2008年1月28日付 聖教新聞 サントドミンゴ自治大学「名誉博士号」授与式

2008年1月28日付 聖教新聞
サントドミンゴ自治大学「名誉博士号」授与式
広布第2幕 第5回 全国青年部幹部会での名誉会長のスピーチ-2

 「勇敢に、忍耐強く団結せよ」
 一、今、私の胸には、貴国の一人の尊貴な母の詩が轟きわたっております。
 それは、19世紀の女性詩人サロメ・ウレニャ・デ・エンリケスの詩の一節であります。〈前掲の思想家ぺドロ・エンリケス・ウレニャの母〉
 すなわち──
 「勇敢に、そして忍耐強く団結せよ!
 毅然と、確かなる力を胸に湛えよ!
 無知が、その傲慢のゆえに立てる壁を、意気揚々と乗り越えたまえ!
 不正にして誤った者から権力を取り上げるのだ」
 私たちも、この気概で進もう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 貴国の勇気ある先人たちは、この詩のごとく、精神の自由を奪い、民衆を虐げる独裁政権とは、断固として戦い抜いてこられました。そして勝ちました。
 この戦う心を継がれる総長の祝辞も、私は本当に感動しました。涙が出る思いでありました。
 また、命を賭して暴力と対決した、有名な「ミラバル姉妹」に代表される、あまりにも神々しい貴国の女性たちの奮闘は、今、国連においても深く宣揚されております。
 母なる詩人サロメ・ウレニャ・デ・エンリケスは、こうも謳い上げています。
 「ああ! 女性は、大地の豊かな恵みのように、偉大な存在と善そのものの源なのです。それは悪徳の人間たちが悔しがるほどです」と。
 じつは、総長の母上も、この詩のごとく、不滅の正義と人道の闘争に生き抜いてこられました。
 総長のおじにあたる母上のお二人のご兄弟は、横暴な独裁者との壮絶な戦いに、尊き命を捧げられた勇気ある人であられます。
 奇しくも、きょう1月19日は、48年前に、この母上の兄君が殉難なされたご命日であると、うかがっております。
 私は、私たちは、仏法者として、懇ろに追善させていただきたいのであります。
 一、この母上から、烈々たる「革命精神」を受け継ぎ、若き日より、凶暴な権力に立ち向かい、信念の行動を貫き通してこられたのが、レイナ総長であられます。
 総長は、母上の励ましに応えて、真剣に、誠実に、いかなる試練も勝ち越えて、学生たちのために、見事な大学改革を成し遂げてこられました。
 この事実は、世界の教育界が刮目すべき歴史であります。
 ここに、親孝行の模範があり、そして、偉大なる「母と子」の勝利の劇があると、私たちは、心から総長を讃えたい!〈賛同の大拍手〉
 仏法では、最高の哲学を持ち、実践することが、最高の親孝行になると説かれております。
 〈たとえば「法華経を受持して題目を唱えることが、父母への一切の孝義の最高なのである」(御書774ページ、通解)、「法華経を持つ人は、父と母の恩を報じているのである。わが心には、恩を報じているとは思わなくても、この経の力によって、報じているのである」(同1528ページ、通解)と〉
 きょうは、未来部の皆さんも参加してくれています。
 未来部がいれば、学会の将来は心配ない。
 皆で、きょうから「親孝行の博士」になることを約束したいと思うが、どうだろうか!(会場から「ハイ!」と元気な返事が〉
 ご両親に心配をかけては、絶対にいけない。何の努力もしないで、遊んでばかり、文句言ってばかり──それでは、ご両親は、何のために皆さんを育てたのか。かわいそうである。
 ご両親を安心させてあげられる人が、本当に優秀な人なのです。ちょっとした心づかいが大事です。よろしく頼みます!

 私は"創価の姫" "創価の英雄"! 
 一、さて、レイナ総長と私が、ともに敬愛してやまない人物に、キューバの大英雄ホセ・マルティがおります。
 彼は、こう獅子吼しました。
 「民衆はすべて、共通の堂々とした、すばらしい何かを──空よりも広く、大地よりも大きく、星座よりも輝いていて、海よりも洋々としたものをもっています。それは人間の精神です」
 その通りです。仏法に通じます。
 この大宇宙をも包みゆく「心」を、一人一人がいかにして磨きながら、わが生命の智慧と力を、社会へ発揮していくか。
 そして、いかにして、「心」と「心」を結び合い、信頼と平和の大連帯を築き上げていくか。
 これが、人間教育、人材拡大の挑戦であり、世界が今、最も求め、大事にしなければならないテーマです。
 正しき信仰の眼目も、ここにあることを忘れてはなりません。
 一、きょうは芸術界、またスポーツ界で活躍している友人の皆さんも、出席してくださっている。ありがとう! ご苦労さまです!
 皆の拍手で応援したい。勝ってください!(大拍手)
 厳しい競争の世界である。皆さんは、仕事で脚光を浴びる時も、そうでない時もあると思う。
 あまりに忙しくて疲れてしまっても、損な場合がある。そういう時は仕事が少ないほうが、かえっていいかもしれない(笑い)。
 ともかく、生き生きと「私は"創価の姫"だ」「"創価の英雄"だ」との気概で、頑張ってください(大拍手)。

