大白蓮華 2013年(平成25年)6月号(No.762)

大白蓮華 2013年(平成25年)6月号(No.762)

創価の母と幸福勝利の大道を!

 創価学会名誉会長  池田大作


 人生の最高の楽しみとは何か? それは、「苦難に打ち勝つことです」──こう答えたのは、目と耳と口の三重の障がいにも負けず、社会への信念の貢献(こうけん)を貫き通したヘレン・ケラーである。彼女は、「忍耐と根気が最後には勝つ」とも語っていた。
 いかなる逆境にも「負けない!」と決めた女性の笑顔ほど、尊く、気高いものはあるまい。

 法華経では「女人成仏」の法理が明かされている。すなわち、女性の生命の尊厳が晴れ晴れと宣言され、諸経で閉ざされてきた幸福勝利の門が開かれた。
 日蓮大聖人は、南条時光の母に仰せである。
 「法華経と申すは手に取れば其の手 やがて仏に成り・口に唱(とな)ふれば其(その)の口 即仏(そくほとけ)なり」(1580ページ)

 苦しい時も、つらい時も、題目を唱え抜いていくならば、ありのままの我が身を妙法蓮華経の当体と輝かせて、一切を絶対に変毒為薬(へんどくいやく)していけるのだ。
 時光のお母さんも、夫を失い、最愛の末の子にも先立たれた深い悲しみから立ち上がり、ついに一家と巻属(けんぞく)の歓喜の春を勝ち開いていった。
 大聖人は、この母に続いて妙法流布に尽くした娘(重須殿女房)にも、「蓮(はす)はきよきもの泥(どろ)よりいでたり」(1492ページ)等と御手紙を送られている。

 「如蓮華在水(にょれんげざいすい)」──泥水の中から清浄無比なる大輪を咲かせる蓮華のように、御本仏の御心のままに現実社会の真つ只中で、幸と平和の花華(はなばな)を広げゆくスクラムこそ、わが世界一の創価の婦人部なのだ。

  あな嬉し
  広布に走る
   わが母の
  勇み勝ちゆく
    太陽まぶしく

 私の第三代会長の就任と呼応して、勇んで奮起してくれた、忘れ得ぬ埼玉の支部婦人部長がいる。
 自らも悩みをいっぱい抱えながら、それでも自分より悩み、苦しむ人のためにと、歩きに歩かれた。

 私は、その健気な心を察しつつ、エールを送った。
 「信心で立ち、信心で戦い、信心で勝とう!
 信心の“金の草鞋(わらじ)”を履(は)いて行動し、苦労したことは、必ず無量無辺の功徳となって広がります」と。

 その通りに、この母は、大病も3度の家業の倒産も、信心で乗り越え、所願満足の勝利を飾られた。

 母は微笑み、語っていた。「どんな時も、私たちは太陽のように燃えて、三障四魔を蹴散(けち)らし、不幸と邪悪の闇(やみ)を打ち晴らしてみせます!」
 いずこの地でも、創価の母たちが懸命に奔走する一歩また一歩は、永遠に消えない福徳の足跡となり、常楽我浄(じょうらくがじょう)の金の道を示してくれているではないか。

 師匠・戸田城聖先生は、母たちを励まされた。
 「広宣流布に尽くす人を、御本尊が絶対に放っておくものか! その人の願う通りの方向に、必ず変わっていくんだよ。信心は『勇気』の二字である。我々は、常に勇敢に勝利へ出発するのだ」

 創価の婦人部が結成されて62星霜。白ゆりの香りも高き母たちは、今日も「立正安国」の対話を弾ませ、諸天善神を従えながら、朗らかに進む。
 さあ、この誉れの母たちと共に、希望に胸張り、幸福勝利の大道を前進しようではないか!