2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 奮迅 48 2013年6月2日

戸田城聖は、短時間だが、御書講義の要諦を山本伸一に語った。 「御書講義にあたっては、深い講義をすることだ。深い講義というのは、難しい言葉を並べ立て、理屈っぽい講義をすることではない。 むしろ、わかりやすく、聴いた人が『なるほど、そうなのか! …

小説「新・人間革命」 奮迅 47 2013年6月28日

戸田城聖は、山本伸一を凝視して語った。 「君には、川越地区のこと以外にも、さまざまな活動の重責を担ってもらおうと思っている。 これから何かと忙しくなるだろうが、埼玉は大事だ。だから、本腰を入れて、川越地区の建設に取り組んでくれ給え。 御書を通…

小説「新・人間革命」 奮迅 46 2013年6月27日

山本伸一が、御書講義の講師として川越地区に派遣されたのは、戸田城聖が第二代会長に就任して約五カ月後の、一九五一年(昭和二十六年)九月二十五日のことであった。 以来、約一年五カ月にわたって、伸一は川越に通う。 その間に、「治病大小権実違目」「…

小説「新・人間革命」 奮迅 45 2013年6月26日

ブロック強化の流れをつくるにあたり、山本伸一は東京ではなく、埼玉から始めようと思った。 埼玉のもつ限りない未来性に、大きな期待を寄せていたからである。 首都圏においては、東京の多摩地域をはじめ、埼玉、神奈川、千葉などが、ベッドタウンとして開…

小説「新・人間革命」 奮迅 44 2013年6月25日

山本伸一は、「支部制」を広宣流布の新しい跳躍台にしていくため、すべての人たちが支部建設の大きな力となるよう、あらゆる手を打っていった。 中心となる支部長・婦人部長をはじめ、支部の守り手となる指導部などの草創の幹部、支部をまとめる本部長、さら…

小説「新・人間革命」 奮迅 43 2013年6月24日

広宣流布は、新しき挑戦の旅路である。 挑戦には忍耐が必要である。 フランスの文豪バルザックは、「偉大な仕事を生み出す根源の力である忍耐」(注)と記している。 山本伸一は、創価学会の後継者たる青年部員には、労苦に耐え、自身を磨き抜く、「能忍」の…

【第32回】 青年の熱と力が時代を開く (2013.6.19)

青年こそ変革の原動力 いつの時代をみても、常に青年の熱と力とが、時代を動かし、新しい歴史を創ってきた。 戸田先生は、戦後の荒廃の中、平和社会の建設を決意され、共に戦い、先駆を切ってくれる「旗持つ若人」を呼び出された。 広宣流布は、地涌の青年が…

【第31回】 創価の全権大使たれ     (2013.6.5)

勇気こそ青年の特権 青年の魂は勇気である。鋭敏さも、大胆さも、快活さも、すべて青春の特権だ。 戸田先生は、26歳の青年の私を、学会の初代の渉外部長に任命された。重要な人物との交渉も「大作、行ってこい」と託された。 私は、恩師の名代として、多くの…

【第4回】  颯爽とわが使命の道を (2013.6.17)

日蓮生れし時より・いまに一日片時も・こころやすき事はなし、此の法華経の題目を弘めんと思うばかりなり(上野殿御返事、1558㌻) 通解 日蓮は、生まれた時から今に至るまで、一日片時も心の安まることはなかった。ただ、この法華経の題目を弘めようと思う…

【第3回】 「負けじ魂」で断じて進め(2013.6.9)

此法門を日蓮申す故に忠言耳に逆う道理なるが故に流罪せられ命にも及びしなり、然《しかれ》どもいまだこりず候(曾谷殿御返事、1056㌻) 通解 この法門を日蓮が説くので、「忠言は耳に逆らう」というのが道理であるから、流罪にされ、命の危険にも及んだの…

小説「新・人間革命」 奮迅 42 2013年6月22日

青年が伸び伸びと元気に活躍している組織には活力がある。前進がある。未来がある。 三月四日、山本伸一は、立川文化会館で行われた、東京青年部の男女部長会に出席した。 彼は、『自分の生命を削ってでも、青年を育成しなければならぬ』と決意していた。 こ…

小説「新・人間革命」 奮迅 40 2013年6月20日

山本伸一は、信越男子部幹部会に集ったメンバーに、期待と信頼の眼差しを注ぎながら、言葉をついだ。 「皆、さまざまな境遇で、苦労し、呻吟しながら生きている。それが、現実です。絵に描いたような華やかな人生なんてありません。そんなものは幻想です。 …

小説「新・人間革命」 奮迅 39 2013年6月19日

山本伸一は、ここで、創価学会の運動の意義に言及していった。 「事実上、学会は日本一の大教団となり、職業も年齢も異なる、まことに多種多様な人びとが集っております。 そのなかには、すぐに感情的になってしまう人や、非常識な人もいるかもしれない。 す…

小説「新・人間革命」 奮迅 38 2013年6月18日

人生は波瀾万丈であり、悪戦苦闘しながら進んでいかなければならない日々もある。 しかし、その試練に挑み立つ時、自らが磨かれ、鍛えられ、強く、大きく、成長していくのである。 山本伸一は、一段と強い語調で語った。 「悪戦苦闘は、われらにとって、避け…

小説「新・人間革命」 奮迅 37 2013年6月17日

二月十九日午後二時半、信越男子部幹部会の会場である立川文化会館に、山本伸一の闘魂に満ちあふれた力強い声が響いた。 「『さあ、出発しよう! 悪戦苦闘をつき抜けて! 決められた決勝点は取り消すことができないのだ』(注) これは、ホイットマンの詩集…

