2007-8 巻頭言 大白蓮華

 入信60周年に思う
           勝利の誓願を晴れ晴れと!
                        創価学会名誉会長  池田 大作

 共々に
   栄え勝ちたり
      わが人生
    誓いを果たさむ
       生命讃歌よ

 文豪ビクトル・ユゴーは叫んだ。「諸君の高遠偉大なる理想を想起するがいい。理想に忠実なれ。そこに自由があり、そこに幸福がある」
 「偉大なる人生」とは「偉大なる誓願」に生き抜く人生である。「我等衆生の一日一夜に作す所の罪業・八億四千の念慮を起す」(823ページ)と説かれる如く、人の心は縁に紛動されて、めまぐるしく変わる。これほど頼みにならないものはない。
 だからこそ「誓い」を立てるのだ。誓いを持ち、誓いを果たしゆく人は、強く、清く、正しく、そして人生充実の勝ちたる人である。
 なかんずく広宣流布誓願して、身・口・意の三業にわたって、正法を行じ抜いていく創価の友は、仏の心と完璧に一体となる。仏の智慧と仏の力を、わが生命の奥底から無限に湧現できるのだ。

 邪悪なる
   城壁破りて
      永遠の
     凱歌を誓わむ
       恩師を見つめて

 御聖訓には、「上行乃至・日月等忝き仰せを蒙りて法華経を末代に弘通せんと・ちかひ給いしなり」(1245ページ)と記されている。
 「法華経」を貫く魂ーそれは、師匠に広宣流布の遂行を約束する弟子の誓願である。昭和二十二年の八月二十四日、十九歳の私は、戸田城聖先生の直弟子として今世の大闘争を開始した。今年で六十年となる。蓮祖は、「一切の草木は地より出生せり、是を以て思うに一切の仏法も又人によりて弘まるべし」(465ページ)と仰せになられた。師匠こそ根本の大地である。ゆえに、私は誓いを定めていた。
ー一番大切な戸田先生をお護りすることが、創価学会を護ることであり、大仏法を護ることである。そして戸田先生の構想を実現することが、広宣流布を実現することである、と。私の永遠の誉れは、青春のすべてを捧げて、この誓いを完遂したことだ。

 元初にて
    誓願立てたる
       我らなば
     現世の波は
        すべて功徳と

 大聖人は慨嘆なされた。
 「我が弟子等の中にも兼て聴聞せしかども大小の難来る時は今始めて驚き肝をけして信心を破りむ」(501ページ)「つたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」(234ページ)
 いかに弁解しようとも、師に背き、同志を裏切り、誓いを捨て去った人生は敗北である。永劫に闇から闇へ流転し、臆し続ける苦悩の悪道に入り込んでしまうのだ。
 「ちかいし願やぶるべからず」(232ページ)-この開目抄の大宣言のまま、学会は広宣流布の大誓願を貫き、諸難も乗り越え、三類の強敵に打ち勝ってきた。ゆえに、日蓮仏法の唯一の正統の誇りも高く、「日本の柱」「世界の眼目」「人類の大船」としてそびえ立った。卑劣な退転反逆の徒も、今や羨望と悔恨をもって仰ぎ見るだけだ。
 あの「終戦の日」八月十五日、心ある人びとは誓ったはずだ。-二度と戦争を起こさぬこと。母たちを泣かさないこと。そしてアジアと世界から信頼される真の平和な日本をつくることを。
 戸田先生の教えには、その夢を具現化する「平和への道」「文化の道」、そして「教育の道」が、すべて包含されていたのだ。
 本年の四月、新装なったブラジル池田文化会館で行われた記念式典で、来賓の著名な指導者の方が語ってくださった。
 「創価の哲学は、戸田会長と池田博士の出会いを起点として、六十年間にわたって広げてこられたものです。そしてSGIは、民族・国家を超越した連帯を促し、世界に平和を構築するという最も驚嘆すべき聖業を進めておられるのです」と。
 世界の地湧の友どちが、誓願を胸に、現実の社会の中で、晴れやかに人間主義の希望の旗を振りゆく姿ほど嬉しいものはない。私は開拓者だ。未来永遠に、無数の青年が胸を張って闊歩しゆく創価の師弟の栄光の大道を、今日も戦い開くのみである。

 晴れ晴れと
    勝利の原理は
        師弟不二