07年10月17日 聖教新聞 新時代第11回本部幹部会での名誉会長のスピーチ-3

07年10月17日 聖教新聞
新時代第11回本部幹部会での名誉会長のスピーチ-3

 民衆がすべて
 一、民衆がいかに偉大か。世界の知性の声に耳を傾けたい。
 「民衆はわたしには神聖である」とは、スイスの大教育者ペスタロッチの言葉である(是常正美訳「時代──わが時代に訴う──」、『ぺスタロッチー全集第8巻』所収、平凡社)。
 民衆こそ尊い。学会員こそ最も尊貴な存在なのである。
 一、きょうはブラジルの同志も見えられている。SGIに深い理解を寄せておられた、ブラジルの文豪アマードは謳った。
 「英雄は詩人のように、民衆の先頭を行く。詩人と英雄は民衆の一員だが、彼らに個性、品格、生命を与える」(神代修訳『希望の騎士 革命児プレステス』弘文堂新社)
 フランスの文豪ロマン・ロランは、戯曲の中で綴っている。
 「崇高な民衆! お前の中に生れたものは幸福だ! お前の幸福のために死にうるものはいっそう幸福だ!」(宮本正清訳「ロベスピエール」、『ロマン・ロラン全集11』所収、みすず書房
 同志のために、尽くして、尽くし抜いて、死んでいく。これが、一番幸福な生き方である。
 「われわれはいっしょに、すべての民衆の神聖な協力を作りあげるだろう。われわれが擁護するのは、彼らの幸福であり、彼らの権利なのだ」(同)
 これも、戯曲の中の言葉である。
 権力者は民衆を下に見る。しかし我らは、民衆をどんどん結びつけ、その幸福と権利を守る。それが広宣流布であるからだ。
 ロシアの文豪ドストエフスキーも言っている。
 「毅然としていて力強いのは民衆だけです」(小沼文彦訳『ドストエフスキー全集第17巻』筑摩書房
 「民衆、これがすべてである」(米川正夫訳『ドストエーフスキイ全集20』河出書房新社
 民衆こそ一番正しい。
 民衆こそ偉大である。
 民衆の力に勝るものはない。
 「民衆にたいして謙虚にならなければならぬという思想、これにはわれわれも文句なしに賛成である。この思想には、くり返していうが、多くの光明が含まれている」(同)
 このドストエフスキーの信念を、多くの指導者に伝えたい。

 正義の人は誹謗される
 一、賢人との語らいほど価値あるものはない。
 中国の国学大師の饒宗頤(そうじょうい)先生が、私との対談のなかで、好きな詩人として挙げておられたのが韓愈(かんゆ)であった。
 大詩人・韓愈は言う。
 「万事よく修めている、あるいは行ないが立派に修まると、そしりの声がおこり、徳が高くなると、中傷、悪口が流れる」(諸橋轍次『中国古典名言辞典』講談社
 正義の人、偉大な人は必ず誹謗される。悪い人間、要領の人間は悪口を言われない。
 インドの最高裁判所元判事のモハン博士との出会いも、懐かしい。
 博士は述べている。
 「宗教の宗教たるゆえんは道徳性にあります。政治が道徳性を失えば、鼻持ちならないものになってしまいます」
 人間性あふれる社会をつくるために、正しき宗教が必要なのである。

 真の幸福とは?
 一、ここで御聖訓を拝したい。
 大聖人は、「喜びの時でも、『今世の喜びは、夢の中の夢のように、はかないものである。(三世永遠の成仏という)霊山浄土の喜びこそ、まことの喜びである』と思い合わせて、また南無妙法蓮華経と唱え、退転せずに修行して」(御書1386ページ、通解)いきなさい、と仰せである。
 人生の真実の喜び、幸福とは何か?──ここに信仰の結論がある。
 たとえ、いくらお金があっても、幸福とは限らない。社会的に偉くなっても、必ずしも幸福ではない。幸福そうに見えるだけである。
 この仏法の実践によってのみ、わが胸中に永遠の「幸福境涯」を開いていくことができるのである。幸福とは、自分の心のなかに築くものだ。
 一、さらに青年に箴言を紹介したい。
 インドの大詩人タゴールは綴った。
 「臆病者に、敗北よりほかの何が望めるものか」(山室静訳「黄金の舟」、『タゴール著作集第2巻』所収、第三文明社)と。
 その通りである。
 また明治の詩人・国木田独歩の言葉に──「薄弱は悲惨の極なり。剛毅の徳は人間の第一なり」(『欺かざるの記』潮文庫)とある。
 強く生きるのだ! 強く! たとえ信仰をもったとしても、臆病であったり、ためらったり、尻込みをしていれば、自分を変えられるはずはない。
 さらに、イギリスの劇作家シェークスピアは戯曲「ヘンリー6世」に綴った。
 「邪悪な人間は、なんという悪事を働くことか。そうすることによって、彼らは、自らの頭上に不幸を積み上げているのだ」
 よくよく思索していただきたい言葉である。
 一、ここで一つ、海外から届いたニュースを紹介させていただきたい。
 この10月5日、インドのチェンナイで国際的な詩のシンポジウムが開催され、その席上、私は、光栄にも、世界詩歌協会から「世界民衆詩人」の称号をお受けした(大拍手)。
 このシンポジウムには著名な詩人をはじめ、700人が参加されたとうかがっている。まずは、世界の同志の皆様方に、謹んでご報告させていただきたい(大拍手)。

