2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 友誼の道37  6月14日

「教育が進歩しなければ社会もまた進歩し得ない」(注) アメリカの哲学者デューイが、北京大学で行った講演の言葉である。 教育こそ、社会の発展の根本である。大学を見れば、その国、その社会の未来がわかる。 頤和園を後にした山本伸一は、中国の次代を担…

きょうの聖教新聞  2007・6・14

★名字の言 ▼世界で最も技術革新に熱心な国は日本であるー英経済誌エコノミストの調査部門が番付を発表した ▼特許件数などから比較した結果、世界82カ国・地域の中で2位のスイス、3位の米国を抑え日本が1位となった。ハイブリッド車、デジタルカメラ、薄型テ…

小説「新・人間革命」 友誼の道36  6月13日

釈尊は、生老病死の四苦から、人間を解放するために立ち上がった。 苦悩からの根本的な解放を説いているのが、仏法である。その実践の根幹をなす精神は、趙樸初副会長の言葉を借りるなら、「人民への奉仕」といってよい。 日蓮大聖人は、苦悩する人びとを救…

きょうの聖教新聞  2007・6・13

★名字の言 ▼同じせりふでも、演じる俳優によって、全く違った印象を持つことがある。言葉の重みは、俳優のせりふを読み込む深さにあるのだろうか ▼俳優の三國連太郎氏が『生きざま死にざま』(KKロングセラーズ)に綴っている。尊敬する先輩から脚本のせりふ…

小説「新・人間革命」 友誼の道35  6月12日

湖に沿って茂る、緑の木々がまばゆかった。 青い空に、綿のような雲が浮かんでいた。 四日午前、山本伸一の一行は、北京市郊外の頤和園に招かれた。 頤和園は、清朝の西太后の離宮として知られる大庭園である。 万寿山と呼ばれる小高い丘には、楼閣が立ち、…

きょうの聖教新聞  2007・6・12

★名字の言 ▼「滝の如く激しく/滝の如くたゆまず/滝の如く恐れず/滝の如く朗らかに/滝の如く堂々と/男は/王者の風格を持て」。先月の本部幹部会で改めて紹介された池田名誉会長の「滝」の詩である。かつて青森の奥入瀬渓流を訪れ、謳われたものだ ▼滝の水音の…

きょうの聖教新聞  2007・6・11

今日は、新聞休刊日です。

きょうの聖教新聞  2007・6・10

★名字の言 ▼時間は朝鮮半島からの“貿易品”。「時間」という概念は6世紀、百済から入ってきたという(『信仰と世界観』上原真人ほか編、岩波書店)。興味深いのは人と時間の関係だ ▼「農民は寅時(午前4時)から戌時(午後8時)まで働きなさい」。9世紀、…

小説「新・人間革命」 友誼の道34  6月9日

図工の教室には、生徒たちのさまざまな作品が展示されていた。 その見事な出来栄えに、山本伸一は賞讃の声をあげた。 「上手だね。すばらしい。日本の子どもたちに見せたいです」 通訳が伝えると、教師や生徒が口々に答えた。 「どうぞ、お持ち帰りください…

きょうの聖教新聞  2007・6・9

★名字の言 ▼アメリカの女性作家エレナ・ポーターの小説『少女パレアナ』は、いかなる境遇であったとしても、「心」次第で、環境を変えていけることを描いている ▼幼くして、両親を失ったパレアナ。ところが、その不遇を周囲に微塵も感じさせないほど明るい。…

小説「新・人間革命」  6月8日 友誼の道33

山本伸一は、人民公社では病院も視察した。 また、人びとの暮らしを知るために家庭訪問を希望し、その家族とも懇談した。国と国との友好といっても、民衆と民衆の心が結ばれなければ、結局は、砂上の楼閣となってしまうからだ。 ゆえに伸一は、人民との交流…

きょうの聖教新聞  2007・6・8

★名字の言 ▼目の前で見たのは、初めてだった。ファクスなどの文字は達筆だったので、どのようにして書いているのかと思っていた。口でキャップを外し、合掌した両手の間にペンを挟む。ふっと深呼吸して一行書く。やはり達筆だ。ペンを挟んだ両手には、指がな…

小説「新・人間革命」  6月7日 友誼の道32

この日の午後、山本伸一の一行は、北京市郊外の人民公社を訪問した。 人民公社は、生産部門と行政部門が一体化した、中国独自の農村の機構であった。 この人民公社は、一万六千ヘクタールの敷地に一万八百ヘクタールの耕地があり、一万七千世帯、八万人の人…