190カ国に仏法の光彩 50年前の誓いを実現
我らは精神界の王者! 正義の宝剣を君に託す

 圧倒的な実力を
 一、さらにホセ・マルティの言葉を紹介したい。
 私は若き日から、戸田先生の指導のもと、一生懸命、読書に取り組んできました。
 マルティは述べています。
 「太陽は燃焼しながら、皆を同じ光で温める。しかし、恩を和らない者は、太陽の黒点のことしか話題にしない。感謝できる者は(太陽を)ありがたく思う」
 恩知らずは太陽に対してさえ、悪口を言おうとする。
 ましてや、人間の世界において民衆を照らす太陽の存在は、傲慢な権力者や、卑劣な恩知らずから妬まれる。悪口罵詈される。
 これが歴史の常です。ゆえに正義の青年は、嫉妬や忘恩を圧倒する実力を持たねばならない。
 私は、青年時代から一人で戦ってきました。いかなる迫害にも師子王の心で戦い、勝ってきました。
 だれを頼るのでもない。師である戸田先生のもとで、戦い抜いてきた。
 戦後、先生の事業が破綻し、学会の理事長を辞めざるを得なくなった時も、私はただ一人、先生をお護りし抜きました。
 "私は先生の弟子です。必ず先生に第2代会長になっていただきます。ですから先生は、悠然としていてください"──そうお誓いした。
 そして働いて働いて、膨大な借金を返していったのです。
 やがて先生は、会長に就任されました。しかし折伏は、なかなか進まない。
 当時、多くの支部は、1カ月で数十世帯の折伏がやっとでした。戸田先生は「大作、いよいよ立ち上がってくれ」と言われて、私を蒲田支部へと派遣されました。
 私は支部幹事として指揮を執り、それまでの壁を打ち破って、1カ月で200世帯を超える弘教を成し遂げた。最下位クラスだった文京支部も、第一級の支部へと発展させました。
 そして大阪。負けると言われた大阪で、大勝利を収めました。
 私が負ければおもしろい──東京にはそう思っている、古参の幹部もいた。しかし大阪は勝ち、東京は負けたのです。
 私は、この50年間、すべてにわたって結果を残してきました。仏法の上から、そして創価学会の精神の上から──。
 だが、いざとなると、信念を捨て、逃げ去った幹部もいた。敵と戦わず、自分の保身のみを考える輩もいました。
 大事なのは青年です。人間は、年を取るとずるくなる場合がある。

ドミニカの女闘士
だれ人も民衆の内なる力を認めないわけにはいかない

 だからこそ戸田先生は、青年の私を一番、信用してくださったのです。私もまったく同じ思いです。広布の道に、ついてきてもらいたい!
 ともあれ、私は50年前の師匠の宣言通り、学会こそ「精神界の王者」であるとの証しを打ち立てました。
 きょうは、この正義の宝剣を若き諸君に託したい。頼むよ!〈「ハイ!」と決意の返事が〉

 人類を照らせ 
 一、貴国の不屈の女性の闘士、ミラバル姉妹は全生命を振り絞って、こう断言しました。
 「だれ人たりとも、民衆の内なる力、そして、民衆の価値観を認めないわけにはいかない。民衆を認めない傲慢な輩は、すべて挫折するでありましょう」
 時代の闇は深い。だからこそ世界は、創価の民衆の前進に、旭日の希望を見いだし始めています。世界の指導者をはじめ、文豪や科学者、多くの識者も期待を寄せてくださっている。
 このほど、ウィーンの大音楽家ジークフリートアンドラシェック氏)が、私のために素晴らしいワルツを作曲し、贈ってくださった。その題名は「旭日」。旭日のような、創価の満々たるエネルギーと、暗闇を破る光を絶妙な名曲に表現してくださいました。
 どうか、私の大切な、愛する英雄の君たちよ!
 サントドミンゴ自治大学に学ぶ、16万人を超える英才をはじめ、全世界の青年たちと心を通わせながら、英知と勇気の朝日のごとき光をもって、地域を、社会を、そして人類の未来を、燦然と照らしていってくれたまえ!──そう声を大にして、申し上げたいのです(大拍手)。
 〈ここで名誉会長の提案により参加者全員でドミニカ共和国の万歳、青年部の万歳を三唱した〉

ドミニカの劇作家
 勝利は戦ってのみ勝ち取ることができる
 逆境や不幸にも勇気で立ち向かえ

 強き心で進め 
 一、結びにドミニカの劇作家フェデリコ・ベルムーデスの言葉を、若き諸君に贈りたい。
 「良き魂よ、喜びたまえ! 苦しみは、霧雨のようなものにすぎない」
 「嘆きは不毛である。
 勝利は戦ってのみ、勝ち取ることができる。ゆえに、雪崩のように迫ってくる逆境や不幸にも、我々は断固たる勇気をもって立ち向かうのだ」
 嘆いても、何もならない。不毛な魂であってはなりません。
 太陽がパーツと輝き、大地には花が咲き、青々とした野菜が実る。
 そういう光景を思わせるような、豊かな、強き心で進んでください。
 「仏法と申すは勝負をさきとし」(御書1165ページ)です。
 戦うことだ。戦わない者は、永遠に敗北者となる。戦おう!
 心から敬愛してやまぬ「教育の太陽の国」ドミニカに永遠無窮の栄光あれと、私たちは心からお祈り申し上げます。
 ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変に、ありがとうございました!」)(大拍手)
 (2008・1・19)
 ※編集部として、名誉会長の了承のもと、時間の都合で省略された内容を加えて掲載しました。

広布第2幕 第5回 全国青年部幹部会での名誉会長のスピーチ〔完〕



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