小説「新・人間革命」 力走10 2016年4月4日

山本伸一は、活動を推進していくうえでの幹部の在り方、注意すべき事柄について、具体的に話を進めた。
支部にあって、日々の活動のなかで、御書を拝していく伝統を築いていっていただきたい。
信心が強盛になればなるほど、皆が教学を求めていきます。
信心を深め、持続していくには、教学という裏付けが必要になるからです。
たとえ、一行でも、二行でもよい。皆で御書を拝読し合っていくことが大事です。
次に、支部長など、壮年の幹部は、婦人部のご家庭に、最大の配慮と思いやりをもって接していただきたい。
小さな子どもさんをおもちの婦人もいるし、高齢のご家族の面倒をみている婦人もいる。
それぞれの家庭の事情をよく考え、会合等の時間を早めに切り上げるなどの配慮をお願いしたい。
そして、支部の運営は、あくまでも協議会を中心に行っていただきたい。
支部長が自分一人で、なんでも勝手に決めてしまうようなことがあってはならない。
それは、民主主義の精神に反しますし、皆が本当に合意していなければ、力も出せないし、団結もできない。歓喜ある活動もできません。
支部長が自分の気に入った人たちだけで事を進めてしまったり、その人たちからの報告や連絡だけをうのみにして、物事を判断したりすることも禁物です。
支部も、地区も、常に協議を最重要視し、どこまでも民主的に、皆が納得して信心に励めるようにしていくことが、活動を推進していくうえでの眼目です。
また、幹部は、会員の皆さんに負担をかけたりすることがないよう、よく注意を払っていただきたい。
たとえば会員の方に車に乗せてもらう場合でも、それをあた
りまえと思うようであれば、幹部として失格です。やむを得ず乗せてもらう時には、心から感謝し、御礼を言うべきです。
人間として自分自身を厳しく律していくなかに仏道修行があり、人間革命があることを知ってください」