強くあれ!苦労せよ!
御聖訓 「今世の喜びははかない 成仏の喜びこそ真の幸福」
一番立派なのは第一線の同志

 〈これまで、名誉会長には、1981年に世界芸術文化アカデミーから日本人初の「桂冠詩人」の称号が贈られ、1995年に世界詩歌協会から第1号の「世界桂冠詩人」賞が授与されている。
 今回の栄誉により、名誉会長は、「桂冠詩人」称号、「世界桂冠詩人」賞、「世界民衆詩人」称号の三つを受けたことになる。
 また、5日の授章式に際し、世界詩歌協会のパドマナーバン副会長は、名誉会長への深き尊敬の思いを、こう述べている。
 「歴史を読む人は数多くいますが、歴史を創る人は稀有です。そのなかで、池田博士は、歴史を創っておられる偉大な方です。博士は平和の使者として、静かに、しかし着実に、一人で大きな偉業を成し遂げてこられました。現代の混沌とした世界のなかで、聖人といえるのは、池田博士ただお一人です。その池田博士のリーダーシップのもと、善の団結を絶え間なく拡大されているSGIの民衆運動は、本当に素晴らしいと感嘆しています」
 さらにインドの高名な哲学者であるラダクリシュナン博士は、こう語っている。
 「池田博士は、仏教の精神に基づき、宗教の璧を超えて、さらに広く大きなヒューマニズムの中に、世界の人々を結びつけておられます。きっと将来の歴史家は、池田博士が推進されている偉業を、『人類の生存のために極めて重要な、傑出したものであった』と記すことでしょう。池田博士ともに、この闘争を戦うことは、博士が卓越したリーダーシップで展開される『歴史を創造する偉業』に参加することなのです」〉

 自我偶の文
 「先日、法華経研究の母として世界的に有名なヴォロビヨヴァ=デシャトフスカヤ博士(ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部)が、東京で講演会を開催された。(9月24日)
 席上、博士は「法華経は、釈尊の最高の教えとして、池田氏の時代に、日本のみならず、世界中に広く流布されました」と、私どもの運動に高い評価を寄せてくださった。
 さらに席上、博士は次のように述べられた。
 「法華経の寿量品は、釈尊が自分自身への問いかけをするところで終わっています。
 『毎自作是念(まいじさぜねん) 以何令衆生(いがりょうしゅじょう) 得入無上道(とくにゅうむじょうどう) 速成就仏身(そくじょうじゅぶっしん)』──『私(釈尊)は、常に、このことを念じている。すなわち、どのようにすれば、衆生を無上の道に入らせ、速やかに仏身を成就させることができるだろうか』──つまり、『どうすれば、民衆を成仏させることができるのか』との問いかけです」「池田氏は、ご自身の生き方そのもので、この問いに答えておられると思います」と。
 私自身のことはともかく、世界の心ある一流の識者の方々が、仏法を基調とした創価人間主義の運動を真剣に求め、研究する時代に入っていることを知っていただきたい(大拍手)。
 また、法華経の寿量品といえば、中国の饒宗頤(じょうそうい)先生が、この自我偈の結びの文を、墨痕鮮やかにしたため、贈ってくださった。深き友誼のお心に改めて感謝申し上げたい(大拍手)。
 〈饒博士は、「池田先生の行動は、この自我偈の経文通りと思い、渾身の力を込めて、したためました」と語っている。この傑作(縦225センチ×横540センチ)は、神戸の関西国際文化センターで開催中の「長流不息(ちょうりゅうふそく)──饒宗頤」展で展示されている。28日(日)まで〉

新時代第11回本部幹部会での名誉会長のスピーチ-4に続く



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