小説「新・人間革命」 奮迅 33 2013年6月12日

二月度本部幹部会は、やがて、山本伸一の指導となった。
 彼はまず、「感謝の信心」について語っていった。
 「第二代会長の戸田先生は、よく、こう言われていました。
 『御本尊に常に感謝の念をもっている人は、いよいよ栄える。福運がいよいよまさる』
 『感謝を忘れた人は、福運が消えていく』
 『自分は信心で守られてきた。御本尊あればこそだ!』との感謝の心から、喜びも、希望も、勇気も生まれます。
 また、感謝は、心を豊かにします。反対に不平や不満をいだいていれば、心を自ら貧しくしていきます。
 御本尊への感謝をもって、日々の学会活動に取り組んでいくなかに、自身の境涯革命があるんです。
 御本尊、仏への、報恩感謝の行動として供養があります。
 供養には、飲食や衣服などの財物を供養する『財供養』と、仏を恭敬、讃歎し、礼拝する『法供養』があります。
 弘教や同志の激励に歩くことは、『法供養』にあたります。
 学会活動に励み、喜々として『法供養』を実践していくなかで、目には見えないが次第に福運が積まれ、やがて大利益を顕現していきます。
 これが冥益です。それによって、揺るぎない人生の土台が確立され、絶対的幸福境涯が築かれていくんです」
 広宣流布の伸展は、全同志が、会長の伸一と呼吸をあわせて、欣喜雀躍して活動できるかどうかにかかっている。
 もし、歓喜がなくなり、単に義務感で動いているようになれば、人びとを啓発していくことはできないし、功徳、福運もなかなか積むことはできない。
 大事なことは、御本尊への、その御本尊を教えてくれた創価の師への、学会への感謝の念をもって、喜び勇んで広宣流布の『戦い』を起こしていこうという『心』である。
 『感謝』ある人には『歓喜』がある。そして、燃え立つ歓喜の生命こそ、挑戦、前進、勝利、幸福の活力源となるのだ。