2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 力走31 2016年4月29日

栗山三津子の手術は、大成功に終わった。 そして、年末に退院し、年が明けると、何事もなかったかのように、元気に活動を開始し、これまで以上に、強い確信をもって、多くの同志を励ましていくことになる。 十二月四日、山本伸一は峯子と共に、三重研修道場…

小説「新・人間革命」 力走30 2016年4月28日

十二月三日、三重研修道場では全国県長会議が行われ、「人材育成の年」となる 明年の具体的な活動について協議が行われた。 山本伸一は、関西総合婦人部長になった栗山三津子のことが、気がかりで仕方がなかった。 これまで手紙などを通して励ましを重ねてき…

小説「新・人間革命」 力走29 2016年4月27日

「幹部」というのは、本来、木の幹であり、中心をなすものである。「幹部」が腐ったり、弱かったりすれば、樹木そのものが危殆に瀕する。 ゆえに山本伸一は、学会の幹部の在り方について、あえて詳細に語っていったのである。 「幹部は、皆に信心の養分を送…

小説「新・人間革命」 力走28 2016年4月26日

いかなる団体、組織も、発展のいかんは、中軸となる幹部によって決まってしまう。 学会は、翌一九七九年(昭和五十四年)に「第七の鐘」が鳴り終わり、二十一世紀への新たな飛翔を開始する、重要な時を迎えようとしていた。 だからこそ山本伸一は、幹部への…

小説「新・人間革命」 力走27 2016年4月25日

十二月二日、山本伸一は三重研修道場で行われた、岐阜、兵庫、福岡の三県合同代表幹部会に出席した。 ここには、関西の幹部も参加していた。席上、本部人事委員会で検討、決定した関西婦人部の人事が発表された。 これまで関西婦人部長を務めてきた栗山三津…

小説「新・人間革命」 力走26 2016年4月23日

集ったメンバーは、頷きながら、真剣な面持ちで山本伸一の話に耳を傾けていた。 さらに言葉をついだ。 「人間というのは、なかなか自分を見つめようとはしないものです。 皆が団結できず、地域の広宣流布が遅々として進まない組織がある。何人かの幹部に“ど…

小説「新・人間革命」 力走25 2016年4月22日

日蓮大聖人は、「忘れても法華経を持つ者をば互に毀るべからざるか、其故は法華経を持つ者は必ず皆仏なり仏を毀りては罪を得るなり」(御書一三八二ページ)と仰せである。 さらに、同志の怨嫉は、破和合僧となり、仏意仏勅の団体である創価学会の組織に亀裂…

小説「新・人間革命」 力走24 2016年4月21日

山本伸一は、さらに「一生成仏抄」の「仏教を習ふといへども心性を観ぜざれば全く生死を離るる事なきなり、若し心外に道を求めて万行万善を修せんは譬えば貧窮の人日夜に隣の財を計へたれども半銭の得分もなきが如し」(御書三八三ページ)の御文に即しなが…

小説「新・人間革命」 力走23 2016年4月20日

山本伸一たちは、高丘の家から、名張の代表らとの協議会の会場となるドライブインへ向かった。 このドライブインは、高丘秀一郎の弟の生郎が営む店で、車で五分ほどのところにあった。 協議会には、地元の代表のほか、方面・県の幹部も参加することになって…

小説「新・人間革命」 力走22 2016年4月19日

山本伸一を囲んで、高丘宅での語らいは弾んだ。話が「名張」の地名に及ぶと、伸一は言った。 「『名張』というのは、いい名前ではないですか。『名を張る』──堂々と『創価』の名を掲げ、社会にあって、信頼と勝利を勝ち取っていくという気概を感じる地名です…

小説「新・人間革命」 力走21 2016年4月18日

四月二十二日、山本伸一は、翌日に行われる「三重文化合唱祭」に出席するため、三重研修道場を訪問した。 伸一は、研修道場に来ていた高丘秀一郎に声をかけた。 「その後、目の調子は、どうですか」 高丘は、満面の笑みで答えた。 「はい。先生にご指導を受…

小説「新・人間革命」 力走20 2016年4月16日

高丘秀一郎は真剣に唱題を続けた。仏壇の前から離れなかった。 彼は、もう一度、信心を一からやり直すつもりで、自らの宿命への挑戦を開始していったのである。 一九七八年(昭和五十三年)四月上旬、高丘は、幹部に指導を受けようと、三重県長の富坂良史に…

小説「新・人間革命」 力走19 2016年4月15日

高丘秀一郎の右目が、突然、かすみはじめたのは、前年の一九七七年(昭和五十二年)十月、柿の実が赤く色づいていた日であった。 翌日には、ほとんど見えなくなった。 眼科で二週間、治療を受けたが、効果はなく、大学病院の脳神経外科を紹介された。 その時…

小説「新・人間革命」 力走18 2016年4月14日

山本伸一が妻の峯子と共に高丘秀一郎の家を訪ねたのは、午後四時過ぎであった。 並木通り沿いにある瓦屋根の真新しい二階屋で、道を隔てて高校のグラウンドが広がっていた。 高丘家には、既に伸一の訪問が伝えられており、主の秀一郎と妻の直子、高校一年に…

小説「新・人間革命」 力走17 2016年4月13日

関西入りした二十九日、創価学園の創立者である山本伸一は、学園の関係者から、関西創価小学校の建設などについて、深夜まで相談を受けた。 さらに、三十日には、大阪府交野市の創価女子学園(後の関西創価学園)に場所を移して、打ち合わせを続けた。 午後…

