きょうの聖教新聞  2010・6・21

 
 
★名字の言
 
夏目漱石の小説『行人』の一場面。私の生死は、自分を超越した神に任せている。と男が語る。それを聞いた相手は突然、平手で彼の頬を打つ。「何するんだ」と気色ばむ男に、彼は答えた。それ見ろ。やっぱり怒るじゃないか
 
▼神に身を委ねると胸を張っても、実際は些細なことに動揺し、感情を露わにする。そんな信仰は現実の平手打ち一つで、すぐに馬脚を顕す。漱石は、地に足のつかない信仰論議を痛烈に難じた
 
日蓮大聖人は、諸宗と法論するための問答集を著された(「早勝問答」)。例えば、大聖人が「念仏無間」と訴える根拠は法華経にあるのか、との設問。大聖人はこれに対し、すぐに文証を示さず、まず文証があれば、自身の主張を認めるのかと質す。相手が言い逃れするような余地を最初に塞いだ
 
▼重ねて「法華の文を尋ねるは信じて問うか信ぜずして問うか」と詰問。議論のための議論に陥らぬよう、相手の覚悟を促す。信なき言論は煙のごとし。大聖人が烈々たる気迫と大情熱で、正義を訴えられる様子が目に浮かぶ
 
▼対話は、人格と人格の触発の場。相手を納得させゆく真剣さと誠実さに貫かれてこそ、有意義な語らいとなろう。友の心を揺さぶる「確信の対話」を、今こそ広げていきたい。( 弘 )
 
★韓国で自然との対話写真展
 池田SGI会長撮影
 
★わが友に贈る
 さわやかな
 勤行・唱題で
 一日を出発しよう!
 なすべき事を明確に
 さあ今日も前進勝利!