大白蓮華 巻頭言 2019年10月号

大白蓮華 巻頭言   2019年10月号
2019年(令和元年)10月号(No.840)

巻頭言      池田大作
きょうも励ましの「旭日」を

 それは1960年(昭和25年)の10月2日、ハワイへ!向かう機中、恩師の写真を内ポケットに納めた胸に手を当てつつ、私は「撰時抄」の一節を命に刻(きざ)んだ。
 「法華経の大白法の日本国並(なら)びに一閻浮提(いちえんぶだい)に広宣流布せん事も疑(うたが)うべからざるか」(265ページ)

 この世界宗教の大宣言を、戸田城聖先生の分身として断じて今こそ実現せねばならない。行く所、向かう所、必ず「地涌の菩薩」を呼び出すのだと心は燃えていた。
 足を運ぶ全ての大地に題目を染(し)み込ませ、出会う一人また一人の友と、力の限り対話を重ねゆく旅であった。
「私とともに、みんなの幸せのために生きてください」 との呼び掛けに応え、皆、悩みや苦しみを抱(かか)えながらも、尊(とうと)き広布開拓のリーダーとして立ち上がってくれたのだ。

 日蓮大聖人の仏法は、「励ましの民衆仏法」である。
試練の渦中の四条金吾への仰せには、「殿の御事をば・ひまなく法華経・釈迦仏・日天に申すなり其(そ)の故(ゆえ)は法華経の命を継ぐ人なればと思うなり」(1169ページ)とある。
   この大慈大悲(だいじだいひ)の、陽光こそが、門下を赫々(かっかく)くと照らし包み、「法性の淵底(えんでい)」といわれる生命の深奥(しんおう)から、歓喜に勇躍(ゆうやく)する地涌の菩薩の自覚を呼び覚(さ)ましてくださったのだ。
 御本仏のお心に連なって、わが友を「法華経の命を継(つ)ぐ人」であり「地涌の菩薩」であると信じ、題目を送り、励まし続けていくのが、創価の異体同心の絆(きずな)である。
「あの先輩の祈りがあればこそ」「この同志の激励のおかげで」と発心し、今度は自分たちが後輩に尽くし、青年を育てるという、麗(うるわ)しき、報恩感謝(ほうおんかんしゃ)の連鎖(れんさ)がここにある。

 世界広布への旅立ちから間もなく六十星霜(せいそう)。地球上のいずこであれ、地涌の菩薩は必ず出現し、「人間革命」の平和の連帯を広げゆけることを、我らは証明してきた。
 うれしいことに、今、清新(せいしん)なリーダーが続々と誕生し、 自らの誓願の天地で新たな広布開拓に挑(いど)み始めている。 「励ましの拡大」が、そのまま「地涌の拡大」となる。 さあ、不二の師弟は、きょうも励ましの「旭日」を ―!


  地涌の義は
  創価の励まし
    ある限り
   希望の人材
    永遠に世界へ