2016-02-10から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 常楽 31 2016年2月6日

山本伸一は、茨城の勝利の未来図を思い描きつつ、県歌「凱歌の人生」を作詞した。 一、おお寒風に 梅の香を 君も友どち 耐え勝ちぬ いざや歌わん 茨城の 凱歌の人生 創らんや 凱歌の人生 輝けり 二、真赤な太陽 わが胸に 苦楽の旅に 諸天舞え ああ常楽に 坂…

小説「新・人間革命」常楽 30 2016年2月5日

十月二十一日の本部幹部会で、婦人部歌「母の曲」とともに発表された茨城県歌「凱歌の人生」の歌詞には、山本伸一の“すべてに勝利の茨城であれ!”との、強い、強い、期待が込められていた。 彼は、茨城県は多様性に富み、未来創造の新モデルとなる県であると…

小説「新・人間革命」 常楽 29 2016年2月4日

峯子がグラウンドを回っていると、「高島から来ました!」と叫んだ老婦人がいた。 高島は、琵琶湖の北西側に位置する地域であり、ここでも同志は、宗門の僧や檀徒らによる学会攻撃に苦しんできた。 寺の御講などでも、学会をやめて寺に付かなければ、葬式に…

小説「新・人間革命」 常楽 28 2016年2月3日

琵琶湖フェスティバルは、「太陽と共に」をテーマに掲げ、青空のもと、滋賀研修道場のグラウンドで、午前と午後の二回にわたって、晴れやかに、楽しく行われた。 千二百人の大合唱団による華麗なコーラス、リズムダンス、「熱原の三烈士」の演劇、組み体操、…

小説「新・人間革命」〉 常楽 27 2016年2月2日

山本伸一は、本部幹部会で語った。 「この『母の曲』は、作曲も頼んであります。今日中には、出来上がると思います。楽しみにしていてください」 発表された「母の曲」の歌詞を聴いた婦人たちの反響は大きかった。 ある年配の婦人は、頬を紅潮させながら感想…

小説「新・人間革命」常楽26 2016年2月1日

作詞が三番の後半にいたった時、山本伸一は峯子に言った。 「ここには、ご主人のことも、一言入れておきたいな。 壮年部歌の『人生の旅』では、『ああ幾山河 妻子と共に』としたんだから、どこかに『夫』と入れておきたいんだよ」 「そうですね。でも、婦人…

小説「新・人間革命」 常楽25 2016年 1月30日

山本伸一は、「母の曲」の二番の冒頭を、最初は「名も無き家を 守りつつ」とし、「家」の字を「しろ」と読むようにした。 しかし、各家庭が、そのまま「母の城」なのだということを伝えるには、「家」ではなく、「城」と書いた方がよいと思った。 そして、婦…

小説「新・人間革命」 常楽24 2016年 1月29日

創価婦人会館での懇談で、婦人部の幹部は山本伸一に、「可能ならば先生に作詞をしていただければ……」と、要請を伝えた。 伸一は、この意向に添いたかった。 彼は、この日、午後十時半に帰宅してから、作詞に取りかかったのである。 「さあ、婦人部の歌を作る…

小説「新・人間革命」 常楽23 2016年 1月28日

「母の曲」の歌詞が発表されると、婦人部員の間から歓声と拍手が起こり、しばらく鳴りやまなかった。 ようやく拍手が収まると、山本伸一は言った。 「婦人部の皆さん方の日夜のご活躍に、心から敬意を表して作らせていただきました」 さらに大きな拍手が広が…

小説「新・人間革命」 常楽22 2016年 1月27日

十月二十一日午後、十月度の本部幹部会が東京・板橋文化会館で行われた。 この日の指導のなかで、山本伸一は、学会歌を制作してきた真情について語り始めた。 「私は、本年、各方面や県、また各部から強い要望があり、歌を作ってまいりました。同志の皆さん…

小説「新・人間革命」 常楽21 2016年 1月26日

山本伸一は、〝学会の発展も、戦後の広宣流布の大伸展も、軍部政府の弾圧と戦って獄死した初代会長・牧口先生の死身弘法の精神を、戸田先生が、そして、同志が受け継いできたからにほかならない〟と深く思った。 彼は、「源に水あれば流かはかず」(御書九〇…

小説「新・人間革命」 常楽20 2016年 1月25日

信心に励むのは、「衆生所遊楽」すなわち、人生を楽しみ、悠々たる幸福境涯を築いていくためである。 ともすれば人は、富や名声などを得れば幸せになれると考えてしまう。 しかし、心の外に幸せを追い求め、欲望に翻弄されていては、本当の生命の充足も、満…