小説「新・人間革命」 暁鐘 六十二 2017年11月14日

山本伸一は、さらに、呼びかけた。
 
 「意見の違いがあったとしても
  確かなる目的の一点だけは
  忘れずに進みゆく君達よ!
  今日も学べ
  今日も動け
  今日も働け
  そして今日も一歩意義ある前進を
  明日もまた一歩朗らかな前進を
  尊極なる妙法と日々冥合しながら
  社会の泥沼の中に咲く
  蓮華の花の如く
  自己の尊き完成への坂を
  汗をふきながら上りゆくのだ
    
  信仰とは
  何ものをも恐れぬことだ
  何ものにも紛動されぬことだ
  何ものをも乗り越える力だ
  何ものをも解決していく源泉だ
  何ものにも勝ち乗り越えていく
  痛快なる人生行路のエンジンだ」
 
彼は、広宣流布という新しき時代の建設は、一歩、また一歩と、日々、着実な前進を重ねていってこそ、なされるものであることを伝えたかった。
また、その戦いは、自己自身の制覇から始まる、人間革命の闘争であることを知ってほしかったのである。
そして、今、青年たちに後継のバトンを託したことを宣言し、詩を締めくくった。
 
 「私は広布への行動の一切を
  諸君に託したのだ
  一切の後継を信ずるがゆえに
  今 世界のすみずみを歩みゆくのだ
  君達が
  小さき道より
  大いなる道を創りゆくことを
  私は信ずる
  ゆえに
  私は楽しく幸せだ」
 
会場は大拍手に包まれた。この魂の言葉を生命に刻み、アメリカの青年たちは立った。