2007年9月12日 聖教新聞 新時代第10回 本部幹部会での名誉会長のスピーチ-4

2007年9月12日 聖教新聞
新時代第10回 本部幹部会での名誉会長のスピーチ-4

 無限の力を開放する仏法の法理 
 一、私が創立した「ボストン21世紀センター」の学術書は、これまで、世界の大学の400以上の講座で、教材として活用されてきた。
 センターが新たに編さんした学術書『教育の道徳的ビジョン──実践の哲学』も反響が大きい。
 〈同書は本年、アメリカを代表する教育出版機関、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ出版局から発刊され、名誉会長が序文を寄せた〉
 アメリカのジョン・デューイ協会の会長である、ジム・ガリソン博士も、深い共感を寄せてくださっている。
 博士は、今春、銃乱射事件で33人もの命が奪われたバージニア工科大学の教授である。
 博士は、真撃に、そして誠実に、教育に新たな力を与える哲学を探究し、実践しておられる。だからこそ、"人間には無限の可能性がある"と論じた私の序文に、確かな希望の光を感じ取ってくださったようだ。
 一、博士はその後、学会の思想の源流を探ろうと、法華経を読破された。そして、感想をこう語っておられた。
 「法華経は、実に力強い経典です。とくに、8歳の竜女の成仏は、すべてを変えてしまう力を持っています。そこでは、性別や年齢など、あらゆる差別が、克服されています。
 私たち一人一人が、例外なく仏性という無限の力を持っている。そして、それは、どこか他のところではなく、今いる場所で、瞬時に開放していくことができる──。
 この仏法の法理が、SGIにとって、どれほど重要な意味をもつか、私にはよくわかります」
 深いご理解に感謝したい。

トインビー博士
 苦難の体験なしに人間は成長しうるだろうか

 信仰でこそ魂は目覚める 
 一、ここで、世界の哲人の言葉を贈りたい。
 イギリスの詩人バイロンは叫んだ。
 「わが魂よ、めざめよ! 思ってもみよ、『何びと』を経て わが生命の血が、その源の泉から流れてきたかと そして、ましぐらにその源へもどれよ」(阿部知二訳『バイロン詩集』小沢書店)
 目覚めよ! 源へもどれよ──詩人は劇のごとき人生の最後に謳った。
 究極的には、信仰でしか、魂は目覚めない。
 大いなる魂の源──それこそ、仏法なのである。
 古代ローマの哲学者ボエティウスは綴った。
 「お前たちは何故お前たちの内にある幸福をお前たちの外に求めるのか」(畠中尚志訳『哲学の薦め』岩波書店
 まさに仏法に通ずる。賢者の言葉には、真実の智慧が含まれている。
 そして、イギリスの大歴史家トインビー博士は言った。
 「人間が精神的に成長するためには、ある程度の苦難の経験が必要なのではあるまいか。そういう苦難の体験なしに、人間は果して成長しうるだろうか」(黒沢英二訳『現代人の疑問』毎日新聞社
 その通りだ。苦難の体験なくして人間の成長はない。勝利はない。
 悩みや迷いと戦うからこそ、自身の境涯を大きく広げられる。「煩悩即菩提」である。喜び勇んで、頑張ろう!(大拍手)
 大聖人の仏法を学び、幸福の哲理を人々に広げゆく私たちは、世界一の哲学者なのである。尊き仏の集いなのだ。
 私たちは、この無上の誇りに満ちあふれ、朗らかに、勝利の歌声を響かせていこうではないか。
 〈ここで名誉会長の提案により、「滝の詩」の合唱が紹介され、皆で歌った。
 「滝の如く 激しく
  滝の如く 撓まず
  滝の如く 恐れず
  滝の如く 朗らかに
  滝の如く 堂々と
  男は
  王者の風格を持て」〉
 一、長時間ありがとう! ご苦労さま! どうかお元気で!
 力強く、朗らかに、悠々と人生を歩んでいってください。
 今、お金があってもなくても、長い人生から見れば、大したことではない。この信心を貫くならば、
最後に幸福になることは、絶対に間違いない。
 全員が勝利者になることが、広宣流布なのだ。
 とくに海外の皆様、遠いところ、本当にご苦労さま! 心から感謝します。
 お幸せに! ありがとう!(大拍手)
 (2007・9・6)

新時代第10回 本部幹部会での名誉会長のスピーチ〔完〕