小説「新・人間革命」 力走40 2016年年5月11日
翌六日は、土佐清水市にある高知研修道場に向かう予定であったが、彼は、勤行会に出てから出発することにした。
「私は、すべての勤行会に出席します。できれば、全会員の皆さんとお会いしたい」
高知県長の島寺義憲は、涙が出るほど嬉しかった。
しかし、“先生は、全力疾走のような激励行を続けている。
むしろ、休んでいただくべきではないか”との思いが、彼の心を苛んだ。
勤行会は午後二時から開始された。
伸一は、経文、御書を拝して、御本尊の無量無辺の功徳力について語った。
伸一は、訴えた。
「広大無辺の功力を具えた御本尊に南無しゆく強き信力、行力によって、御本尊に具わった仏力、法力が引き出され、大功徳に浴すことができる。
また、人生の大福運を積んでいくことができるんです。
したがって皆さんは、勇気をもって自行化他にわたる信心を貫き、日々の生活のなかで幾つもの功徳の体験を積んでいただきたい。
それが、さらに御本尊への確信を強くし、信心の歓喜を呼び起こしていきます。
また、その功徳の姿を社会に示していくことによって、広宣流布は一段と加速度を増します」
功徳あふれるところに、歓喜と確信がみなぎり、弘教の波は広がる。