2008年3月17日付 聖教新聞 創価学園卒業式での名誉会長のスピーチ-3

2008年3月17日付 聖教新聞
創価学園卒業式・国際児童基金協会から子ども守護の騎士章授与
創価学園卒業式での名誉会長のスピーチ-3

 「お父さん、ありがとう!」も言おう!〈皆で「お父さん、ありがとう!」と御礼を。また創立者の提案で、全員で「お父さん、お母さんの万歳」を三唱した〉
 そしてお母さん、お父さんに、最大の感謝を込めて、拍手を贈りましょう!(大拍手)
 皆さんは、偉大なる学園で学び、卒業を勝ち取った。勝利した。
 これからもすべてに勝利をしてほしい。お父さん、お母さんを世界一にしてみせる。絶対に、世界一の幸福のわが家にしてみせる──その決意を持ってもらいたい。
 一、ただ今、尊敬してやまないリハーノフ先生から、私と妻は、何よりも意義深き栄誉を賜りました。厚く御礼を申し上げます(大拍手)。
 私も、妻も、子どもの時に、あの残酷な、いやな、そして苦しい戦争を体験しました。
 だからこそ、「世界中のどの子どもにも、二度とあんな苦しい、バカらしい、悲しい思いはさせたくない! 絶対に人類は平和であらねばならない!」と祈り、戦い続けてまいりました。
 そして、牧口先生と戸田先生が掲げられた、「子どもの幸福」を眼目とする、創価教育の夢を実現するために戦ってきました。
 多くの反対や妨害が渦巻く中、私は断固として中国とも、ロシアとも友好を結んできました。
 日本はかつてロシアとも中国とも、戦争をした。多くの日本人はロシアと中国を敵視し、見下していました。
 そうした中で、私は友好に尽くしてきました。
 それも、わが学園生をはじめ、若き世代の平和の道を開くためです。

 師子の心で!
 一、この私の心を深く深く理解してくださっているのが、ここにお迎え申し上げたリハーノフ先生なのであります。
 リハーノフ先生もまた、子どもたちの人権と尊厳を護り抜くために、どれほど多くの嫉妬や嘘の悪口を浴びせられてきたことか。
 そのなかを厳然と戦い抜いて、そして、大勝利された鋼鉄の信念の指導者であられます。
 リハーノフ先生が、お世話になった小学校の女性の先生を、最大に宣揚してこられたことも、まことに美しき逸話です。
 リハーノフ先生は、恩を絶対に忘れない方です。だからこそ、ご自分の苦難の人生を振り返って、「特別に大事にして、良くしてあげた人間から、恩を仇で返されたことが、残念でならない」と、恩知らずへの怒りを語っておられるのです。
 その心情が、私には痛いほどわかります。
 世の中には、あまりにも忘恩の狡賢い大人が多すぎるからです。
 嫉妬に狂って、大恩人を裏切る悪人もいる。
 「ロシアの教育学の父」ウシンスキーが「栄誉のあるところには、いつもねたみもあらわれます」西郷竹彦訳『ウシンスキー教育学全集3 子どもの世界』明治図書出版)と鋭く喝破している通りです。(※3=ローマ数字)
 私にとって信じられるのは、青年だけです。
 牧口先生も、そうでした。戸田先生も、そうでした。
 私は19歳で戸田先生と出会った。
 "大人はずるい。裏切る。青年である大作を、次の後継者にするんだ"──先生は、そういう思いで一生懸命、私を育ててくださいました。
 諸君しかない。私は毎日、真剣に祈っています。妻とともに。
 青年よ、なにものにも負けない師子の心を持て!──こう申し上げたいのです。

