧口・戸田両先生もどれほどお喜びでありまし…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十六 2017年11月18日

心が定まれば、生き方の軸ができる。その一人が組織の軸となって、広宣流布の歯車は回転を始めていく。 山本伸一は、さらに、テルコ・イズミヤの夫のヒロシのことに触れ、こう語った。 「ご主人には、信仰を押しつけるようなことを言うのではなく、良き妻と…

鑑真と羅什

『法華経見宝塔品第十一』 で釈尊は、「諸の大衆に告ぐ 我が滅度の後に 誰か能く 斯の経を護持し読誦せん 今仏の前に於いて 自ら誓言を説け」 と、このような趣旨を3回にわたって勧め命じました。これを 「三箇の鳳詔(勅宣)」 と言います。 これを受けて …

羅什の舌焼けず

羅什三蔵は、七歳のときに出家し、諸国を遊歴して大乗経を学びました。特に法華経を、師・須梨耶蘇摩大師より 「仏日西に隠れ遺光東北を照らす玆(こ)の典東北諸国に有縁なり汝慎(つつし)んで伝弘せよ」(399P) と、付属を受けました。天竺より東北諸国…

鳩摩羅什

日蓮大聖人は 「月氏より漢土へ経論わたす人一百七十六人なり其の中に羅什一人計りこそ教主釈尊の経文に私の言入れぬ人にては候へ」(1007P) と讃えられています。この名訳があってこそ、法華経の精神は、中国そして日本へと正しく伝えられ、大聖人様によっ…

【第93回】 無冠の友の功労に感謝 (2017.11.9)

『仏は文字に依(よ)って衆生(しゅじょう)を度(ど)し給うなり、問(と)う其(そ)の証拠如何(しょうこいかん)、答えて云(いわ)く涅槃経(ねはんきょう)の十五に云く「願わくは諸(もろもろ)の衆生悉(ことごと)く皆出世(みなしゅせ)の文字を…

【第92回】 新たな拡大の道を (2017.11.7)

『日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし』 (諸法実相抄、1360ページ) 〈通解〉 はじめは日蓮一人が南無妙法蓮華経と唱えたが、二人・三人・百人と次第(しだい)に唱え伝えてきた…

【第22回】世界の友と人間革命の行進 (2017.11.16)

全国、全世界の同志と共に、晴れ晴れと創立の日を迎えることができ、これほどうれしいことはない。 栄光の未来を開く宝友の幸福勝利と無事安穏、そしてSGIの大発展を祈って、広宣流布大誓堂で勤行・唱題した(13日)。 総本部も一段と整い、人間主義の…

【第21回】誓願の青春スクラムは堂々 (2017.11.6)

「青年拡大の年」の総仕上げへ、日本も、世界も、若人が力強く邁進している。 仏法源流のインドでは、男女青年部が10万を突破する地涌の大連帯を築いた。 釈尊、そして日蓮大聖人が、いかばかりお喜びか。 創立の月・11月は、「男子部の日」(5日)、「女子…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十五 2017年11月17日

一九六〇年(昭和三十五年)、ヒロシ・イズミヤが勤める日本商社の現地法人が設立された。 この年、彼は、日本で知り合ったテルコと結婚した。 彼女は、春にカナダへ渡り、山本伸一のカナダ初訪問の折に、トロントの空港で伸一の一行を迎えたのである。 その…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十四 2017年11月16日

「私は一人で立つ」「自分の足で、敢然と」(注)とは、カナダの画家で作家のエミリー・カーの心意気である。 信心を始めたテルコ・イズミヤは、たった一人から活動を開始した。日本から送られてくる「聖教新聞」を頼りに、知り合った人たちを訪ねては仏法対…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十三 2017年11月15日

山本伸一がニューヨークを発って、カナダのトロント国際空港に到着したのは、六月二十一日の午後四時過ぎ(現地時間)のことであった。 空港では、カナダの理事長であるルー・ヒロシ・イズミヤと、議長で彼の妻であるエリー・テルコ・イズミヤをはじめ、大勢…