小説「新・人間革命」 力走16 2016年4月12日

十和田光一は、山本伸一の真心と気迫に圧倒されながら、話を聞いていた。 「病に打ち勝つ根本は、大生命力を涌現させていくことです。その力は、他者を守るために生き抜こうとする時に、最も強く発揮されるんです。 戦時下に生きた人びとの記録や、引き揚げ…

小説「新・人間革命」 力走15 2016年4月9日

山本伸一は、十和田光一に訴えた。 「もちろん、それぞれが、普段から病気にかからないように心がけ、規則正しい生活をし、食生活にも気を配り、健康管理に努めていくことは当然です。 しかし、遺伝的な要因などによる病気もある。 大事なことは、病気に負け…

小説「新・人間革命」 力走14 2016年4月8日

静岡県幹部会で「静岡健児の歌」が発表された十一月二十九日夜、山本伸一は、空路、東京から大阪へと向かっていた。 伊丹空港(大阪国際空港)から大阪・豊中市の関西牧口記念館への車中、同乗した副会長で関西総合長の十和田光一が、意を決したように語り始…

小説「新・人間革命」 力走13 2016年4月7日

山本伸一は、十一月二十五日には創価文化会館内の広宣会館で開かれた千葉県支部長会に出席。 二十六日は東京・八王子で教学部初級登用試験の受験者、採点官ら を激励。二十七、八の両日は、学生部代表と懇談した。 彼は、これまでに会えなかった人と会おうと…

小説「新・人間革命」 力走12 2016年4月6日

何事も、油断し、基本がおろそかになった時に事故が生じる。 広宣流布は魔との攻防戦であり、気のゆるみがあれば、そこに魔が付け入ってくる。 したがって、山本伸一は、支部長・婦人部長に、油断を排して、原理原則に徹することを、強く訴えたのである。 支…

小説「新・人間革命」 力走11 2016年4月5日

物事は、小事が大事である。大事故の多くは、一つ一つの細かい事柄への注意を怠ったことに起因している。 小さな配慮を欠いたことから、皆の信頼を失い、それが組織の停滞を招いた事例も少なくない。 ゆえに、山本伸一は、関東の支部長・婦人部長の新出発に…

小説「新・人間革命」 力走10 2016年4月4日

山本伸一は、活動を推進していくうえでの幹部の在り方、注意すべき事柄について、具体的に話を進めた。 「支部にあって、日々の活動のなかで、御書を拝していく伝統を築いていっていただきたい。 信心が強盛になればなるほど、皆が教学を求めていきます。 信…

大白蓮華 2016年(平成28年)4月号(No.798)

創価学会名誉会長 池田大作 一人ももれなく!喜びの舞を 悠久(ゆうきゅう)のシルクロードの天地で語り継(つ)がれてきた英知の言葉(ことば)が、思い起こされる。 それは、「良き人と友情を結べば、人生において、すべてを勝ち取ることができる」という…

【第9回】誠実と忍耐で勝ち光れ  (2016.4.1)

仏法は体のごとし世間はかげのごとし体曲れば影ななめなり (諸経と法華経と難易の事、992ページ) (通解) 仏法は体であり、世間は、その影のようなものである。体が曲がれば影はななめになる。 同志への指針 春4月。新社会人の友も、新天地で出発の友…

【第8回】人間王者の凱旋の道を! (2016.3.22)

法華経の行者あらば必ず三類の怨敵あるべし、三類はすでにあり法華経の行者は誰なるらむ、求めて師とすべし一眼の亀の浮木に値うなるべし (開目抄、230ページ) (通解) 法華経の行者がいれば、必ず三類の怨敵が現れる。三類の怨敵は、すでにいる。 法…

【第11回】威風堂々と師弟の桜道を  (2016.4.2)

爛漫と 師弟の勝ち鬨 桜かな わが師・戸田先生の祥月命日を前に、師弟原点の地・大田区の文化会館で、懇ろに報恩感謝の勤行を行った(3月30日)。 先生は桜がお好きであった。厳寒の冬を耐えて咲き誇る桜花のごとく、大難を越え、爛漫たる広布と人生の凱…

【第4回】 正義の王者の誇り (2016.3.30)

広布の使命に青年よ立て 「魂の炎のバトン」握り拡大の春へ! 兵庫池田文化会館から復興の神戸市内を望む。左手奥には赤い神戸ポートタワーがそびえる(2000年2月、池田SGI会長撮影) 「創価学会は宗教界の王者である!」 昭和三十三年(一九五八年…

小説「新・人間革命」 力走9 2016年4月2日

山本伸一は、集った支部長・婦人部長の人生の勝利を祈りながら話を続けた。 「“自分が生きるのに精いっぱいで、他人のことなど、とてもかまってはいられない”というのが、大多数の人の生き方です。 そのなかで皆さんは、自らもさまざまな苦悩と闘いながら、…

小説「新・人間革命」 力走8 2016年4月1日

群馬センターには、練習のために合唱団のメンバーが集っていた。 合唱団の関係者が、県歌「広布の鐘」の録音テープを聴いて譜面に起こし、直ちに練習が開始された。 さらにその後、山本伸一から群馬センターに伝言が届いた。 「歌は時代を変えていく。群馬の…

小説「新・人間革命」 力走7 2016年3月31日

山本伸一は、群馬の歌「広布の鐘」の歌詞を届けてもらう時、伝言を添えた。 「作曲も、私の方で依頼しておきます。曲ができたら、すぐに伝えます」 群馬のメンバーは、一日千秋の思いで、曲の完成を待った。 十一月二十一日夜、群馬センターでは、県幹部らが…