2008年3月18日付 聖教新聞 雲南民族博物館「名誉顧問」授与式から

2008年3月18日付 聖教新聞
雲南民族博物館「名誉顧問」授与式から

池田先生は中国に格別の影響力
慈愛と学識ヒューマニズム 中日国交に不滅の功績

 謝館長の「賛辞」 
 新しい春の訪れが、尽きぬ思いと心からの願いを叶えてくれたかのようです。
 たとえようのない感動を胸に抱きつつ、幸運にも、尊敬する池田大作先生に名誉顧問証書を授与させていただくことになりました(大拍手)。
 池田先生は、世界的に著名な仏教思想家、哲学者、社会活動家、作家、写真家であられます。先生の卓越したご功績は、国際社会から大きな注目と賞讃を浴びています。
 ここに、雲南民族博物館を代表して、池田先生に名誉顧問の証書を授与させていただきますことは、当館にとって栄誉であります。
 それは、池田先生が、中国で格別の影響力を持つ方で、熱心な文化事業の提唱者かつ推進者であり、中日両国の友好のために尽力されてきた平和の使者、歴史の証人であるからです。
 1960年、池田先生は創価学会第3代会長に就任され、71年4月2日に創価大学を創立されました。そのほか、民音を創立して、音楽活動を通じた文化交流の推進に尽力し、異なる国家や民族間における相互理解を深めてこられました。
 また、設立された東京富士美術館は、約3万点に及ぶ古今東西の美術品を収蔵しており、各国の芸術、及び文化の相互交流を坦っております。
 これらの教育機関、文化機関、機関紙等は、日本社会において重要な役割を果たしています。
 75年には、創価学会インタナショナル会長に就任され、今日、190カ国・地域で創価学会のメンバーが活躍しています。
 池田先生は、民衆に心を寄せ、平和を愛し、世界の平和と発展を推進するために、積極的に国際社会で奔走されています。数多くのご著作の中で、平和を促し、国際間における理解を推進するために努力されています。
 とりわけ、中日国交正常化に至るプロセスにおいて、池田先生は不滅の功績を打ちたてられました。また、中国歴代の指導者との交流や対談も、それらが中日友好の歴史に記されていくにつれて、人々の目を開かせるものとなるでしょう。
 「人類は誠意ある対話を通じてのみ、互いに理解し信頬しあえる」──これが、池田先生の確信です。
 この崇高な思いのまま、先生はこれまでに50カ国以上を歴訪され、政界や文化・教育界など、各界の識者と対談してこられました。
 そのなかには、イギリスの歴史学者トインビー博士や、ノーベル文学賞受賞者であるロシアの作家ショーロホフ、アメリ公民権運動の先駆者ローザ・パークス南アフリカの黒人解放運動の指導者ネルソン・マンデラ、中国の文豪・金庸なども含まれています。
 さらに、世界各国の有名大学及び学術機関から続々と講演を要請されるなど、その交流の舞台は世界各国の文化教育や芸術機関にまで広がっています。そして83年には、国連平和賞の栄誉を受けられています。
 池田先生は、多くの作品を生み出す作家であり、詩人です。これまでに、膨大な数の著作と詩歌を発表し、人類への慈愛を文字に込め、広い学識と深いヒューマニズムを表現されています。
 本年4月には、「自然との対話──池田大作写真展」が、わが雲南民族博物館で開催される運びとなりました。
 この写真展が、雲南の各民族に素晴らしい体験と心の共鳴をもたらすであろうことを信じてやみません。それと同時に、写真展が無事に成功を収めることを祈っております。
 結びに、創価学会の皆様方と、より広い範囲で協力し交流していけることを望んでいます。文化の共鳴が、平和と友情の叙事詩をつむぎ出し、桜花爛漫の春に、多くの人々に感動を呼ぶことでしょう。
 ここに、いま一度、池田大作先生のご健康とご長寿、創価学会のさらなるご発展、そして中日両国人民の友情が永遠に続きゆくことを心よりお祈り申し上げます。本日は、誠にありがとうございました(大拍手)。

 池田名誉会長の謝辞 

桜の都雲南と文化の王道を

 一、心より尊敬申し上げる「雲南民族博物館」の謝沫華(しゃまつか)館長。美しき花園都市・昆明(こんめい)の地より、芳しき春の香りと希望きらめく春の光を携えて、ようこそ日本へお越しくださいました。
 私たちは、心から熱烈に歓迎申し上げます(大拍手)。