小説「新・人間革命」 暁鐘 六十二 2017年11月14日

山本伸一は、さらに、呼びかけた。 「意見の違いがあったとしても 確かなる目的の一点だけは 忘れずに進みゆく君達よ! 今日も学べ 今日も動け 今日も働け そして今日も一歩意義ある前進を 明日もまた一歩朗らかな前進を 尊極なる妙法と日々冥合しながら 社…

題目を唱えるということが、どうして大事なのか、なぜ功徳があるのか、これは凡夫の理解力をもってしては解しがたい問題である。

題目を唱えるということが、どうして大事なのか、なぜ功徳があるのか、これは凡夫の理解力をもってしては解しがたい問題である。 たとえば、ある一つの哲理を理解し、それを生活に応用する。そこに効果があらわれることは、当然の道理として理解できる。 だ…

小説「新・人間革命」暁鐘 六十一

山本伸一がホイットマンの生家を後にした午後四時ごろ、ニューヨーク市にある高校の講堂では、日本からの親善交流団とアメリカのメンバーによる、日米親善交歓会が行われていた。 ニューヨークのコーラスグループが「スキヤキ・ソング」(上を向いて歩こう)、…

小説「新・人間革命」暁鐘 六十 2017年11月10日

ホイットマンは一八九二年(明治二十五年)三月、肺炎のため、七十二歳で世を去る。 聖職者による葬儀は行われず、友人たちが、仏典やプラトンの著作の一部を読み上げるなどして、彼を讃え、送った。 宗教的権威による儀式の拒否は、詩人の遺志であった。 彼…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十九 2017年11月9日

ホイットマンの生家の一階には、彼の生まれた部屋、応接間、キッチンがあった。 キッチンにはロウソク製造器やパン焼き器、大きな水入れ、天秤棒などが陳列され、原野での自給自足の生活を偲ばせた。 二階の部屋には、数々の遺品が展示されていた。直筆原稿…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十八 2017年11月8日

午後一時に始まった代表者の集いに続いて、五時過ぎからは、三十人ほどの中心的なメンバーと懇談会を行った。 席上、山本伸一は語った。 「ニューヨーク州では、『アイ・ラブ・ニューヨーク』をスローガンに掲げていると伺いました。 わが街、わが地域を愛す…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十七 2017年11月7日

十九日の午後、ニューヨーク州のグレンコーブ市で、山本伸一が出席して、ノース・イースタン方面代表者の集いが開催された。 この日、メンバーはニューヨークをはじめ、ボストン、フィラデルフィア、さらにはカナダとの国境の町からも駆けつけ、二百人ほどが…

小説「新・人間革命」暁鐘 五十六 2017年11月6日

山本伸一は、御書を拝し、指導していった。 「御聖訓には『我等が生老病死に南無妙法蓮華経と唱え奉るは併ら四徳の香を吹くなり』(御書七四〇ページ)とあります。 宿命の暗雲に覆われ、不幸に泣いて生きねばならない人もいる。 いや、多くがそうかもしれな…

創立の月 躍動する生命で出発 2017年11月5日

広宣流布の大聖業は、 民衆救済の誓願に立たれた 日蓮大聖人お一人の 不惜身命の大闘争から始まった。 現代の世界広布の潮流も、 牧口先生、戸田先生が 日蓮仏法を純正に実践し、 創価学会を 創立したところから始まった。 「一人立つ心」とは、 わが創価学…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十五 2017年11月4日

十八日正午、山本伸一は聖教新聞社の社主として、マンハッタンのロックフェラ ー・センターにあるAP通信社を訪問し、社内を視察したあと、キース・フラー社長らと会談した。 人種問題や、マスコミの責任と役割など、多岐にわたって意見交換を行った。 その…

【第91回】 一念を定めて祈り抜け (2017.11.2)

南無妙法蓮華経と他事なく唱へ申して候へば天然と三十二相八十種好を備うるなり、如我等無異と申して釈尊程の仏にやすやすと成り候なり(新池御書、1443ページ) (通解) 「南無妙法蓮華経」と、他の事にとらわれることなく唱えていく時に、自然と三十二…