小説「新・人間革命」 厳護 31 1月15日
政界、財界を中心に激震が走り、国民の政治不信は、ますます深まっていった。
伸一は、力説した。
「正邪、善悪の基準さえもあいまいとなり、人間の進むべき道が見失われてしまっているのが現代であります。未来に光を見いだすことができない時代となってしまった。
今や、社会に希望なく、前途を明るくするものも、何一つないといってよい。
混迷する時代のなかで、学会は、正義の旗を高らかに掲げ、民衆の幸せのために走り続けてきました。
どうか、諸君は、その学会を守りゆくことが、“最高善”なのだと、強く確信して、自ら選んだ使命の大道を勇んで進んでいってください!」
さらに、伸一は、こう訴え、話を結んだ。
そして、どんな華やかな現象にも、いやな現実にも紛動されることなく、『創価班』としての誉れ高き道を、まっしぐらに進み、四十代、五十代に、人生の一切を開花させ、また、勝利に導いていっていただきたい」
決意のこもった大拍手が、会場を包んだ。