大白蓮華 巻頭言 2019年 4月号

大白蓮華 巻頭言   2019年  4月号  
2019年(平成31年)4月号(No.834)

巻頭言
創価には「しりぞく心なし」   ​
                                   池田大作

「さあ、勇敢(ゆうかん)に、楽しく戦おうじやないか!」
恩師は、大変であればあるほど、悠然(ゆうぜん)と言い放たれた。 どんな断崖絶壁(だんがいぜっぺき)の苦境(くきょう)に追い込まれよう、一歩も退(しりぞ)かないと決めた勇気ある信心で、必ず難局を切り開らける。
 苦難の中でこそ、偉大な創造が成(な)されるのだ。思えば、聖教新間の創刊も、最大の試練の渦中に構想された。

 御本仏・日蓮大聖人は、「広宣流布」「立正安国」とは、法華経の行者と第六天の魔王とが、生死の苦悩の逆巻(さかま)く大海で、この娑婆(しゃば)世界を「とられじ・うばはんと・あらそう」(1224ページ)大法戦の舞台であると示されている。
 一切衆生を魔軍(まぐん)から守り、不幸の流転から救い切っていくために、大聖人御自身が戦いを起こされて、「一度もしりぞく心なし」(同ページ)と仰せなのである。
 この甚深(じんじん)の御書をいただいたのは、庶民の母である。度重(たびかさ)なる大難に臆病(おくびょう)な弟子らが退転しても、決して退(しりぞく)かなかった健気(けなげ)な信心を、御本仏は「釈迦(しゃか)・多宝(たほう)・十方分身(じゅっぽうふんじん)の諸仏(しょぶつ)も御知見(ごちけん)あるか」(同ページ)と讃(たた)えておられるのだ。

 ”あなたこそ、私と同じ不退の心の法華経の行者だよ”それは、学会家族への御賞讚と拝されてならない。
 大聖人が開始なされた、人類の宿命を転換しゆく壮大なる平和と幸福の師弟共戦を、そのまま受け継いでいる地涌の陣列(じんれつ)こそ、創価の父母たちであるからだ。
 いかに障魔(しょうま)が競(きそ)い起こり、いかに災難が打ち続こうとも、我らは「立正安国」の旗を断じて降ろさない。強敵が立ちはだかるほどに、誓願同心(せいがんどうしん)の民衆がいやまして団結し、底力を発揮して、一切を勝ち超えていくのだ。

 広布の大闘争から、一人一人の「人間革命」の劇が生まれ、それぞれの地域の「三変土田(さんぺんどでん)」の歴史が創られる。
 「御義口伝(おんぎくでん)」には、「依報(えほう)も正法も福運・智慧ともに無量であり、いわゆる南無妙法蓮華経とは福智の二法なのである」(792ページ、通解)と明かされている。
 個人も社会も妙法の福智の光りで包みながら、幸(さち)と安穏(あんのん)の世界を広げゆこう! 創価には「しりぞく心なし」と。

 久遠より
  共に誓いし 
   この地にて 
  皆が笑顔の
    勝利の旗ふれ