小説「新・人間革命」 厳護 23 1月6日
新年勤行会が終わると、山本伸一は、学会本部の前庭に出て、前々日の十二月三十日に除幕式が行われた、「人間革命の歌」の碑の前に立った。
空は晴れていたが、風は冷たかった。
彼は、参加者や、役員として任務に就いていたメンバーに、「一緒に記念撮影をしよう」と声をかけ、次々とカメラに納まった。
ブルーのブレザーに身を包んだ、「創価班」の青年たちが集まって来ると、力強い声で語った。
「ご苦労様! 一月六日は、総会だね。『輸送班』から『創価班』になったということは、本門の船出をするということなんだよ。
また、本門とは、『理』から『事』に至ることだ。理論にとどまるのではなく、事実として何を残すかということだ。つまり、決意や誓いを語っている時代から、現実に勝利の実証を示す時が来たということなんだ。
ところで、みんな、幾つなんだい」
「二十四歳です」「三十二歳です」「二十八歳です」「二十六歳です」と、皆が口々に答えた。
それから、二十六歳というのは、青年部の室長になった時です。学会の一切の企画、立案の責任をもち、青年が広宣流布の推進力となる伝統をつくっていった年です。
二十八歳の時には、大阪の戦いの責任をもって、未曾有の弘教を成し遂げ、常勝関西の不滅の金字塔を打ち立てました。
三十二歳。みんなもよく知っていると思うが、私が会長として立った年です。みんなも心を定めるんだよ。そうすれば力が出る」