 雲南は「民族共生の天地」
 一、清く澄んだ山河、穏やかな常春の気候、そして豊かな情感にあふれた人々の文化──。
 わが憧れの雲南省は、じつに26の民族が麗しき「調和」のドラマを織りなす「民族共生の天地」であります。
 古来、西南シルクロードの要衝に位置し、多様性に満ちた文化と文化、文明と文明が賑やかに行き交う「民族交流の舞台」であります。
 この雲南省にあって、各民族の貴重な伝統文化の遺産を収集し、総合的に展示・紹介するとともに、調査研究の学術センターとなってこられたのが、貴・雲南民族博物館であられます。
 このたび、この「文化の大城」たる貴・博物館より.「名誉顧問」の称号を賜りましたことは、私にとって光栄の至りであります。その崇高なる使命を胸に深く刻みつつ、厳粛な思いで、誉れある貴・博物館の一員とさせていただきます。誠に誠に、ありがとうございました。
 私の師である戸田城聖・第2代会長は、すべての民族が等しく尊厳に輝きながら、あらゆる差異を超えて、同じ世界市民として共生し繁栄しゆく「地球民族主義」の理念を提唱しました。
 その意義を込めて、貴・雲南民族博物館よりの尊き顕彰を、私は謹んで師に捧げさせていただきたいと思っております。
 第2次世界大戦中、悪逆な日本の軍国主義は、貴国への非道な侵略を重ね、明媚なる雲南の天地にまで残虐な爪痕を残しました。その狂った権力の魔性と、断固として戦い抜いてきたのが、私たち創価学会の誇り高き歴史であります。

 「文化」は人々を理解・創造へ導く
 一、人間の営みの美しき精華である「文化」は、それぞれの個別性の奥に大いなる普遍性を帯びながら、人々を、理解へ、共感へ、調和へ、創造へと、いざなっていくものであります。
 また、色とりどりの花々が咲き薫るほど、花園が美しく彩られていくように、文化は、多様性こそが地球を壮麗に輝かせていくことを、私たちに教えてくれております。
 そして、その希望の大道を示してこられたのが、わが雲南の天地であります。
 なかんずく、多くの民族の方々が集い合うなか、家族のように心を一つに尊い業務に励まれている貴・雲両民族博物館の存在は、それ自体が「平和の文化」の最良のモデルであると、私は声を大にして宣言したいのであります(大拍手)。

青年の心を育もう
(人類の至宝・文化の大城に繁栄あれ)
「多様性」で地球は輝く!

 平和を創れ!未来を開け!
 一、私が創立した民主音楽協会は1995年、雲南の地より「雲南歌舞団」を招聘いたしました。
 さまざまな民族の伝統の歌や踊りが華麗に披露された、多様性に満ちた公演は、日本中、全国各地で深い感動を広げたのであります。
 ハーバード大学教授であり、アメリカの中国思想研究の第一人者であるドゥ・ウェイミン博士も、私との対談集のなかで、雲南省の出身であることを誇りとしておられました。
 そして、幾多の民族が交じり合い、平和的に共存している、雲南の豊かな文化的多様性が、人類に大いなる啓発を贈っていることを語っておられたのであります。
 文化を守ることは、人類の宝を守ることであります。
 また、文化を育むことは、青年の心を育むことであります。
 そして、文化を結ぶことは、平和を創ることであります。
 この崇高なる文化の王道を、私もまた、気高き「文化の守り人」であられる謝館長とともに、世界へ、未来へ、さらに開き広げていくことを、ここに固くお誓い申し上げます。
 「花の都」雲南は、春3月になると、それはそれは色鮮やかに、美事な桜が一面に咲き薫るとうかがって怒ります。一説では、日本の桜の中には、もともと雲南から伝えられたものもあると言われております。
 桜の故郷の天地に光り輝く貴・雲南民族博物館が、これからも永遠に、人類の至宝として、桜花爛漫の繁栄を勝ち飾っていかれることを心の底よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました」)(大拍手)

雲南民族博物館「名誉顧問」授与式から〔完〕

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