中国の謝冰心先生
 良き書物を読むことは人類を愛し平和を愛する正義の心を育ててくれる

 世界一の栄誉
 一、「卑劣なもの、醜悪なもの、低俗なものと戦ってこそ、人間は、より偉大になれる」
 「卑しい嘘と徹して戦い、そして、断じて、勝利をもぎ取ることによって、真の人格が輝いていくのだ」
 これはリハーノフ先生の言葉です。正しいです。
 この正義の魂を、勇んで受け継ぎ、父子一体で歴史を刻んでこられたのが、モスクワ大学出身の優秀なジャーナリストである、ご子息なのであります(大拍手)。
 ご子息の母校・モスクワ大学といえば、私が最初に名誉博士を拝受した大学であります。
 このモスクワ大学を栄えある第1号として、私は学園の創立者として、「230」の名誉学術称号を、各国の著名な大学から、お受けしてまいりました。「世界一」の知性の栄誉です。
 思えば戦争中、わが家は4人の兄を兵隊に取られた。
 自宅は強制疎開させられ、新しく建てた家も空襲で焼けた。
 私は肺病、父はリウマチを患っていた。そして私が17歳の時に終戦。本当に苦しい、大変な状況だった。
 それが偉大な師匠と哲学に巡り合い、ここまでの仕事を成し遂げることができた。
 今、皆さんは同じ10代。私のころと比べれば、本当に環境に恵まれています。どうか、頑張ってもらいたい。
 また、ロシアをはじめ、各国から贈られた国家勲章は「27」。すべて、「業績」と「行動」、「貢献」への評価に基づくものです。
 皆さんも、私の後に続いてもらいたい。創立者の後に続くのが、学園生です。そうならなければいけない。
 全世界から「560」の名誉市民称号もいただきました。5大陸から、お贈りいただいた顕彰は、「3000」を超えております。 モスクワ大学での2度の講演を筆頭に、世界の大学やアカデミーでの講演は、32回を数えます。
 今でも、多くの大学から講演の要請をいただいています。
 世界的名門のハーバード大学では2回、講演を行いました。その際に、私が論じた仏法の生死観を、多くの人々が希望の指針としてくださいました。今でも、最高峰の知性の方々が、この講演について論じてくださいます。
 リハーノフ先生との対談集をはじめ、世界で出版された私の著作は、40言語、950点を超えました。
 さらに、ロシアのコスイギン首相、中国の周恩来総理をはじめ、私が対話をしてきた世界の指導者、人類の知性も7000人を超えておりますじ
 思えば、1958年(昭和33年)のきょう3月16日、私の師匠である戸田先生は、人生の勝利の総決算として、"創価は精神界の王者なり"と宣言されました。
 私は弟子として、この50年、いかなる難も勝ち越え、堂々たる王者の証しを打ち立てたのであります。
 そして、私は今、この世界一の英知の月桂冠と絶対勝利の宝剣を、わが愛する、大切な学園生に譲り託したいのであります(大拍手)。
 一、本日は、「冰心(ひょうしん)文学館」の王炳根(おうへいこん)館長ご一行も、お越しくださり、これほどの喜びはありません。
 中国文学の偉大なる母・謝冰心先生とは、私と妻も忘れ得ぬ出会いを重ねました。
 冰心先生は、ロシアの作家ゴーリキーの言葉を通し、青年に読書の重要性を語られました。
 すなわち冰心先生は、「読書は、人を大切にすることを教えるとともに、自分自身を大切にすることも教えてくれる。良き書を読むことは、人類を愛し、平和を愛する正義の心を育ててくれる」と言われたのです。
 愚劣な人権蹂躙の悪書は断じて許してはならない。
 皆さん方は、一段と良書を読みまくり、学び抜いて、素晴らしい青春を送っていただきたい。
 勉学は、青春の特権です!
 私も本を読みました。戸田先生の期待にお応えするために。

 友情の春風を勝利の旋風を
 一、さらに、冰心先生は語られました。
 「人生は、絶えず向上し、前進する。そう信ずる人は、自分が勇気に輝くだけでなく、周りの人々も朗らかに照らしていくことができる」と。
 そういう人になってもらいたい。
 どうか、わが学園生は、世界の子どもたちの希望の太陽となって、人類の未来を勇敢に、朗らかに照らしていってください。
 わが学園生の行くところ、進むところ、友情と信頬の春風を!
 親孝行の春風を!
 勉学と対話の春風を!
 健康と歓喜の春風を!
 そして、正義と勝利の春風を、旋風を起こしゆかれることを、心からお祈りして、私のスピーチを終わります。ありがとう!(大拍手)
 ロシアと中国のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
 わが東京校、万歳!
 わが関西校、万歳!
 そして、私の命よりも大切な学園生、万歳!(大拍手)

創価学園卒業式での名誉会長のスピーチ〔完〕

ブログ はればれさんからのコピーです。