大白蓮華 巻頭言 2018年5月号

2018年(平成30年)5月号(No.823)

            日々、「創価の母の日」であれ
                                 池田大作 

 雨が降ろうが、風が吹こうが、太陽は必ず昇(のぼ)る。 広宣(こうせん)の太陽たる母たちもまた、決してたゆまない。
法華経」では、一人のために、たとえ一句でも正法を語れば、それは「如来(にょらい)の事(じ)」、すなわち「仏の仕事」であると明かされている。
「御義口伝(おんぎくでん)」では、この仏の語らいの意義を――
 第一に、「柔和忍辱(にゅうわにんにく)」の衣(ころも)を着て行われる。
 第二に、「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」の修行である。
 第三に、「母の子を思うが如くなり」と、明快(めいかい)に示されている。(737ページ)
 御本尊の仰(おお)せ通(どお)りに、聡明(そめい)な忍耐(にんたい)の心と恐(おそ)れなき勇気、そして大いなる母の慈悲(じひ)で妙法を弘(ひろ)め、幸と平和の陽光を放ってきたのが、偉大な婦人部である。

 自(みずか)らも言うに言われぬ苦労を抱(かか)えながら、悩める友に題目を送り、一緒(いっしょ)に勇(いさ)んで乗り越えゆく創価の母たちの心は、「如来の心」そのものである。
 気取(きど)らず飾(かざ)らず、ありのままの笑類で皆を励(はげ)まし続ける創価の母たちの振(ふ)る舞(ま)いは、まぎれもなく 「仏の振る舞い」ではないか。
 婦人部あればこそ、学会家族は明るく温かい。 
 婦人部あればこそ、広宣流布は限りなく進む。
 婦人部あればこそ、令法久法(りょうほうくじゅう)は行き詰(づ)まらない。
  我らの元朝(がんちょう)たる5月の3日は「創価学会母の日」 だ。尽きせぬ感謝を捧(ささ)げゆくとともに、仏(ほとけ)に等(ひと)しい母たち女性たちが無量無辺(むりょうむへん)の福徳(ふくとく)に包(つつ)まれるよう、 皆で祈り、広布の誓願(せいがん)を新たにする日なのである。

 太陽の
  母のスクラム
   不退なリ 
  常楽我浄と 
    光風かおらせ

 日蓮大聖人は、女性の門下たちに繰(く)り返(かえ)し、「常によりあひて御覧(ごらん)あるべく候」(1114ページ)、「同心(どうしん)なれば此の文(ふみ)を二人(ふたり)して人によませて・きこしめせ」 (1324ページ)等と呼び掛けておられた。
 小人数で集まり、仏法を学び、行(ぎょう)じ、仏性(ぶっしょう)を輝(かがや)かせ 合って前進する――。 今、日本中、世界中で花咲く婦人部のグループをはじめ草の根の語らいは、何と深く大聖人のお心に連なった宝(たから)の会座(えざ)であろうか。
「耳にふれぬれば是(これ)を種(たね)として必ず仏になるなり」 (552ページ)と仰せの如(ごと)く、幸福の種が広がるのだ。
 私の妻も、時間を見つけては懇談(こんだん)や小さな会合に飛び込んできた。一人ひとり、さまざまな現実の課題から断(だん)じて逃(に)げずに奮闘(ふんとう)する地涌(じゆ)の宝友(ほうゆう)である。

 戸田先生の御指導を踏まえて、妻が折々に同志と語り合ってきたことがある。断崖絶壁(だんがいぜっぺき)に立って”もう一歩も退(しりぞ)かない”と決めた時から、「宿命」 は「使命」に変わり始めるということである。
 この「人間革命」の朗(ほが)らかな逆転劇(ぎゃくてんげき)を生み出して いく大地が、創価の励(はげ)ましのネットワークだ。誰一人として孤立(こりつ)させない、仲良(なかよ)く賑(にぎ)やかな女性のスクラムこそ、家庭も地域も社会も蘇生(そせい)させゆくオアシスであろう。世界平和の希望の源泉(げんせん)も、ここにある。
 「母の恩(おん)の深(ふか)き事 大海(たいかい) 還(かえ)って浅(あさ)し」(1527ページ) 
 けなげな母たちを思えば、大海原(おおうなばら)の如(ごと)く大生命力が湧(わ)いてくる。我らは日々、「創価の母の日」と決めて、太陽と共に今日も元気に前進だ!