創価学園卒業式へのメッセージ 2019年3月17日
不屈の挑戦で新時代を切り開け
平和と人道の連帯を広げよ
一、さわやかに鳳雛が世界へ羽ばたく卒業式、誠におめでとう!
学園生と私の命は、いつも一緒ですから、きょうも卒業生全員と心の握手を固く交わしつつ一切を見守っております。
一人ひとりの尊い青春の力走の晴れ姿を仰ぎ見る、きょうこの日こそ、私の最大の喜びであり、最高の誉れなのであります。
みんな、本当によく頑張った!
一、私の師匠である戸田城聖先生は、西暦1900年、20世紀の黎明の年に誕生しました。
それから100年あまりを経た21世紀の黎明の時に、「第三の1000年」の出発を期して躍り出た使命の若人こそ、本日、巣立ちゆく皆さん方です。
皆さんの成長とともに、21世紀は明るく大きく輝きます。
21世紀の希望と栄光の第一走者たる皆さんの門出を祝して、私は三つの指針を贈ります。
父母を胸に
第一に、「父母を胸に! 挑戦と前進の走者たれ」と申し上げたい。
今年は、フランスの英雄・ナポレオンの生誕250年です。
いかなる困難にも「前進、また前進」と叫んで新時代を切り開いた、この英雄が残した「歴史の教訓」をめぐって、私は子孫であるナポレオン家の当主シャルル・ナポレオン公と対談集を発刊しました。
ナポレオンは若き日から、何があっても、自分を卑下したり、あきらめたりしない「負けじ魂」に燃えていました。
「数々の逆運に遭っても私の魂は大理石のように堅かった。
このナポレオンの「負けじ魂」を育んだ大きな源は何であったか。
それは、気高きお母さんの存在でした。
ナポレオン自身、「わたしのなしえたすべては、母のおかげだ」(アラン・ドゥコー著『ナポレオンの母』小宮正弘訳、潮出版社)と感謝をささげています。
皆さんも晴れの卒業を迎えるまでに、お母さん、お父さんをはじめ、ご家族の方々のどれほどの祈りと応援があったことか。
ここで、感謝の大拍手を全員で送りたいと思うけれども、どうだろうか!(大拍手)
人間は、父母たちの恩を知り、その恩に報いてみせると決心した時、尽きることのない勇気を引き出すことができます。
ゆえに、きょうよりまた、素晴らしき父母を心に抱いて、いよいよの学びの挑戦と前進の力走を、自分らしくさっそうと開始していただきたいのであります。
宇宙と共に
一、第二に申し上げたいことは、「宇宙と共に! 価値創造の走者たれ」ということです。
大宇宙と生命の起源への探究は、さらに進んでいくことでしょう。
私には、大宇宙のロマンを語り合ったブラジルの天文学者モウラン博士の洞察が思い起こされます。
“宇宙は自然の法則に従い、調和を求め、常に進化を続けている。
同じように、私たち人間も常に成長し続けていくことが大切です”と。
思えば、この1秒間にも、私たちの地球は太陽の周りを約30キロという猛スピードで公転し、太陽は約7億トンともいわれる水素を転じて莫大なエネルギーを生み出しています。
そして皆さんの若き生命にも、まぎれもなく宇宙大の力と可能性が秘められているのです。それを解き放つのは、積極果敢な行動です。
私と妻の大切な友人である女性の世界初の宇宙飛行士テレシコワさんも、座して待っているのではなく、未来のために打って出て勇敢に闘ってこそ、大胆な夢もかなえることができると強調されていました。
どうか、心広々と大宇宙をも友とし味方としながら、日々、正しき生命の軌道をたゆまず進み、新たな価値を創造していってください。
世界の友と
一、最後に、「世界の友と! 正義と友情の走者たれ」と申し上げたい。
私の世界の友人たちも、学園生に絶大なる期待を寄せてくれております。
皆さんは、学園で結んだ一生涯の友情を宝としつつ、全世界に平和と人道の連帯を広げながら、この21世紀を「人間革命の光の世紀」と輝かせてください。
そして次の22世紀へ、さらに西暦3000年へと、地球文明の偉大な創造の襷をつないでいただきたいのです。
皆さんがいずこにあっても、私は学園の先生方や職員の方々と共に、一人も残らず健康あれ! 幸福あれ! 栄光あれ!と祈り抜いていきます。
わが愛する卒業生に、
走り抜け
負けじの坂を
朗らかに
不屈の一歩が
明日の凱歌へ
と贈り、祝福のメッセージとします(大拍手)。