大白蓮華 2014年(平成26年)2月号(No.771)
誓いの「初心」忘るべからず
人間は、皆、幸福になる力をもって生まれてきた。
どんな試練にも打ち勝つ力をもって生まれてきた。
このカを解き放つために、哲学があり、信念がある。
アメリカ・ルネサンスの哲人エマソンは、「動かざる中心をもつ者こそ英雄」と語った。
正しき信仰という究極の「動かざる中心」をもつ創価の友は、まぎれもなく「人間の英雄」である。
日蓮大聖人は、「法華経を信ずる凡夫は、初心の時より、わが身が妙法蓮華経であると知ることができるゆえに、即身成仏(そくしんじょうぶつ)し、金剛不壊(こんごうふえ)の体となるのである」(568ページ、趣意)と仰せになられた。
ひとたび妙法を信受した「初心」から幸福と勝利を創造する無窮(むきゅう)の生命力が満ち溢(あふ)れていくのだ。
草創期、戸田城聖先生は、家族の反対や周囲の悪口の中、入会した健気な同志を励ましてくださった。
「焦(あせ)らずともよい。信心は『無上の幸福学』だ。『究極の勝利の軌道』だ。『平和の大道』である。絶対に間違いのない大法に巡り合えたのだ。生涯を賭(か)けて悔(く)いのない道を見つけた人間は強いぞ!」と。
法華経には「五十展転(ごじゆうてんでん)」の功徳が説かれる。妙法を聞いて随喜(ずいき)した人が、友に語り伝える。その友が次の友に喜び伝える。そうして50番目に聞いて喜ぶ人の功穂でさえ、無量無辺である。いわんや、最初の随喜の人の功徳は比べようがないというのだ。
わが学会は「まさに初心の友が喜び勇んで仏法を語りゆく歓喜の波動で、広布の勢いを加速してきた。
新しき
勝利の道を
走りゆけ
随喜の我らは
元初の同志と
貴重な統監(とうかん)を振り返れば、恩師の75万世帯の願業が成就した昭和32年師走、実に8割の会員が入会3年以内というフレッシュな連帯であった。
そうした一人である山口県の母は、妙法に出合え喜びの初心を、水の流れるごとく貫いてこられた。
忘恩の悪侶の迫害にも断じて屈しなかった。経済苦も乗り越え、保育園の園長として信頼を広げてきた。
今も一家で折伏を重ねて、新入会の友たちを大切に励まし、みなを立派な人材へ育成されている。
母は語る。「苦しんだ人が一番幸せになり、大勢の人を救っていける。この信心を教えてくれた学会が大好きです。『一は万が母』 新しい一人を育てることは人材の万軍をつくることに通じます」と。
今、嬉しいことに、新入会の宝友が日本中、世界中で、続々と誕生している。一人一人が久遠からの不思議なる宿縁で結ばれ、「今この時」を誓願して躍(おど)り出た、尊き尊き地涌(じゆ)の菩薩である。
早速、教学の任用試験に挑戦し、仏法対話を開始した友も多い。この瑞々(みずみず)しい初心の息吹(いぶき)こそが、「世界広布新時代」を開く希望の原動力なのである。
価値ある人生は、惰性(だせい)との戦いだ。「初心」忘るべからず ここに、不退の人生の鉄則がある。
我らは題目の音声(おんじょう)とともに、常に久遠元初(くおんがんじょ)の生命に立ち返り、広宣流布を誓う「初心」から出発する。
創価家族の宝である新入会の友と、一緒に祈り、学び、語りながら、師弟の2月を歓喜で飾りゆこう!