小説「新・人間革命」 雌伏 五十一 2017年5月24日

午後一時半、神奈川文化会館三階の大広間は花のような笑顔で埋まった。
四国・神奈川の交流幹部会が開催されたのである。
神奈川を代表してあいさつに立った幹部は、深い感慨を込めて語った。
「四国の同志の皆さん! ようこそ神奈川へおいでくださいました。
私たちは、今回、四国の皆さんから、多くのことを教えていただきました。
それは、皆が心を合わせて、師を求め、広宣流布の使命を果たそうとする異体同心の信心です。
さらに、今こそ、波浪を越えて大前進しよう。やろうじゃないか!という心意気です」
山本伸一の会長辞任から、はや九カ月がたとうとしていた。
そのなかで、師と弟子とが引き離されてしまっていることの異常さを、神奈川の同志は、いや、全国、全世界の同志が感じていた。
それだけに、自分たちから師のもとに集おうと声をあげた四国の友の、勇気と求道の一念に、神奈川のメンバーは、共感、感嘆したのである。
次いで、四国の代表があいさつに立った。
「横浜の街は、昨日、一面の雪であったと聞きましたが、本日は、暖かく、春を思わせる天候となり、山本先生をはじめ同志の祈りに守られていることを実感しております。
これからも山本先生がいらっしゃる時に、この神奈川へ、四国の同志は次々にやってまいりますので、よろしくお願いいたします」
また、理事長の森川一正は、四国のメンバーの奮闘をねぎらったあと、強く訴えた。
「航海は、順風満帆の日ばかりとは限りません。
大荒れの時もある。嵐が待ち受けているかもしれない。
今、学会を取り巻く状況もそうです。
ゆえに、私どもは『題目』と『団結』に徹して、希望の前進を開始したい。
そして、今年は『地域の年』でありますから、わが地域に拡大・勝利の実証を打ち立てて、新時代の突破口を開いていこうではありませんか!」
大事なことは、「行動」と「実証」である。