巻頭言 「声 仏事を為す」-正義の誉れの大音声を! 2007年6月号

  負けるなと
     断じて勝てよと
         師の声は
      弟子の我らの
          命に流れむ
 仏の声は、無敵の「勝ち戦」の声である。それは、邪悪を打ちくだく「破邪」の宝剣だ。そして、人々を正しき幸福勝利の道へ目覚めさせゆく「顕正」の陽光といってよい。
 日蓮大聖人は、「一の師子王吼れば百子力を得て諸の禽獣皆頭七分にわる」(1316ページ)と仰せである。正義の同志の魂に勇気と活力を贈り、悪逆な怨敵は震え上がらせずにはおかないー
これが、妙法を唱え、弘めゆく生命が発する「声」の力用である。
 初代・牧口常三郎先生も、二代・戸田城聖先生も、この師子王の大音声を放って、広宣流布の大道を勇猛に開かれたのである。

  溌剌と 
    平和の声を
       張り上げて
      大行列の
        前進楽しく

 臆病な沈黙は、敗北であり、衰亡である。旭日の昇るように生き生きとした声が漲るところこそ、勝利があり、発展がある。「一日五分の音読で、能は十歳若返る」との最先端の脳研究も、聖教新聞で紹介されていた。学会活動は、健康な音声に満ち満ちている。「声 仏事を為す」(708ページ)であるゆえに、声を出した分だけ、広宣流布という仏の聖業は進む。
 私と対談集を発刊した「アメリカの良心」カズンズ博士は語っておられた。「今日の希望は、実はこれこそが唯一の希望かもしれませんが、明快に発言し意思を交わしあう市民が世界中に輩出するところにこそありうるでしょう」 
 その希望の交響を、博士は創価世界市民の声から聞き取ってくださっていたのだ。

 広宣の
   尊き母らの
      叫びをば
     諸天も諸仏も
       断固と守らむ

 この六月十一日は、世界一の「婦人部の日」-。
気高き婦人部の明朗な声に勝るものはない。御聖訓に、「悪知識と申すは甘くかたらひ詐り媚び言を巧みにして愚痴の人の心を取って善心を破る」(7ページ)と説かれる。その魔性の悪知識を鋭く見破り、厳然と破折してきたのが、創価の女性の誉れと尊き歴史である。
 昭和54年、広布の和合僧を破壊せんとする邪宗門の策略の渦中に、北陸の会合で一人の女性リーダーは凛然と叫び切った。「何が変わろうとも、誰がどうであろうとも、私たちの師匠は、先生ただお一人です!」
 師子吼とは、妙法流布の大願へ、師匠と弟子が共に正義を吼えゆく音声である。この響きがある限り、学会は永遠に負けない。三世に輝き栄えていくのだ。
 「私たちの運命を決めるのは、権力を持った指導者ではなく、むしろ民衆自身の結合した声による強い影響力である」とは、エレノア・ルーズベルト大統領夫人の叫びであった。けなげな母たちの声、誠実な青年の声が最大に尊重される社会を築くために、我らは戦い、そして勝つのだ。これが、仏法即社会であるからだ。
 九十六歳まで語り抜かれた、パグウォッシュ会議のロートブラット名誉会長は、私の詩集『平和への闘争』に寄せて、「増幅する暴力と憎悪をも凌ぐ正義の大音声を、今ほどあげねばならね時はない」と記された。創価の勝利を、世界の知性も待っている。「いよいよ・はりあげてせむべし」(1090ページ)
声を限りに、今日も仏の使命を果たし、勝ち抜いてゆくのだ。

 宇宙まで
   響かむ
     創価の大音声
    出陣勝ちたり
      凱旋賑やか