小説「新・人間革命」 奮迅 36 2013年6月15日

二月度本部幹部会が行われた翌日の二月十九日、信越から東京・立川文化会館に男子部員が集ってきた。 佐渡から海を越えてきた人や、長靴姿で雪深い山村から駆けつけてきた人もいる。 どの顔も頬は紅潮し、求道と時代建設の息吹に満ちあふれていた。 立川文化…

小説「新・人間革命」 奮迅 352013年6月14日

山本伸一は、最後に、「生涯持続」の信心を呼びかけた。 「信心は一生です。額に汗し、歯を食いしばりながら、広宣流布の一つ一つの峰を乗り越えていくんです。 大きな峰を越えると、さらに大きな峰が待ち受けている。 しかし、信心の炎を燃やし、それらを登…

小説「新・人間革命」 奮迅 34 2013年6月13日

山本伸一は、支部長・婦人部長をはじめ、幹部として学会活動に励んでいる同志の労苦を、誰よりもよく知っていた。 だから、その意味を再確認することで、皆を励まし、元気づけたかった。 「幹部の皆さんは、さまざまな会員の方々とお会いし、指導、激励を重…

小説「新・人間革命」 奮迅 33 2013年6月12日

二月度本部幹部会は、やがて、山本伸一の指導となった。 彼はまず、「感謝の信心」について語っていった。 「第二代会長の戸田先生は、よく、こう言われていました。 『御本尊に常に感謝の念をもっている人は、いよいよ栄える。福運がいよいよまさる』 『感…

小説「新・人間革命」 奮迅 32 2013年6月11日

西峯富美は、本部幹部会で、支部婦人部長としての、この一カ月の活動を元気に語っていった。 「私は、支部員さんとお会いするたびに、『何があっても、御本尊にお題目を唱え抜きましょう。 一つ一つの学会活動に、自分の悩みや苦しみの解決をかけて、戦い、…

小説「新・人間革命」 奮迅 31 2013年6月8日

西峯富美は、一九七八年(昭和五十三年)一月、向原支部の婦人部長の任命を受けるにあたって、”一人ひとりを大切にし、功徳に満ちあふれた支部をつくろう”と誓った。 そして、”皆が幸せになるためならば、なんでもしよう。どんな苦労も厭うまい”と心に決めた…

小説「新・人間革命」 奮迅 30 2013年6月7日

西峯富美は、福井県に二男五女の六番目として生まれた。家は貧しく、中学校を卒業すると働きに出た。 一九六二年(昭和三十七年)、知人の紹介で、東京・目黒区で中華料理店を営む夫の功と結婚。その時、学会員であった功に勧められて入会した。 しかし、夫…

小説「新・人間革命」 奮迅 29 2013年6月6日

二月十八日、希望の春を呼ぶ二月度本部幹部会が、東京・立川文化会館で晴れやかに開催された。 「支部制」が敷かれて一カ月――各地で任命式を兼ねた支部長会が開かれ、さらに支部結成大会が活発に行われてきた。 「支部制」が本格的にスタートして以来、初め…

小説「新・人間革命」 奮迅 28 2013年6月5日

山本伸一の言葉に力がこもった。 「信心をしていくうえで大事なのは、『現当二世』を見すえていくことです。 『現』というのは『現在』『現世』であり、『当』というのは『未来』『来世』を言います。 過去に縛られるのではなく、今現在を大切にし、未来に向…

小説「新・人間革命」 奮迅 27 2013年6月4日

初の「足立会」の集いには、初代足立支部長・婦人部長であった藤川秀吉・多恵夫妻の元気な姿もあった。 席上、あいさつした山本伸一は、参加者に親しみのこもった視線を注ぎながら語った。 「皆さんは、戸田先生の薫陶を受けて育った『学会の宝』の方々です…

【第31回】 創価の全権大使たれ     (2013.6.5)

気こそ青年の特権 青年の魂は勇気である。鋭敏さも、大胆さも、快活さも、すべて青春の特権だ。 戸田先生は、26歳の青年の私を、学会の初代の渉外部長に任命された。重要な人物との交渉も「大作、行ってこい」と託された。 私は、恩師の名代として、多くの人…

【第22回】  臆するな! 真実を語れ (2012.6.2)

戸田先生は師子吼された。 「強く生き抜け! 学会は強気で行け! それが正義のためだ」と。 我らの人間主義の行進を、世界が期待し、絶讃している。すごいことである。 広布に生きる皆様は、いかなる権威の人よりも尊い。魂の王者なのである。 何があろうと…

【第21回】  きめこまやかに心を配れ (2012.5.26)

永遠の歴史に輝きわたる、尊き日々の前進、本当にありがとう! 皆の奮闘のお陰で、学会は大きくなった。広布のリーダーは、その分、細かいことに気を使うことである。 気を使うということは、機械に油をさすのと同じで、組織の動きがよくなるのだ。 御聖訓に…

【第20回】  断じて壁を破るのだ! (2012.5.19)

日蓮大聖人は仰せである。 「釈迦如来のためには、提婆達多こそ第一の善知識であった。今の世間を見ると、人を良くするものは、味方よりも強敵《ごうてき》が人をよく成長させるのである」(御書917㌻、通解) 今、わが広布の英雄たちは「断じて壁を破るのだ…

小説「新・人間革命」 奮迅 26 2013年6月5日

山本伸一の言葉に力がこもった。 「信心をしていくうえで大事なのは、『現当二世』を見すえていくことです。 『現』というのは『現在』『現世』であり、『当』というのは『未来』『来世』を言います。 過去に縛られるのではなく、今現在を大切にし、未来に向…