2008年7月22日付 聖教新聞 新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-1 広布第2幕第10回全国青年部幹部会

2008年7月22日付 聖教新聞
新時代第20回本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-1
広布第2幕第10回全国青年部幹部会

対話の大潮流を起こす夏!
楽しく戦い 楽しく勝つ人生を

維新を!──師と共に走った高杉晋作
若き君よ信頼の柱と光れ
戸田先生「青年部がいる限り学会は盤石」

一、青年にとって、夏は挑戦の季節だ。
 何事も、勝利するためには、努力だ。題目だ。「〇〇の鬼」と言われる執念があってこそ、後世に輝きわたる歴史は築かれる。
 スイスの思想家ヒルティは言った。
 「さあ、」削進だ、断固として『より高きをめざせ』」(草間平作・大和邦太郎訳『幸福論 第三部』岩波文庫
 遠慮などいらない。悔いを残してはならない。父母のため、多くの友のために、勇敢に前へ前へと進むのだ。
 若き諸君の晴れやかな勝利を、私は心から祈り、待っている。

 リーダー革命を
 一、格好主義では発展はない。どうしたら現実に広宣流布を進めていけるか。この一点を、一生懸命、祈りに祈り、苦労し抜いていくのがリーダーだ。
 同志と接する時も、心から讃え、励まし、感謝していくことだ。皆、広布を進めてくださっている大事な方々である。
 皆の奮闘を、決して当たり前と思ってはならない。まして、上から見おろして、苦労を押しつけるなど、もってのほかである。
 師のために! 同志のために!──まず自分が立ち上がる。
 この魂が燃えたぎっているのが関西だ。頼むよ!
 リーダー自らが、求めて信心を錬磨するのだ。自分を革命するのだ。そこからしか、新しい時代は開けない。
 一、きょうは、台湾から二人の女性リーダーが来てくださった。陳蓁蓁(ちんしんしん)婦人部長と、呉安●(ごあんじ)副学術部長である。ありがとう!(大拍手)(※●(じ)=女ヘン+尼)
 戸田先生は女性に対して、こう指導された。
 「形だけの幸福に憧れるのではなく、永遠に続く、決して崩れることのない絶対的幸福の確立のために信心をしていくのです。目的観を高く持ちなさい」
 創価の女性は、この恩師の言葉通りに、各地で生き生きと進んでおられる。
 尊き台湾の同志が、どれほど苦労を重ねながら、社会に貢献し、信頼を広げてこられたことか。台湾は見事に大勝利しました!(大拍手)
 一、私が対談したトインビー博士は最高峰の歴史学者であった。対談のきっかけは、博士からの手紙である。
 ──私は仏法を深く知りたい。仏法者である池田会長と語り合いたい──こういう思いでおられた。博士とは、歴史に残る語らいを残すことができた。
 戸田先生はおっしゃっている。
 「われわれの目的は、日本一国を目標とするような小さなものではない。
 日蓮大聖人は、東洋にとどまることなく、全世界の果てまで、この大白法を伝えよと仰せなのである。
 なぜならば、大聖人の仏法の五字七字は、実に宇宙に遍満し、宇宙をも動かす大生命哲学であるからだ」
 私がこれまで重ねてきた、世界の知性との対話は、この先生の思いを具現化するためのものでもある。
 これからは、青年部の皆が、立派に成長することだ。青年部は、同志が信頼できる指導者になってもらいたい。柱になってもらいたい。人がどうあれ、自分が真実の弟子になるのだ。役職の上下など関係ない。

 命の続くかぎり闘いをやめない
 一、戸田先生が会長に就任される前後、外からは、先生に対する非難中傷があり、学会の中にも、先生に罵声を浴びせて去っていく者がおり、まさに嵐の真っただ中といってよい状況だった。
 私は20代。先生のお体を心配し、医師の手配もした。「全力で支えますから、心配しないでください」と申し上げることもあった。
 戸田先生は、体の強くなかった私の将来を思い悩まれた。
 ──大作には苦労をかけてしまった。学会を支え、折伏の勢いを上げ潮にし、私を支えてくれた。おれの代わりに生きてほしい──と慟哭されることもあった。これが、戸田先生と私の「師弟」の関係である。
 あの、強気で、世界一、大確信に燃える先生の、弟子を思う心を胸に、私は幾多の苦難を乗り越えてきた。
 正義に生き抜く真剣な闘争がなければ、この美しい師弟の道は、わからないであろう。
 戸田先生は、「広宣流布は、命がけの労作業である。私は、命の続く限り、闘いをやめない」と言われた。
 私も、まったく同じ思いである。
 一、今、私が対談を進めているアメリカ実践哲学協会会長のルー・マリノフ博士は語ってくださっている。
 「現代の宗教運動の中で、創価学会ほど対話に焦点を当てて、活動を推進されている団体はありません」と。
 世界の知性と私の対談集は、現在、進行中のものを含めると、60点を超える。
 ゴルバチョフソ連大統領からも、もう一度対談したいとの強い要請があり、第2の対談集の準備が進んでいる。
 さらに今回、光栄なことに、インドネシアのワヒド元大統領からも、新たな対談集のご提案をいただいた。イスラムと仏法を結ぶ歴史的な対話となる。
 「人間の尊厳」「生命の尊厳」を守りゆく知性との連帯は、今や地球を包む広がりとなった。我らの友好の舞台は限りなく大きい。
 世界の平和のため、人類を結ぶ対話の大潮流を、仏法者である私たちは、さらに強めてまいりたい(大拍手)。

アインシュタイン「真に価値あるものは
協同作業によって達成できる」

 対話の最先端を
 一、古今東西の思想にも、対話形式で表現されたものが数多い。
 ギリシャの大哲学者プラトンの著作の数々は、師匠ソクラテスを中心とする対話として生み出された。中国の大思想家・孔子の『論語』は、孔子と弟子たちの対話である。
 皆、対話を重視していたのだ。
 釈尊の「法華経」。これも、釈尊が弟子に語りかける、対話のドラマである。
日蓮大聖人の「立正安国論」も対話形式だ。
 対話こそ、人々の心を通わせながら、平和的に、優れた思想へと至る方途なのである。
 その最先端の道を、私は歩んできたつもりである。
 いわゆる「論文」は一般には難解な場合がある。その点、対話形式であれば、深い内容も平易な語り口で論じていける。ゆえに私は、対談集に力を注いできたのである。

わが友好の舞台は無限大
誠実の語らいが60を越える対談集に
敵をも味方に変える祈りを

 立正安国の精神を世界へ未来へ
 一、この7月は、日蓮大聖人が、「立正安国諭」を、世界へ、未来へ宣言された月である。〈文応元年(1260年)7月16日〉
 先ほども申し上げた通り、「立正安国論」では、主人と客の「対話」が展開される。
 民衆の幸福のため、国士の安穏のために、「●(しばしば) 談話を致さん」(御書17ページ)と。
 それは、「蘭室の友」の交わり──すなわち、高貴な蘭の花が咲き誇るように、最極の信念と人間性が香る対話の世界である。
 この「立正安国」の真髄の対話を、獄中にあっても、厳として貫き通されたのが、殉教の先師・牧口先生であられた。
 看守や取り調べの検事に対して、正々堂々と破邪顕正の仏法対話を展開されたのである。
 敵さえも、味方に変える。いな、だれ人たりとも救わずにはおかない──その深き祈りが脈打つ対話であった。

中世の大詩人
 人間にとって友を裏切るよりも悪いことがあろうか?

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