小説「新・人間革命」 厳護 19 12月29日
驚きが走った。歓喜が炸裂した。爆発的な拍手が、場内を揺るがした。
男子部長から、「輸送班」を発展的に解消して、「創価班」とすること。そして、陣容も拡大し、登山会の輸送任務はもとより、学会本部をはじめ、各地の会館での諸行事の運営・整理など、一切の責任を担っていくことが発表されたのだ。輸送班幹部会は、歴史的な創価班発足式となったのである。
彼は、満身に情熱をたぎらせて訴えた。
「山本先生は、私たちに『創価班』という最高の名前をつけてくださいました。なんたる誉れでしょうか!
私たちは、先生と共に、学会厳護に徹し抜き、生涯、師弟の道に生き抜いていこうではありませんか!
私は、どんな苦労もいとわず、常に自ら先頭に立ち、体当たりで戦ってまいりますので、よろしくお願いいたします」
この日、「輸送班」は、「創価班」として新生の扉を開き、新時代へと飛翔したのだ。
「青年が夢を抱く時、新しい歴史は生まれる。自らの手で未開拓の大地に恵みの種を蒔くことは、青年の特権だ」(注)とは、アルゼンチンの思想家で医学者のホセ・インヘニエロスの叫びである。
■引用文献 注 インヘニエロス著『道徳の力』ロサーダ出版社(スペイン語)