巻頭言 2007 4月号

  異体同心は永遠の勝利の法則

 異体をば
   同心せよ
     との御聖訓
   背かず励めや
     功徳の城にて

 「異体同心なれば万事を成じ同体異心なれば諸事叶う事なし」(1463ページ)
 これは、日蓮大聖人の御断言であられる。団結は正しい。団結は美しい。団結は楽しい。そして「異体」すなわち「多様性」を尊重した団結ほど、強いものはない。この人間の結合の極致を、蓮祖は、中国の故事を踏まえつつ「異体同心」の一語に凝結して、人類に留めてくださった。なんと素晴らしき御金言か。
 いかなる国においても、そして様々な団体においても、「異体同心」こそ勝利の鉄則だ。なかんずく仏道修行にあっては、この大法則に背けば、功徳も出ない。力も出ない。
 『摩か止観』には「心を同うし志を斉うして一船に乗るがごとく、たがいに敬重して世尊を視るがごとくす」と記されている。
 上も下もない。同志は、みな平等である。みな尊極の仏である。みな偉大な闘志である。
 「心こそ大切なれ」(1192ページ)-この心と心とを、「広宣流布」という大誓願に一致させた「異体同心」の真髄の世界が、創価学会である。ここに、妙法と完璧に合致した「和合僧」がある。そして、この学会と苦楽を共にしゆく生命にこそ、仏法の極理である「生死一大事の血脈」が脈々と流れ通うのだ。

 黄金の
   心と絆の
     人材城

 イタリア独立の英雄マッツィーニは叫んだ。「団結は諸君の力を百倍にする」団結すれば、自らの眼前の壁を打ち破れる。呼吸が合えば、新鮮な活力と人材が躍動する。
 スペインの人道の先駆者アレナルも語った。「善のために連合する力は、足し算ではなくして、掛け算で勢いを増す」
 我らの「異体同心」の大連合は、日本列等、さらに全世界を晴れ舞台として、正義の完勝への勢いを、仲良く明るく加速している。

 末法の様相は「闘じょう言訟」である。端的に言えば「仲の悪い」時代だ。世間を見れば、骨肉相食む争いが渦巻き、いずこの組織体でも派閥の軋轢や分裂の不安に戦いている。
 しかし、慈祈広宣流布の和合僧だけは撹乱させてはならぬ。異体異心の輩は断じて許すな!これが、釈尊、そして蓮祖の厳命であられた。だからこそ牧口常三郎先生は、破和合僧の悪人を厳然と叩き出せ!と師子吼されたのだ。大阪事件の折、戸田城聖先生は感嘆された。
 「関西の同志は、大作と一緒に立ち向かった。何ものも恐れずに戦った。これで関西はますます強くなるぞ。福運に満ち満ちた、大境涯への飛躍を遂げたのだ」
 「異体同心」の魂は、この「師弟不二」の勇気と忍耐と団結にあることを銘記されたい。
 「異体同心なれば万事を成ず」。ゆえに世界平和を成ずる力もまた「異体同心」にある。
 今、私が対談を進めているアルゼンチンの人権の獅子エスキベル博士は言われた。
 「人間が挑戦への勇気を持てば、収穫は自ずと到来する。その挑戦とは『人類への道』、すなわち『連帯の文化』という新しい道を探求することである」
 そして博士は、この人類共存の希望の光を世界の各地で輝かせているのが、創価の師弟であると、最大に賞賛してくださっている。
 さあ、「異体同心」という絶対勝利の法則とともに、栄光の五月三日へ大前進を!

 朗らかに
   愉快に勝ちゆけ
        この人生
   世界一なる
        団結誇りと