大白蓮華 2016年(平成28年)11月号(No.805)


座談会は人類蘇生のオアシスなり
創価学会名誉会長  池田大作

 良き友との語らいこそ、かけがえのない宝である。
 アメリカの哲人エマソンの言葉が蘇(よみがえ)ってくる。
 「聡明(そうめい)な、心豊(こころゆた)かな友と過(す)ごせば、人生は二倍にも、十倍にも価値あるものになる」と。

 経文に「闘諍言訟(とうじょうごんしょう)」と説かれる通り、末法(ぱっぽう)とは、人と人との争(あらそ)いが絶(た)えず、麗(うるわ)しい人間の絆(きずな)も、嫉妬(しっと)や懺言(ざんげん)によって引き裂(さ)かれてしまう悪世(あくせ)だ。
 そのなかで、まるで奇跡(きせき)のように、友情と信頼に潤(うるお)う生命のオアシスを、日本中、世界中のいずこにも創(つく)り広げているのが、我ら創価の座談会である。

 老若男女(ろうにゃくなんにょ)を問わず、社会的な立場も超(こ)え、国籍(こくせき)や人種など、ありとあらゆる差異(さい)にとらわれず、皆が和気(わきあい)と融合(ゆうごう)できる、人類の平和の縮図(しゅくず)だ。

 日蓮大聖人は、大難の渦中(かちゅう)、門下一同(もんかいちどう)へ「かかる濁世(じょくせ)には互(たがい)につねに・いゐあわせてひまもなく後世(ごせ)ねがわせ給(たま)い候(そうら)へ」(965ページ)と呼びかけられた。

 さらにまた、「常(つね)によりあひて」(1114ページ)、「常にかたりあわせて」(900ページ)、「常にむつばせ給へ」(1172ページ)等々、繰(く)り返(かえ)し仰(おお)せになられている。
 御本仏が「たえまなく座談会を」と教えてくださっているように、私には拝(はい)されてならないのだ。

 創価の師父・牧口常三郎先生、戸田城聖先生は、よくぞ「座談会」というリズムを、広宣流布の心臓の脈動(ちゃくどう)のように刻(きざ)まれたと、感謝(かんしゃ)は尽(つ)きない。
 どんなに地味(じみ)で、地道(じみち)であろうとも、毎月の座談会を積み重ねている限り、わが学会は前進する。