小説「新・人間革命」 7月3日 敢闘26
“鳳雛会は、私の弟子ではないか! つまり、皆が山本伸一の分身ではないか!”
伸一は、そう信じるがゆえに、今後、創価学会の前進が、後退するようなことがあれば、「その全責任は諸君にある。諸君が、だらしないからである」と、言明したのだ。
彼のその思いは、女子・鳳雛グループに対しても同じであった。
大会の最後に、伸一は歌を詠み、贈った。
彼が、各種の人材育成グループを結成してきた目的の一つは、その自覚を促すための契機をつくることにある。
ゆえに、いかなるグループのメンバーに選ばれようが、本人が自覚をもとうとしなければ、人材育成のための周囲の人たちの努力も、水泡に帰すことになる。
自覚――それは、本来、「自ら覚す」、すなわち、自ら悟りを開くことを意味する。
その時、自らの幸福のみを願っていた生命の扉は開かれ、崇高なる“利他”の大道が広がるのである。そこに、境涯革命、人間革命の直道があるのだ。