大白蓮華 2015年(平成27年)4月号(No.785)

創価桜の道ひらけ!
創価学会名誉会長  池田大作

 毎日毎朝、私の心に響いてくる足音がある。
 それは、日本列島のあの道この道で、聖教新聞の配達の歩みを進めてくださっている、尊き「無冠(むかん)の友」の足音である。
 その一歩一歩が、友に今日一日の前進の力を贈り、無量無辺(むりょぅむへん)の「心の財(たから)」を積み、広げているのだ。

 日蓮大聖人は、日女御前(にちにょごぜん)を励(はげ)まされた。
 「大空には鳥の飛ぶ跡がある。人間には見えない。
大海には魚の道がある。人間には見えない」
 「同じように、あなた日女御前の御身の内には、『宝塔品(ほうとうほん)』が厳然とあるのである。凡夫(ぼんぷ)には見えなくとも、釈迦仏(しやかぶつ)・多宝如来(たほうにょらい)・全宇宙の諸仏(しょぶつ)は御覧になっている」(1250ページ、趣意)と。

 たとえ誰が見ていなくとも、御本仏が厳然(げんぜん)と御照覧(ごしょうらん)くださっている「生命の道」がある。これこそ、自他共(じたとも)に生命の「宝塔」を輝き光らせていく、自行化他(じぎょうけた)の仏道修行の「道」なのである。
 
 この娑婆(しゃば)世界には、御書に「冥(くら)きより冥きに入る」(560ページ)と喝破(かっぱ)されているように、悪縁に引きずられて深い闇(やみ)から闇へ彷徨(さまよ)う不幸が、あまりに多い。
 その悪道(あくどう)の流転(るてん)を押し止めて、生きる喜びの道へ、希望の光の道へ、共に進みゆく哲理(てつり)が、妙法(みょうほう)である。
 ここに、「一生成仏」を勝ち開きゆく直道がある。
 また、「父母を扶(たす)くる道」(223ページ)という真実の孝養(こうよう)の道もある。そして万人を、これ以上ない幸福の境涯へとリードしていける「無上道」があるのだ。

 現実の道には、荊(いばら)も生い茂(しげ)る。壁(かべ)も立ちはだかる。出口の見えない、長いトンネルのような道もある。
 しかし、古代ローマの哲人セネカは、「ごつごつした道こそ、崇高の頂(いただき)に達する道です」と言った。
 題目は、険難(けんなん)の坂も勇敢(ゆうかん)に上りゆくエンジンだ。

 知多半島(ちたはんとう)の多宝の父母は、伊勢湾(いせわん)台風の被災(ひさい)にも、悪意や偏見(へんけん)にも、不退(ふたい)の心で、「我等の決めた」この道を切り開いてきた。同志と共に、走り、語り、愛する郷土の三変土田(さんぺんどでん)のため、今も戦い続ける。
 「悪口(あっこう)されると、余計(よけい)に『よし、勝つぞ!』と燃えました。今、すべてが仏縁と信頼の道に変わりました。学会は、人を救う地涌(じゆ)の菩薩の団体です。友と会えば、すぐに歓喜の対話の道が広がります」と。


   師弟して
    誓いの道を
      晴ればれと
     創価桜の
      満開勝利で