大白蓮華 巻頭言 2019年 5月号

2019年(令話元年)5月号(No.834)

巻頭言
​青春の晴れ舞台は創価にあり​
                             池田大作

 恩師・戸田城聖先生ほど、青年を信頼し、慈(いつく)しみ、薫陶(くんとう)してくださった指導者を、私は知らない。
 残酷(ざんこく)な戦争に家族を奪われ、青春を蹂躙(じゅうりん)された私たちに、先生は「富士の高嶺(たかね)を  知らざるか」と最高峰の生命尊厳の大哲理を示され、妙法流布という平和の大信念を「富士の如く」貫(つらぬ)くことを教えてくださったのである。

 先生の法華経講義の感激を、私は「弱冠二十にして、最高に栄光ある青春の生きゆく道を知る」と記した。
 この道を同士と歩み通して七十余星霜(よせいそう)。経済苦や病苦など、どんな宿命も皆で転換し、人間革命の劇を広げながら、幸(さち)と平和の揺るがぬ民衆の連帯を築(きず)き上げてきた。
 新時代の若人たちよ、絶対に、悔(く)いのない、この創価の青春の道に「競(きそ)うて来たれ速(すみ)やかに」と、私は叫びたい。

 日蓮大聖人は、伊豆流罪(いずるざい)の渦中(かちゅう)、門下を激励された。
「一切衆生なくば衆生無辺(しゅじょうむへん)の願いを発(おこ)し難(がた)し、又悪人無くして菩薩に留難(るなん)をなさずば いかでか功徳をば増長(ぞうちょう)せしめ候べき」(937ページ)
 多様な人がいるからこそ、民衆救済の誓願(せいがん)を果たせる。 圧迫にも負けないからこそ、無量の功徳を積めるのだ。
 広布の勝ち戦のリズムに合わせ、現実社会の人問群に飛び込んで使命を果たす青春ほど、尊(とうと)い晴れ舞台はない。 忙しく労苦も多いけれども、何ものにも代(か)え難(がた)い充実がある。誇りがある。生き甲斐(がい)がある。大歓喜がある。
 一人の若人が妙法によって蘇生(そせい)する時、家庭も職場も、地域も社会も国土も、生命力を増す。この若き地涌(じゆ)の陣列(じんれつ)の拡大こそ、人類の希望があるといってよい。

 御聖訓には「物だねと申すもの一なれども植(う)えぬれば多くとなり」(711ページ)と仰せである。
 立正安国のため、地区で支部で、壮年・婦人の先輩方が青年と一緒に行動し、若き心の大地に励ましの種を植えることが、どれほど豊かな華(はな)と果(み)を成就(じょうじゅ)することか。
 我らの五月。伸びゆく、宝の命と、今を勝ち、未来も勝ち抜く「令法久住(りょうほうくじゅう)」の大行進を、さあ威風堂々と!

 青春を
  思いきり舞え
   誇らかに
   嵐に揺るがぬ
    創価と共に