07年8月21日 聖教新聞 各部代表研修会での名誉会長のスピーチ(2)-2

07年8月21日 聖教新聞
各部代表研修会での名誉会長のスピーチ(2)-2

 悠然と朗らかに創立80周年へ! 
 一、日蓮大聖人の仏法は、「立正安国」から出発し、「立正安国」に帰着する。
 60年前、私が戸田先生と初めてお会いした座談会で、先生が講義されていたのも「立正安国諭」であった。
 「立正」──正しきを立てて、「安国」──国を安んずる。
 この「国」は、何を指しているのか。
 日寛上人は「安国」の両字について、「文は唯日本及び現世に在り、意は閻浮及び未来に通ずべし」と記されている(「安国諭愚記」)。
 文の上では、日本および現在を指しているが、その真の意義は全世界、そして未来に通じている、との仰せである。
 創価の「立正安国」の行動は、日本一国にとどまらない。
 私たちの舞台は全世界だ。全人類が、私たちの友人である。
 「世界広宣流布」の雄大なスケールから見れば、島国の毀誉褒貶の風など、小さなことだ。
 広宣流布は「末法万年尽未来際」を目指す、長い長い、永遠の戦いなのである。目先の変転などに、一喜一憂する必要はない。
 アショカ大王は、自身の信念を法勅に刻んだ。
 「われわれは人びとの信頼を得なければならない。すべての人は私の子である。私は王子のためと同様に、〔かれらが〕現世と来世の、すべての利益と安楽を得ることを願う」
 創価の精神も同じである。
 3年後の2010年は、「立正安国論」の国主諌暁から満750年の佳節である。
 また、学会創立80周年、私が会長に就任してより50周年となる。
 悠然と前へ向かって、正義と平和の信念の行動を、一段と朗らかに進めてまいりたい。
 アショカ大王のごとき大指導者を育成しながら、威風も堂々と!(大拍手)
 (2007・8・15)
 〈アショカ大王については編集部でまとめる際に、中村元著『インド史2』春秋社、塚本啓祥著『アショーカ王碑文』第三文明社山崎元一著『アショーカ王とその時代』春秋社、木村日紀著『アショーカ王とインド思想』教育出版センターなどを参照しました。獅子柱頭の写真は東京富士美術館「アショカ、ガンジー、ネル一国」の図録から〉

各部代表研修会での名誉会長のスピーチ(2)〔完〕