きょうの聖教新聞  2007・6・7

★名字の言 ▼池田名誉会長の著作の出版が、ルーマニア語版『生命と仏法を語る』の発刊で世界38言語となった。「38」と一口に言うが、私たちの頭には一体何カ国語が浮かぶだろうか ▼37言語目はマケドニア語だった。普段、耳にしない言語にまで翻訳が進ん…

小説「新・人間革命」 友誼の道31  6月6日

訪中四日目の六月二日、山本伸一は、北京市西城区の、半導体を使って精密機械を作っている工場に案内された。 従業員は三百五十人ほどで、その中心は主婦である。 解放前の中国では、女性は陰に追いやられてきた。しかし、解放後は、「女性は天の半分を支え…

きょうの聖教新聞 2007・6・6

★名字の言 ▼6月6日は、牧口常三郎初代会長の生誕日。1871年の当時は、旧暦だった。新暦では7月23日に当たる。本格的な夏の始まりに生を受けた創価の父は、太陽の仏法を根本に、生涯、教育改革・宗教改革への熱い情熱を燃やし続けた ▼1893年、北海道尋常師範…

小説「新・人間革命」友誼の道30  6月5日

中国側を代表して、張香山副会長が、誓約するように語った。 「核実験は行っても、いかなる場合も、中国が最初に核兵器を使用することは絶対にありません。核は、あくまでも防衛的なものです」 核兵器に対する考え方では、創価学会側と中国側とは、意見が異…

きょうの聖教新聞  2007・6・5

★名字の言 ▼薄い雲の間から一条の飛行機雲が現れた。「あれじゃないか!」。特大の「三色旗」をなびかせ、本州最北端の大間の友は声を振り絞った。「先生、先生!」 ▼1992年夏、北海道指導に向かう池田名誉会長を乗せた飛行機が下北半島の上空を飛んだ。…

小説「新・人間革命」 友誼の道29  6月4日

世界の核開発競争は、ますます過熱化しようとしていた。 この一九七四年(昭和四十九年)の五月には、インドが地下核実験に成功し、パキスタンも核開発中と伝えられていた。 核兵器の拡散は進む一方であった。 また、米ソの核能力は年々増大し、地球そのもの…

きょうの聖教新聞  2007・6・4

★名字の言 ▼セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』と言えば、騎士道物語を読みあさったドン・キホーテが、遍歴の騎士として旅する物語だ。行く先々で起こす破天荒な出来事の多くは、世の不正を正し、虐げられた人々を助けようとする主人公が、出あった人々に…

きょうの聖教新聞  2007・6・3

★名字の言 ▼広布の連帯には誇りがある。関西は「常勝」。中部は「堅塁」。今月30日、結成50周年を迎える学生部は「先駆」だ ▼この「先駆」という使命が最初に示されたのは、じつは、学生部結成のすでに前年のこと。結成準備の打ち合わせ会に出席した池田…

小説「新・人間革命」 友誼の道28  6月2日

山本伸一が中国を訪問する直前の一九七四年(昭和四十九年)三月にも、中国は領内に侵入したソ連のヘリコプターの乗組員を逮捕し、スパイ行為であるとソ連に抗議していた。 中ソ対立は、いつ戦争の火の手をあげてもおかしくない、危機的な状況を呈していたの…

小説「新・人間革命」 友誼の道27 6月1日

一九六〇年(昭和三十五年)七月、ソ連は、中国に派遣していた千人を超える技術者の引き揚げや、物資などの供給停止を決めた。 これによって、ソ連の援助に依存していた中国の経済政策は、根底から揺るがされることになったのである。 中国は、六四年(同三…

きょうの聖教新聞  2007・6・2

★名字の言 ▼小説『新・人間革命』に、1974年5月に始まる、池田名誉会長の初訪中が描かれている ▼北京の早朝。訪中団の一行は、「シャーッ」という音で目が覚めた。宿舎の北京飯店は、天安門や故宮にほど近い、目抜き通りに面する。音の正体は、道路を埋…

きょうの聖教新聞  2007・6・1

★名字の言 ▼昨年末のこと。ある女子部員が自宅で1冊のノートを見つけた。そこには7ヶ月前、5年の闘病を経て脳腫瘍で亡くなった姉の文字が ▼地区リーダーだった姉は入退院を繰り返すなか、“活動ノート”を綴ってきた。「病院からなので電話でしか励ましの声…