【第4回】 正義の王者の誇り (2016.3.30)
広布の使命に青年よ立て
「魂の炎のバトン」握り拡大の春へ!
兵庫池田文化会館から復興の神戸市内を望む。左手奥には赤い神戸ポートタワーがそびえる(2000年2月、池田SGI会長撮影)
「創価学会は宗教界の王者である!」
それは、戦時中の大弾圧を勝ち越え、七十五万世帯の弘教を成就された先生の凱旋であられた。
そして、門下の私たち青年に、厳然と託してくださった宝冠である。
「地走る者の王」の如く走り叫び、民衆を不幸に陥れる邪悪を打ち破る正義の師子王のことだ。
我ら創価の師弟は、未来永遠にこの「王者」の心で、威風も堂々と戦い続けていくのである。
恩師の夢を抱き
「3・16」の儀式に続く日々は、対話の一瞬一瞬が、師から弟子への相伝の宝の時間であった。
ある日の朝、先生は、私を傍らに呼ばれた。
「大作、メキシコへ行った夢を見たよ」
「待っていた、みんな待っていたよ。日蓮大聖人の仏法を求めてな」
体は衰弱されていても、恩師の胸には、壮大なる世界広宣流布の夢が広がっていたのである。
誰もが、地涌の菩薩の使命をもっている。必ず、その尊き使命に目覚める時が来るのだ。
「みんな待っていたよ」との言葉から、先生の悠然たる大確信が伝わってきた。
先生は私に言われた。──生きろ。うんと生きるんだぞ。そして、世界に征くんだ!
私がメキシコに第一歩を印したのは、先生との語らいから七年後(一九六五年)である。
先生が夢にまで思い描かれた天地で、メキシコの革命記念塔などを同志と共に視察した。
十七世紀のメキシコで活躍した女性詩人ソル・フアナは詠った。「ひとつ苦しむごとに、あなたは栄光に近づく」と。
わがメキシコの同志の前進にあっても、あまりにも尊き太陽の母たち、女性たちの無数の労苦があったことを、私は忘れない。
メキシコ発展の礎は、「求道」の一念である。
私がメキシコに足跡を留めたのは五回。飛行機の乗り継ぎで立ち寄り、空港に着いたのが明け方の時もあった。それでも、友は駆け付けてくれた。その一期一会が、永遠の黄金の思い出である。
空港ロビーで「ヨウコソ!」と歓迎してくれた少女も、その後、白蓮グループのリーダーとして活躍し、地域で社会で、立派に貢献している近況を伝えてくれた。
わが同志が、世界のいずこでも、福徳と勝利の実証を示してくれていることが何より嬉しい。
広宣流布は、人間に会い、仏縁を結ぶことだ。妙法の種を蒔き、一人ひとりの生命に具わる無限の可能性を解き放っていくことだ。そして「人間革命」という王者の勝利劇を、共々に綴っていくことである。
世界照らす太陽
「観心本尊抄」には、「天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか」(御書二五四ページ)と明言なされている。
この太陽の仏法を受持した若人が、己の誓願の国土で、時代の闇を晴らす希望の光を放つのだ。
アフリカ各国の青年部も、世界広布新時代の「3・16」を勝ち飾っている。
カメルーンの青年部は、これまでで最大の千二百人の総会を行い、席上、百人の友へ新たに御本尊が授与された。
「アフリカの世紀」を担い立ち、勇気の波動を広げるリーダーが凜然と決意を寄せてくれた。
「自身が勝ち、皆が勝利できるように一人ひとりを支え、そして偉大な世界宗教の道をいよいよ邁進していきます」と。
未来を恐れない
真の「王者」は、次代の発展のため、確固たる後継の流れを創り上げる。
恩師が「一度会ってみたいものだ」と言われたインドの初代首相ネルーも、独立が実現した後、社会改革の“継承”のため、真摯に手を打っている。
世代間に生ずる意識の差など困難な課題を直視しつつ、次の世代を薫陶し、根本の精神性を伝え、若き生命の最善の力を引き出すことに焦点を定めていた。
この“継承”を信じるゆえに、ネルーは「わたくしは未来を恐れない」と言い切ったのである。
大聖人は、地涌の菩薩の強さを、「能く能く心をきた(鍛)はせ給うにや」(御書一一八六ページ)と洞察なされた。
この誇りと自信をもって、青年部の君たちは胸を張ってもらいたい。
それは、大聖人の御精神を踏みにじる、民衆蔑視の邪宗門との熾烈な攻防が続いていた二十五年前(一九九一年)の三月のことであった。
「3・16」を記念する全国青年部幹部会が愛知・名古屋を舞台に、意気高く開催された。勇んで出席した私は、創価の「この道」を走りゆく、わが中部青年部に、後継を頼むと熱願した。
さらに、「『魂の炎のバトン』を君たちに」と題するメッセージを若き弟子たちに贈ったのだ。
本門の師弟の力走を続けて、私が神戸の大通りにそびえ立つ兵庫の文化会館を初訪問したのは、この年の十月である。
記念の総会では、大阪事件の無罪判決の歴史を通し、苦楽を共にしてきた常勝関西の同志と、あらためて「仏法は勝負」と、生命に刻んだ。
──いかなる悪戦苦闘をも突き抜けて、断じて勝ち切るのだ! 弟子の勝利こそ、師への最高の報恩となるからだ、と。
わが兵庫、わが関西の共戦の友は、その四年後の阪神・淡路大震災の悲劇も決然として乗り越えてきてくれた。
この兵庫の文化会館で先月、全国男子部幹部会が行われた。師弟の大道を歩み抜く青年たちの姿が、私は頼もしかった。
「不幸な人の味方となり、真実に全民衆が、安心して暮らしていける世の中を築き上げよう」
私が、大阪事件の勝訴の前夜に尼崎で叫んだ、この「立正安国」の闘魂を、常勝の負けじ魂の若人たちは朗らかに発揮してくれているのだ。
追撃また前進だ
「追撃の手を緩めるな!」──これは私たち青年が、恩師・戸田先生から直々に頂戴した最後の指針である。
追撃だ! 前進だ! 立つ時は今だ。前進なくして勝利も幸福もない。
先日、久方ぶりに訪れた文京区の同志との合言葉も「前進」である。
広宣流布は、永遠に仏と魔との戦いだ。あえて三障四魔をも駆り出し、勇猛に打ち破り、生命の凱歌を上げていくのだ。
栄光の「5・3」へ、いよいよ、わが男女青年部の「正義拡大月間」がスタートした。
さあ、青春乱舞の四月。
青年よ進め。広布後継の「魂の炎のバトン」を握り、快活に進め!
激流が巌を越えて進むように勢いよく、四月も断固と勝ち切ろう!
烈々と
広布を継ぎゆけ
弟子なれば
王者の闘魂
日々に光らせ
(随時、掲載いたします)